学校休校の段階的解除
緊急事態宣言の解除とともに、学校休校についても各地で徐々に段階的解除がされ始めています。
地域にもよりますが、完全な休校というのはそろそろなくなっていくようです。
学校が再開するのは生徒や保護者にとってはありがたい面が多いと思いますが、
長い学校休校から学校再開へ向けて、学習面ではどう対応していけばよいのでしょうか。
今回はこれを考えてみたいと思います。
学校も予定を立てられなくて悩んでいる
一部の学校では、とりあえず5月の間の分散登校や時間差で人がたくさん集中しないような工夫をしたスケジュールを出したりしていますが、
本格的に毎日全授業が行われるまでにはまだ少し時間があるようです。
今回のことでは学校運営者も大変困惑する点があったと思います。
生徒からの話を聞くと、
課題を先生が個別に家庭訪問で取りに来たりした学校も結構あったようです。
この新型ウィルス問題の中、学校の先生も大変であったのは間違いありません。
失礼な言い方になりますが、政府の無為無策や判断の遅れによって
今回国民生活に多大な影響が出て、非常にたくさんの人が深刻な事態に陥っています。
同時にそのために現場で活動している学校関係者を含む公務員の方たちは、
国民や住民の矢面に立たされてしまい、その対応に追われる日々のようです。
この状況からすると、学校が再開しても長期的なプランが示されるのにはまだ時間がかかるかもしれません。
学習プランをどう立てればよいか
まず今やるべきことは何かということになりますが、
学校が再開しても、遅れを取り戻そうとしてハイスピードで指導が進んでいくかというと
さすがにそんな無茶はできないのではないかと思います。
また本来なら中高生は定期テストなどのこともありますが、従来通りの日程で考える事がそもそも今年の場合は無理がありますから、少なくとも「普通の年ならば」という発想はしない方がいいと思います。
そうすると結局学校のスケジュールに沿って、学習の目安をつけてやっていくということになりますが、
これについては対応を考える手がかりとなるものはあります。
それは学校休校期間中の課題です。
私たちの塾は複数の県で指導を行っているため、かなりの学校数の生徒が通っていますが、今回学校ごと学年ごと課題の内容が相当違っていました。
その統一感のなさから、学校現場の動揺ぶりが伝わってきたのですが
前学年の復習を主に課題にしている先生(さすがにそれでも4月末くらいから予習内容が入って来ていました)
最初から新学年の学習内容を自分で学習するように課題を出していた先生
新しい内容を調べ学習的に出していた先生
新規に副教材(予習)を与えて課題としていた先生
答え付きのプリントを膨大に配布した先生
と実にいろいろな課題が出されていました。
多くの学校では課題を出すためだけの登校日などを設けていて(先生が回収に回った学校もあったのは上述の通りです)
生徒はその日だけ学校に行ったりしていたのですが、
感染者数がゼロの市町村では、登校に中3のみテストを実施した学校もあります。
その学校の場合は、副教材的なテキストで復習範囲を指定して課題としておいて、それをテストしていました。
なかなか落ち着いた対応だと感じました。
逆に予習内容が多すぎて、全く生徒が分からず右往左往している場合も見かけられました。
塾のフォローがある生徒はいいですが、そういう機会がない生徒は結構大変だったかもしれません。
おそらく先生が自分が本来想定していた指導予定に沿って課題を出してしまったのでしょうが、未習のものをたくさん出し過ぎとも感じられました。
でも、それだけ先生も焦っていたのではないかと思います。
これらの宿題は、当然授業が再開すればフォローがされると思いますし、先生によってはそこから小テストを行ったりする可能性が高いと思われます。
そうでないと成績評価をつける方法が今回ほとんどなくなってしまうからです。もちろん夏休みをつぶしたりして学期が大幅に延長される可能性も高いですが・・・。
そうだとすると、生徒がやっておくべきことは、
出題された課題について
①完了させるのは当然ですが、
②重要な所などをしっかり見直しをしておくことが大切ということになります。
学習というものは日々の積み重ねが一番重要です。
もし長い休みでダレてしまって学習がおろそかになっていた場合には、段階的な解除に向かうこの時期にペースを取り戻すことを考えるべきでしょう。
予習について
この時期一番皆さんが心配しているのは予習面だと思います。
休校中の期間、多くの生徒や保護者から予習の要望がありました。
無理もありません。本来の学習がストップしているので受験生などは特に心配なことでしょう。
さすがに受験日まで繰り延べになるとは考えにくいからです。
そうすると普通に考えて、短い期間で1年分の学習をやるのではないかと思うのが当然です。
ただそこは学校も対策を一番考えるところですから、上記にも書いたように無茶なやり方はできないと思います。
まだ予習が十分にできていない場合は、課題で出された予習学習の内容をとりあえずしっかり確認しておくくらいでも、おそらく何とか乗り切れるようには感じています
心配な方は、これも段階的な解除の期間に急いで対策をするというのも手ではないかと思います。
もしも現状学校の課題に予習がほとんどなかったりして、新学年の学習をほぼやっていないというような方は、教科書を読むだけでもいいので少し予習に動き出すことは必要でしょう。
やってはいけないこと
このような緊急のことが起こった場合には、子どもだけでなく大人も普段と違う行動をとりがちです。
でも学習については、やるべき内容が緊急時だからと言って大きく変わることはありません。
落ち着いて自分のペースを乱さず進めていくことが一番重要です。
おそらく徐々に学校の予定、学期がどうなるかの予定などが示されてくるかと思いますので、それを聞いてすぐに自分の学習計画を作り直して動き出すということをしてください。
だから大切なポイントとなる時期が、まもなくやってくると思った方がよいです。
そして、やってはいけないことは、
心配のあまり「先へ先へと進み過ぎること」かも知れません。
現在やっている予習内容に自信があったりして更に進むことはよいと思いますが、先が見えないのでとりあえずたくさん新しいことをやっておこうというのは、消化不良を起こす危険があります。
生徒のタイプにもよりますし理解度にもよりますが、
進み方で無理をするのは避けた方がいいでしょう。
むしろある程度予習が完成している場合には、もう一度復習に戻った方がこの先夏以降を見据えた場合にはベターな戦略であると思います。
なお、ここまで書いたことは大体の学年に共通な話ですが、
高3生で大学受験を目前にしている生徒の場合は、先へ進むのをセーブする必要はないかと思います。
受験日が変更になる可能性はAOなどを除き低いと思いますので、
大学受験の準備期間の重要性を考えると
もはやあまり余裕がありません。
だから高3生は、学校再開前からすでに受験を意識した学習を進めておいた方が良いと思います。
もちろんそれは今すぐスタートしても間に合おうと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。