勉強という作業自体に「燃える闘魂」は似合わない
私たちが成人をした昭和の頃には
勉強というものについて
よく鉢巻をして
「努力」「根性」などと書いた紙を貼って
「徹夜で頑張って」
というステレオタイプのイメージが
マスコミによって流布されていました。
確かに勉強は「つとめ(勉め)」「しいる(強いる)」という言葉で、元々は「精を出して一生懸命やる」という言葉ではありますが
学習メソッドが
極めて限られたいた時代ならともかく
現代のように、あらゆる学習に便利なグッズが普及している時代には
いかに合理的に情報を頭に入れていくかとか
蓄積された知識を、間違いなくアウトプットしていけるかとかいった
科学的な根拠に基づく学習法こそが重要です。
竹簡(ちくかん・紙が発明される前に使われていた文字を書くための竹)で書を読むような時代には
おそらく勉強をすること自体が
極めて大変なことであり
例えば
中国の官吏登用試験の「科挙」を受験した人たちは
おそらく本当に猛烈に、個人的な頭脳・体力などを酷使した勉強をしていたことでしょう。
*「科挙」は、歴史的に最も過酷で合格が難しかった試験といわれています。これを受けて我が国の旧司法試験も「現代の科挙」などと一時言われていました。
でも現代は違います。
スマホ1つで世界のあらゆる情報が手に入ります。
わからない事についても、スキルがあれば
一瞬でネット上でそれを知ることができます。まさに万能の事典を持っているようなものです。
そして、学習教材についても
ありとあらゆる丁寧なやり方を解説したものが、出版されています。
だから勉強では、こういうものを「どう利用するか」
「どうやって学習を組み立てて試験に生かしていくか」
というようなことを考える合理的な戦略をすることが
大変重要になってくるのです。
「努力」「根性」「燃える闘魂」は、勉強を進める際には
かえってマイナスの効果を生んでしまうことがあります。
こういうモチベーションは
とにかく手作業で書くことや、何回も同じことを繰り返すことをしてしまうという方向に働く事が多いからです。
事実いまだに、そういうやり方を生徒に勧めている先生も多いのも事実です。
でも、むしろ勉強は
「無駄を省く」ということが重要なので
そんなやり方では、大きな遠回りになる危険があると言えます。
少しマイナス思考になって
「こんなやり方でいいかな?」
「もっと他のみんなは、学習法についての良い情報を持っているのではないかな?」
と思うくらいでちょうど良いのです。
鉢巻を巻く前に
まずそういう視点から、あらゆる情報を集めるべきなのです。
マイナス思考は勉強の現場でも役に立つ
勉強をしている時に
「あれ、これ間違っているかもしれない」
「これだと思うけど、いつもと聞き方が違うぞ。不安だ」
というようなとらえ方をすることがあります。
これをマイナス思考という呼び方をするならば
マイナス思考はむしろ勉強の現場でも+に作用します。
頭脳を働かせるデリケートな局面では
自信満々は失敗を呼び込むからです。
だから上記に書いた
学習を行うときのスタイルの面でも
学習の現場においても
むしろマイナス思考(心配性と言った方がいいかもしれません)は+に働き、役に立つと言えます。
未来へのモチベーションは別です
でも、これに対して
勉強をこれからどう進めていくのかという
未来へのモチベーションの面は別です。
「成績が悪かった。だからもうだめだ」
「少し数学の点が下がった。志望校は変える」
という風に考えてしまう生徒が
実はたくさんいます。
勉強の結果においては
現代の子どもたちは
驚くほど打たれ弱いのです。
こんなマイナス思考をしていては
得点を下げるたびに
進学先を変えなくてはならなくなります。
得点が下がったり
上手くいかないのには
必ず理由があります。
「根性だ」「努力だ」「頑張るぞ」ではなく
冷静にその理由を探ればいいのです。
そうすれば、いくらでも方法はあります。
モチベーションの点では
マイナス思考は文字通り-に働きます。
一度の失敗で、勉強の流れを変えてしまうような事だけは避けたいですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。