情報のリソース
私たちが何か情報を得る時に
普通の人は、当然正しい情報だと思ってそれを受け取ります。
教科書を読んで「これは嘘かも知れない」と考える人は稀です。
マスコミのニュースを
「嘘に違いない」と考えることもなかなかありません。
でも最近の世の中の動きを見ていると
このような前提が間違っているかも知れないと感じている方は多いかと思います。
ご存知のように、歴史教科書の内容については
長年政治的な争いの対象となり、憲法訴訟にもなったりしている上
検定不合格の「新しい歴史教科書」が市販されたりもしています。
その是非についてはこのブログでは触れませんが、教科書でさえ事実に反したことを情報として載せている場合があります。
世界各国の歴史教科書でも、真実とは異なる内容の記述はかなりあるようです。
そしてマスコミについても同様です。
単独の新聞社の誤報にとどまらず、ニュースを配信する共同通信が明らかな誤報を流してしまうようなことまで、残念ながら最近では起こっています。
これまで私たちが絶対と思ってきた情報が
現代ではかならずしも信頼できるとは限らないという状況になってきました。
いや
元々全幅の信頼を寄せて良いものではなかったのかも知れません。
最近になってネットの発達により、情報の真偽が誰にでもわかるようになってきたので、それがはっきりしただけという可能性もあります。
いずれにしても私たちが情報を受け取る際には、その情報が本当に正しいかどうかを常に考える必要があります。
そしてそのためには
情報のソース(情報源)が信頼できるものかを検討すべきです。
情報への考え方
むろん個人にできることには限界があります。
しかし
「テレビだから安心」
「ネットは怪しい」
「Aさんの言っていることだから間違いない」
「皆が批判しているB氏の発言など信じられない」
というようなステレオタイプの発想が危険です。
自分の頭で考えていないからです。
偽情報によって騙されるのは、詐欺の場合も含めて
多くの場合が
自分の頭で考えず、ステレオタイプ思考の結果誤った先入観を持っているために、真実が見えなくなってしまったときと言えると思います。
具体的方法
個人が第1次情報にまでたどり着くことは普通できません。
でも情報の深さは、複数の情報をたどっていくと見えてきます。
たとえば
テレビで「Xという商品がSという病気に効く」ということを言った人がいるとします。
何か似たようなことがありましたね。
情報を基本的にテレビ中心で取得をしている人は
各チャンネルや新聞を見ます。そして自分の周囲に聞いて見たりします。
でも現在は記者クラブ制のためか、横並びの情報が出ていて大体流れる情報は同じようなものであることが多いです。
情報の幅は意外に狭いのです。
意外にそれ以上の深い情報が見当たず、続報待ちになることが多いでしょう。
実際、私たちは長い間ずっとこの形式で情報を取得してきました。
多くの人々の考えや、専門家の様々な意見などは知る術がありませんでした。
コメンテーターや専門家がテレビにも登場しますが、
もしその番組の広告主がXという商品を売る会社のライバルであれば
どのような情報提供がされるかは予想出来てしまいます。
情報が曲げられる危険はないとは言えません。
これは制度的な必然だと言えます。
その点ネットには、責任のない自由な意見が無数にあります。
そういう自分勝手な自由な意見を見ていると
それ自体は信頼できるかどうかは分からないしても、
「自分の頭で情報について考える」という意識になります。
これが大きいのだと思います。
また現在では、SNSやYoutubeで名医と呼ばれる方や各界の一流の専門家の方が
惜しみもなくその所見を述べられる多くなりました。
こういった専門家の意見はスポンサーがいないため信頼できると思います。
だから
この情報リテラシーシリーズの毎回の結論のようになってしまっていますが
ネットを検索して
複数の考えや情報に触れ
自分の得られる情報の幅を広げ
その中で
「自分の頭で何が正しい情報なのかを考える」
というのがよいと思います。
「情報ソースの多様性」を意識することが重要なのです。
皆がそういう手順を踏んで
落ち着いて情報を取り扱っていれば
うがい薬が品切れになってしまうことも
おそらく起こらなかったのではないかと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。