平方根の考え方とは
中3で平方根(ルート)を学習しますが
多くの生徒が計算問題へ入る前の段階で非常に混乱をします。
また、一通り学習が終わった後にも
最初から確認すると、大変混乱していてショックを受けることが多い単元です。
今回はなぜ平方根で多くの生徒が混乱に陥るのかと、その対策をお伝えします。
平方根と言うのは
「平方」=「同じ数を2回かけ合わせること」の逆を考える学習です。
小学校で「平方メートル」「平方キロメートル」など面積の計算で習いますが
「平方」には、元々このような意味があります。
「平方根」はその反対を考えて、「何を2回かけ合わせたらその数になるのか」を考える学習です
たとえば、
4×4=16ですから
16は4の「平方」であり
逆に4は16の「平方根」ということです。
そして「2回かけ合わせて16になる数」には-4もあります。
(-4)×(-4)=16ですから-4も16の平方根です。
したがって平方根には普通正と負の2つの平方根があります。
(例外として0の平方根は0のみで1つです)
これが一番の基本の考え方です。
ルートの登場
ところがルートが登場すると、混乱が始まります。
16の平方根は+4と-4、簡単に書くと±4(プラスマイナス4)となりますが
たとえば7の平方根はどうでしょう?
7の場合、整数で2回かけ合わせて7になる数がありませんね。
そこで考え出されたのがルート(√ )というものです。
「2回かけ合わせると7になる数」を±√7(ルート7)としたのです。
そうすると16の場合はどうかというと
直接には16の平方根は、ルートを使って表すと±√16ということになります。
でも上記のように16の平方根は±4ですから
結局 ±√16=±4 ということになります。
したがって16の平方根を聞かれたら±√16ではなく±4が答えとしては正解となります。
じつはこの本当に基本的なところが皆引っかかるポイントなのです。
2回かけると何になる?
以上のことを知っていれば
√16×√16=
(-√16)×(-√16)=
と問われれば 答えは16とわかります。
√16は2回かけ合わせれば16になる数だからです。
そして√16と4は同じなので、
この計算は、
4×4=16 (-4)×(-4)=16
を計算しているのと同じことになります。
同じように
√7×√7=
(-√7)×(-√7)=
も答えは7になります。
聞き方を変えると途端にわからなくなる
ところが
次のような問題になると大変多くの生徒が誤った解答をします。
(√7)2
この問題に対して一番多い解答は√49です。
数学的な考え方として間違ったことを言っているわけではないのですが、解答としては誤りになります。
なぜなら√49=7で、整数で答えられるものは整数で答えるというルールがあるからです。
正解は7です。
でも複雑に考えるまでもなく、これは実は当たり前のことを聞いている問題なのです。
この問題の意味は√7×√7=という内容ですから、
簡単に言うとこの問題は
「2回かけ合わせると7になる数」を2回かけ合わせるといくつになる?
と聞いているに過ぎません。
7に決まっていますね。
このように平方根の考え方は
いちばん基礎になる考え方だけで解ける問題があります。
しかし「何か難しい計算が始まったぞ」と考えて
問題の意味を考えないと
正解ができなくなることが多くある単元です。
技術ではなく「考え方」をしっかりつかむということがスタートラインになるのです。
今回は平方根の一番基本のところについて書いてみました。
平方根は混乱している生徒が多いので
また別の機会にさらに書いてみたいと考えています。
今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。