【実感は記憶のカギ】風はどっちから吹く?

大陸から風が吹くのはいつ?

 社会で季節風について学習することがあります。

小学校の社会でも出てきますし、中学高校の地理でも出ます。

ところが長く学習していても、季節風の向きと季節をどうしても結び付けて暗記できない生徒がいます。

 ただ「季節風 北西 冬 大陸から」といった語句で覚えても、工夫がないとなかなか記憶に刻み付けられないことがあるのは、過去の稿でも触れた通りです。

 いろいろな覚え方のコツがありますが、

私はそんなとき生徒の前で軽く歌を歌います。

「かきねの かきねの まがりかど ♬」

言うまでもなく有名な童謡「たき火」(巽聖歌作詞・渡辺茂作曲)です。

 生徒は驚きますが、構わず続けます。

「きたかぜぴいぷう ふいている」

というくだりになり、ようやく意図に気が付きます。

「この歌は冬の歌だよね」

「冬の風は普通『北風』っていうんじゃない?」

「コマーシャルでも『北風』って寒い冬の風のイメージでしょう」

「だったら日本では冬は風は北から吹いているんじゃないの?」

ここまで言って生徒は大きく頷きます。

 もちろんこうやって覚えた知識は実感が伴っているので、なかなか忘れない知識になります。

そうです。

「大陸から吹く冬の季節風は北西の風」という知識は、地理にさほど興味がない生徒にとっては字面だけの無味乾燥な感じのものかも知れませんが、

一旦実感のあるイメージとつながればそれはずっと忘れない知識になるのです。

雲はどんな風でできる?

 風というのは身近な現象のためか、いろんなところで学習の対象となっています。

理科でも風向きが学習対象とされる単元があります。

 気象の勉強で、上昇気流が生じるのは低気圧か高気圧かという問題があります。

 同時に地上でその中心から風が吹き出すのか、それとも中心に風が吹き込むのかというテーマも学習します。

 この知識については、上記の社会の風の問題と同様に何回やっても覚えられない生徒が多いです。「高気圧は下降気流」とか言って覚えていますが、少し経てば「どっちだったっけ」と首をかしげていたりします。

 これについても、ちょっと考えればごく当たり前に覚えることができます。

 雲ができる仕組みをこの単元では勉強しますが、雲ができるためには地上にある水分が空に上がっていかない限りできるはずがありません。

空の上で水分がある時一か所に急に集まって雲ができるということなんてありえないということは、勉強しなくてもたぶんわかりますね。

 そうであれば暗記云々という以前に、雲ができて雨が降りやすくなる低気圧というもの(この知識だけは必要です)は、上に上がっていく気流がなくてはありえないものとわかります。

 そしてさらに、空気(水蒸気)が上に上がっていくということはどういうことかを考えます。

空気が上に上がるということは、地上にあった空気が上に上っていくということなので、その地上にある空気がなくなってしまうということです。

だとすれば、周りからそこへ別の空気が流れ込んでいるに決まっています。

したがって「風は中心に向かって外から吹き込む」ということが自然にわかります。

このように考えていけば、

上昇気流か下降気流か、吹き出しか吹き込みかなんていうことを、暗記する必要はまったくないのです。

(ここではイメージで覚えやすくするため、厳密な論理順序とは異なった順で記述をしています。その点はご注意ください)

 字面を追うのではなく、どうしてそうなるのかを実感を持って考えるということをすれば、暗記を意識しないで紛らわしいこともこうして記憶に留めていくことができます。

「まず覚えよう」と言う前に

「まず仕組みを見てみよう」

「どんな話か考えてみよう」

という思考をするようにすることがとても大切です。

ちょっとした思考をはさむだけで、それは一生残る記憶になることがあります。

丸暗記なんて最後の最後の手段なんです。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。


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