数字データの印象に人は惑わされる
「Aグループ10人の資産は平均1000万円」
「Bグループ10人の資産は平均300万円」
どちらのグループが、資産をたくさん持っている人が多いでしょう。
こんな問いかけがあったらどう解答しますか?
おそらくAグループと答える人が多いかと思いますが
正解は、「どちらとも言えない」です。
たとえば
A:1人が1億円で他の9人は0円でも平均は1000万円ですが
B:全員300万でも平均は300万円なので
この場合はBの方が資産をたくさん持っている人の人数は多くなります。
逆にイメージ通り
Aも全員1000万円であれば
Aの方が多いことになります。
人は数値のデータを与えられた時に
イメージを抱くことが多く
そのイメージだけでデータをとらえると
実態とはかけ離れた印象を持ち続ける危険があるので
注意が必要です。
素点が下がった。「努力が足りない」
学校のテストで
答案が返されたときに
生徒はもちろん
保護者の方の中にも
素点の1点1点に一喜一憂する方がいます。
確かに気持ちはよくわかります。
得点が下がったということは
少なくとも前よりも点数は取れなかったわけですから
叱咤激励したくなることもあるかも知れません。
まだ平均点や偏差値が出ていない段階で
前のテストと素点を比較して
「こんなに点が下がっている。塾へ行っている意味がないじゃないの」
などとお子さんを責めるような言動をとってしまったりすることもあるようです。
ところが素点が下がっても順位が上がるというようなことは
実はよくあります。
平均点が下がっていれば
当然相対的な位置もそれに連動する訳ですから
このようなことは十分にあるのです。
生徒が一生懸命努力して
順位(偏差値)を上げたのに
素点だけ見て
その努力をたたえてあげることができないというような事態は
避けたいものです。
もちろん素点も上がるに越したことがありませんが
重要なのは順位や偏差値です。
慌ててしまってお子さんを叱り、やる気を失わせる早計なことにならないようにしてください。
こう申し上げるのは
こういう勘違いが、実はよく見られることであるからです。
数字で惑わせているのは誰か
テストの平均点の変動は、あるのが普通です。
時には、平均点が大幅に動くことがあります。
平均点が高すぎる場合には、そんなに弊害もありませんが
平均点が非常に低く
100点満点のテストで、40点台・30点台の平均点になると
話は別になります。
このような出題が、はたして生徒の学習成果を試すテストとして適したものであるのかという疑問が生まれることがあります。
クラスの大半の生徒が、半分も得点を取れないという状況は
教師が十分に生徒を指導できていないことを示すだけでなく
生徒の実力を見極めて、テストを作成できていないという場合もあるのではないかと思います。
平均点については
さまざまな情報を聞くことがありますが
平均点が低いと
「お前たちは最低のクラスだ」というような暴言を吐く先生は
昔からいました。
それも他のクラスとの比較で言っているならともかく
担当している全クラスで言っていたりして
そうなると
「そういう結果を出した責任は誰にあるの?」
ということになります。
結果として上記に書いたような素点の極端な低下があり
生徒は結果が出ているにもかかわらず
保護者に叱責され
多くの正当に努力している生徒たちが
報われないという事態が生まれたりします。
だから学校の先生には、そういうことも考えに入れて
どうか適正に生徒を評価できるしっかりとしたテストを作って欲しいものです。
数字のデータについては
どうしても先入観で見てしまうという傾向はありますが
成績の推移をみる場合には
やみくもに目の前の素点だけでなく
客観できなデータ推移をよく見て検討をされることをお勧めします。
真実の状況を
正確に把握するところから
すべての対策は始まるのですから。
今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。