【英語のことわざ】「ローマにいたら…」

When in Rome do as the Romans do.

 こんな英語のことわざがあります。

「When in Rome do as the Romans do.」

直訳すると

「ローマにいれば、ローマ人として振舞え」

という意味になります。

 この場合、as は「~として」という意味になります。

でもこの英語のことわざ、普通は別の訳し方をします。

「郷に入っては、郷に従え」

このように訳されます。

郷に入っては郷に従え

 「郷に入っては郷に従え」は

「その集団に所属したら、その集団の慣習や決まりに従うべきだ」ということわざです。

 このように見て見ると

当然、英語の「When in Rome do as the Romans do.」が

日本に渡って来て

「郷に入っては郷に従え」になったのだろうと

私たちは推測しがちです。

 ところがそうではないのです。

「郷に入っては郷に従え」の由来については、

寺子屋の教科書などに使われたとされる「童子教」という本に

「入郷而従郷、入俗而随俗」

(郷に入れば郷に従い、俗に入れば俗に従え)

「その土地に入ればその土地のしきたりに従い、世間に入れば世間のしきたりに従え」

という文があったとされます。

 そしてさらにさかのぼると、これはどうも中国の南宋の歴史書に起源のある言葉のようです。

だから、この和英2つのこれらのことわざは

元々関係のないところで、それぞれ生まれたことわざという事になるのだと思います。

驚きですね。

 人が社会生活を営むと…

 以前さじ(匙)とれんげ(蓮華)とスプーンの話を書きました。

 そこでは、同じようなものが、お互いに関係のない場所で別々に発達したことの不思議さに触れましたが

今回の2つのことわざにも

そういう不思議さを感じます。

 でも人が、社会生活を営む時には

それがどこであっても

どのような環境であっても

ある程度同じような事を考えるというのが、当たり前なのかもしれません。

同じ人間なのですから、発想が違うと言っても限度があるでしょう。

 きっと英語圏でも中国でも

新しい集団に入って

その集団のしきたりに従わなかったために

ひどい目にあった人がたくさんいて

そういう経験談から、こういうことわざが

それぞれできたのでしょうね。

そう考えると、興味深いです。

 人種や民族が異なることで

世界が狭くなった現代でも、国と国との間や民族と民族の間で

今も多くの軋轢が生じていますが

 人間がこのように、実は同じようなことを考えるものだということを意識すれば

少しはお互いの理解が進むかもしれません。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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