情報リテラシーとは?
「情報リテラシー」という言葉が言われるようになってからかなり経ちます。
情報リテラシーとは、自分の目的に合わせて情報を上手く活用する能力のことです。
今や中学校の授業でも、この言葉を学習する時代になっており
小学校でさえ、情報を上手く活用するための教育などがすでに始まっているようです。
おそらくいろんなところで耳にされることがある言葉かと思いますが
実際のところ漠然としていてよくわからないという方もいるかもしれません。
「詐欺にかからないようにする」とか
「ネットには気をつける」だけと考えている人もいると思います。
中には「パソコンやインターネットの使い方を勉強する」ということだと考えている人もいるかと思います。
どれも情報リテラシーの一部ではありますが
それだけではありません。
実際はもっと広く、自分が主体的に数多くの情報をツールとして取り出して上手に使っていけるという能力です。
簡単に言うと、あまり良い言い方ではないかもしれませんが、
「情報弱者」にならないようにすること=「情報を自分の武器にすることができる力」を持つということだと思います。
情報の独占の終焉
ついこの間まで、情報の大半は一部の人間が握っていました。
新聞やテレビなどのマスコミだけが生きた情報を保有していて、それは一方的に私たちに報道と言う形で伝達されていました。
私たちが、その情報が正しいかどうかを知る術は極めて限られていたと思います。
①それを伝える側が任意に偏向した内容を伝えれば、まずそれを誤りだということに気づくことが容易ではなく
②もし気づいてその正しさを調べようにも、マスコミと個人の持つ情報力や情報収集力には大きな差があって調べることも容易ではなく
③ようやく誤りがはっきりしても、それを世間に公表する方法はごく限られており、その過ちを流しているマスコミを通じて公表するしか方法はなく
④圧倒的な伝播力のあるマスコミが、「反論は間違っている」と言えば、なかなか誰も反論を信じてくれないという
幾重にも重なったハードルがありました。
つまり、情報に関して個人は全く無力だったと言えます。
このことは多くの人が指摘しているところです。
ところがインターネットによって、単なる個人が世界中の情報にアクセスすることが可能になりました。
特定の重要な情報やプライベートな情報は別ですが、大抵のことならネットですべて情報を得られるようになったのです。
そして更にSNSの発達で、一個人が自分の持つ情報や意見を世界中に発信できるようになりました。
もし偏向報道がされても、今や誰でもそれが誤った情報であることをネット上で知ることができます。
情報の独占はついに終焉を迎えたと言って良いかと思います。
情報リテラシーを持たないと危険な世の中に
今の世の中では
逆に情報リテラシーが低いと、危険なことが生じることがあります。
これまでは「情報リテラシーを持っていると得をする」位の話で済んだのですが
今や「情報リテラシーをもたないと危ない」という時代になってしまいました。
世間の多くの人が世界中の情報を容易に集めて保有しているという社会では
情報を上手く集める術を知らないでいると、情報をたくさん保有する人から危害を加えられる可能性があります。
一人一人が自分を守るためにも、情報を上手く集めて活用する能力をつけていく必要が生じるようになったのです。
今や情報を上手く扱うと言うことが、大きな力になりつつあります。
たとえば冒頭で出てきた詐欺などは、情報力があれば簡単に防止できます。
一例を挙げましょう。
ある日突然、スマホにメールが届きます。
「今回は登録をいただきありがとうございます。下記金額を〇月〇日までにお振込みください。30万円」
びっくりしますね。
いわゆる架空請求というやつです。
サイトの名前や企業の名前が具体的だと、慌てて振り込んでしまう人や掲載してある電話番号に電話してしまう人、あるいは返信をしてしまう人が結構いるようですが、
電話番号やメールアドレスを伝えてしまうことこそ危険です。
もちろん何もせずに放置しておくか、消費者生活センターに相談すると言うのが良いのですが、
そこまでしなくても、
ネットの検索でその会社の名前や文面を打ち込めば、かなりの確率で同様の詐欺があるかどうか一瞬で判明します。
こんな感じです。
「うそつき株式会社 詐欺 架空請求」
そうすると、「詐欺にご注意。架空請求 うそつき株式会社」というような記事がたくさんヒットするはずです。
それを読んで「何だ詐欺か」とホッとするという訳です。
今やこれくらいの安全策は高校生でもやっていることです。
ネットは苦手と言って手を付けないでいる人もメールをやっている人は多いのですが
こんなメールが来ると怖くなってまず人に相談するしかありません。
周囲に情報力のある人がいればいいですが、いない場合結構悩んでしまうと言うことになります。
悪い人に突然嫌なメールをもらい、それで心痛を覚えるなんていうことは避けたいところですね。
このようにちょっとした情報収集の方法を知っているだけでも、役に立つことはいくらでもあります。
最近皆さんの所へも多数届いている方がいるかと思いますが
アマゾンや楽天、あるいはクレジット会社を語る
いわゆる偽のサイトへ引き込むフィッシング詐欺のメールが
きわめて巧妙になってきており
本当に注意しないと「どれが本物か」がわかりにくくなっています。
私たち事業者は
基本的アドレスを公表しているため、個人の方よりこういうメールがたくさん届きますが
最近では、あまりに詐欺メールのバラエティーや量が多すぎて
何だか「敵の攻撃をかわすゲームをやっている状態」と思えるくらいの頻度になってきています。
具体的に言うと私の事業用のアドレスの場合
アマゾンからの正しいメールと詐欺メールの比率は
1:50くらいの割合になっています。
たまに正しいメールがくるとびっくりするくらいです。
アマゾンさんもさぞ迷惑なことだと思いますね。
こんな時代に「情報リテラシー」を身につけていなかったら
瞬時に詐欺にひっかかってしまうことでしょう。
大変な状況になってしまったものです。
対策としては、よく注意して発信元を確認するとか
簡単に個人情報を打ち込まないとか
リンクが危険を煽るものである場合には踏まないとか
どれも今では当たり前になっている行動をとるしかありません。
情報は必ず複数取得して比較検討する
もっと広い情報リテラシーの話に戻ります。
前回も記事にしましたがhttps://wizzseiun.com/2020/10/22/imformation/
情報源を1つに限定することは避けることがとても重要です。
最近スマホアプリでも、ニュースが一つのソースではなくブログなどまで含めて多数のソースからのものを一覧で読める形式のものが主流になっています。
実はこれは画期的な事で、
すでにお気づきの方も多いと思いますが、こういう複数のソースを見る事でマスメディアが偏向をしているかどうかを一瞬で知ることができます。
特定のメディアだけ偏った情報を大量に急に伝達し始めたりしたときに
別の角度からの記事を検索して比較し、自分の考えを持つことができるからです。
こういう便利なツールもでてきているので、情報リテラシーを持つということも、以前よりずっと容易になってきている気がします。
今回の新型ウイルス問題でも、マスメディアの偏った報道の可能性が随所で報告がされています。
テーマからは外れますので詳しくは書きませんが、
いつまでも自分たちが情報を独占しているという錯覚をマスメディアは持っているのかもしれません。
そうだとすると、今後自らが衰退していくことになるのは避けられないところです。
そろそろ軌道修正をしても良い頃です。
他方、今後大きな力を保有してくると思われるのはSNSの運営会社であることは間違いないのですが
これについても最近外部からの影響が入り始めているのではないかという話もあります。
これからはマスメディアに対して警戒をしてきたのと同様
そういったことによる情報の正確性についても、利用する個人がしっかり意識していくことが必要になるかもしれません。
わが国ではまだのんびりしていますが
アメリカなどではこういう次の段階の新しい情報操作に対しても警戒をすでに始めており
国家が安全のために対策を行う計画があるなどいうようなことも漏れ聞きます。
リテラシー教育
情報に関しては個人差もありますが、子どもたちはむしろ比較的先端にいます。
大人は「ネットは怖い」「あまりやらせないほうがよい」
という感覚にどうしてもなりがちですが、
今後情報リテラシーを持つことが、自分を守る武器になることは間違いありません。
子どもたちをネットから遠ざけるよりも、やり方を教えていくという方法をとることが大切だと思います。
また「ネットは危険」という考えの方は割といて、一面それは真実ではあるのですが、
ネットには正しい情報も誤った情報も双方有るので、まさに使い方を誤らなければ便利なツールになるはずです。
私は、これまでがそうであったように一部の人が情報を独占することによる弊害の方がずっと怖いと思います。
広く情報を得られる社会になっていることを喜ぶべきだと考えています。
情報を上手く扱う力を、子どもも私たち自身もしっかりつけていかねばなりません。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。