国語の授業の代名詞、段落分け学習
学校の国語の授業というと、まず思い浮かぶのが段落分け学習です。
文章を形式段落に分けて①②③と番号を打っていって、「さあ①には何が書いてあるだろう?」という学習です。
この学習は特に説明的文章において、段落相互間の論理的関係や対比などをつかみ、読解力をつけていくという効果が期待される学習法ですが、私が小中高で受けた学校の国語の授業を思い出してみると、どちらかというと面白くない印象が残っています。
好みの問題かもしれませんが、当たり前のことを詳しく延々とやっていて話が一向に進んでいかないことや、チャート図のようなものを書かされて、本来の内容から離れたところで空中戦をやっているような印象を受けてしまっていたような気がします。
もちろん授業というものは題材より進め方次第ですから、教師の工夫で面白い内容にする方法はたくさんあります。
しかし当時を振り返ってみても、実際にはなかなか面白かったという記憶は見つかりません。
国語がかなり好きだった私でさえそうなのですから、そんなに国語が好きではない生徒にとっては推して知るべしです。
生徒たちの感じること
今は教える側に回っていますので、生徒たちに感想を聞く機会がたくさんあります。
そこで出てくる声は、やはり「国語は、あの段落分けの授業が苦手」というものが多いように感じます。
そしてこのことを分析した結果、文章全体に興味を持てないうちに、段落に分けて細かく検討をする作業が始まるために、「読む楽しさ」を味わう暇がないままよくわからない学習をしていることが、つまらなさの原因であることに気付きました。
簡単に言うと、段落分けの学習に入るタイミングが早すぎるのです。
まず文章を読んで「ああ、これは面白いな」とか「ここで興味を持てる内容が出てくるな」という風に内容をよく味わってから、段落分けをして文章の分析法を学ぼうというならいいのですが、いきなり細部から始めてしまう先生もいたりするために、このようなことが起こっているのではないかと思います。
「あれ、この話は最初に書いてあったあの話とつながっているぞ」と自分で気づいて前に戻って読んだりするというようなことをするのではなく、3時間も4時間も段落分けを指示されて順にやった挙句、先生に「この話は実は最初とつながっている」などと教えられてもピンときませんし、全然楽しくありません。
私が嫌だった授業を思い出してみると、新しい単元に入っていきなり段落番号を打たされて、順に何が書いてあるかをそこだけ読んでまとめさせられたという記憶があります。
短い段落だとわずか3行くらいの場合もあります。全体像もつかめないまま、そういう短い文章をコマ切れにまとめていくなんていう学習が面白いはずはありませんね。
消極的ですが対策はあります
授業のやり方を変えてくれといっても、教えている学校の先生には授業計画もありますし、その先生の考えもあります。
なかなかそうもいきません。
そこで消極的ではありますが、私が途中からやった対策方法があるのでそれをご紹介します。
いきなり段落分け授業に入ってしまうと、本当は面白いはずの読書が一気につまらなくなってしまうのであれば、授業の前に文章をたっぷり読んで味わっておけばよいのです。
そうすれば、授業の際にはもう十分に話が分かっているのでいきなり段落分けの学習に入っても、つらくありません。
むしろ予習をしているということになるので、まとめることについても自分の考えがよくまとまります。
わりとメリットがあります。
楽しみをとっておこうとして失敗した経験
実は小学校の頃は教科書をもらうと楽しみで、もうその日に1冊すべて読んでしまっていました。
しかし中学校後半ぐらいまでそれをやっていたら、友人に「授業の時の楽しみがなくなるじゃないか?」と言われて、それもそうだなと思い、授業まで敢えて読まないようにしていたのです。
ところが冒頭の話のような授業があって、楽しみをとっておこうとしたら、逆に楽しめなくなってしまうという事態が起こってしまいました。
それで再度、授業の前に先読みをする習慣を復活させたというのがこの話です。
そして先読みを再開したら、思った通り段落分けの授業がさほど嫌ではなくなりました。
私がこれまで指導をずっとやってきて思うことは、「勉強は面白くなくなったら続かない」ということです。
勉強はつらくて当たり前という人もいます。
しかし、つらいことは人間なかなか続けられません。
そうであれば、少しでも面白くなる工夫をしていった方がよいと思います。
勉強がつらくなってしまう要因を取り除くべきです。
今回の話の場合には、学校の授業は変えることができないので、自分の習慣をちょっと変えたらつらさが消えたということになりますが、このようにほんのちょっとしたことでも勉強は面白いものに早変わりします。
一工夫が大切だと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。