プランクスケール
マックス・プランクによって考えられた単位で、時間や質量や長さなどの単位について、普通に使われている単位でなく、ごく微小な数値を基本として世界のあらゆるものを測定できるようにしたもの
宇宙の果て・ミクロの限界
子どもの頃、誰もがこんなことを一度は思ったものではないでしょうか。
「宇宙の果てはどこにあるのだろう?」
「ミクロの世界はどこまで小さいのかな?」
しかし、現在の科学でこれを正面から説明するのは不可能です。
だから、おそらくこの疑問は誰もが凍結したまま、皆さんの頭の奥に眠っていることと思います。
人間の生活している空間を基準に考えると、物質の大きさというものは、大きい方では、せいぜい火星とか金星あたりの宇宙空間まで、小さい方では顕微鏡で見ることができるくらいのものまでが、実感を持ってとらえられるものの限界かもしれません。
しかし、実際は大きい方は無限大だろうし、小さい方も無限小ということになるはずですね。
実際はどうなのでしょうか。
無限大の宇宙
大きい方に関しては以前も記事にしましたが、ビッグバンで膨張する宇宙があるのならば、当然その外側があると考えるのが自然ですが、そのあたりの議論はいまだはっきりとした結論は出ていないようです。
量子もつれ(宇宙の果てどうしでも一瞬に情報が伝達される現象)の実験などがすでに行われたりしていますが、何せあまりに大きい話なので現実の観測は難しく、まだまだ解明は先かもしれません。
宇宙が大きな水槽に入っていて、それを外から観察する人がいて、そしてその人が存在する宇宙が更に大きい水槽に入っていて、それを外から観察する人がまたいて…、などどいうアニメがありましたが、そんなことも考えてしまうくらい全く謎のままです。
世界で1番小さい物は?
これに対して、小さい方は身近なため考えやすい面があります。
まず学校でも習う範囲の小さい世界は、分子>原子>原子核>中性子・陽子というサイズのものが頭に浮かびます。
数値にすると逆に実感がないかもしれませんが、原子核が10-15mと言われています。
この原子核を構成する中性子と陽子が、クォークという粒子からできているとされ、従来はこれが一番小さいものと考えられていました。
しかし近時、超ひも理論(超弦理論)というものが主張され、さらに 10-35mという小ささに存在する、粒子とは異なるひも(弦)が宇宙を構成する最小のものであるかもしれないと言われています。
プランクスケールでは1.616…×10−35 mの長さを1として計測をするため、更に小さいこのレベルのものも測定できます。
プランクスケールの世界は、実に想像を超えた極小の世界です。
プランクスケールの世界、その先は?
こうなると「ではそれより小さな存在はないのだろうか?」ということになってきますが、残念ながら今のところ、はっきりしているのはここまでです。
しかし、今後宇宙を構成する最小の単位がこのような「ひも(弦)」なのか、それとも別にあるのかということも解明されていくのでしょう。
このあたりの話になると完全に実感とかけ離れた話になってしまいます。
よく言われる話として、原子核の直径の何千倍もの距離のところを電子が回っていて、原子というのはその間には何も無いスカスカの空間だとされています。
もちろん空気自体が別の原子によってできているものですから、原子の中に空気があるはずもなく、正に無の空間が広がっています。
そんな本当にスカスカの空間の中にある原子核が、更にクォークの集まりであって、さらにそれらは「ひも(弦)」でできているとなると…、もはや私たちには理解を超えていると言うしかありません。
そしてこれももはや有名な言い回しになっていますが、「この世界は10次元だが、そのうち6次元がたたみこまれている」というのです。
もう何が何やらと言った感じでです。
すべて身の回りに広がっている世界の話なのに、まだはっきりしないというのも、逆に面白いですね。
しかし、科学の進歩で近い将来こういう長年の謎が、きっと私たちにも理解可能な形で、順に解明されていくのでしょう。
謎が多いからこそ、わかったときの感動も大きいに違いありません。
実に楽しみな事です。
今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。