【学習の効率】「できること」「できないこと」

「それ、本当に完成するの?」

 生徒の学習を見ていて

とても心配になることがあります。

自習をしている生徒が

大々的にある単元について

ノートに丁寧にまとめて、問題をしっかり写して

考え方を書いて、やり方を調べて

ようやく問題について解くかと思ったら

図を描きだして

少し経って行ったら

図に色を塗っていた。

そんなことがあります。

「それ、本当に完成するの?」

つい口に出してしまいます。

「学習」をしていない

 もしも時間が無限にあるのであれば

そんなやり方もいいかも知れません。

少なくとも、その単元の事は頭にしっかり入るでしょう。

江戸時代の頃のように

学習すべき内容量が絶対的に少ない時代の学習だったら

それも有りだったかも知れません。

 しかし今や、学習でマスターしなくてはいけない内容量も情報もどんどん多くなり

しかも生徒たちは、学校の部活や行事などで

正面から勉強に向かう時間がますます削られ

 生徒個々人にジャストフィットしていない大量の課題にも、毎日追われている中

そんな悠長なやり方をしている余裕はないと思います。

 今では

やり方を簡単にまとめた本やデータなどを、誰でも手軽に入手できます。

身近な例を言えば、塾教材のワークなどは

教科書が5ページくらいで説明しているものを

わずか1ページで、重要度が判別できるような形で見事にまとめてあり

利用者にとって極めて使いやすいものになっています。

 ところが、前述の自習生について言えば

「解答がない」

「やり方の説明も例題1つのみ」

「あとは考えなさい」

という表記が中心の、教科書を一生懸命読み

首をかしげて

教科書の図を写していたりします。

 正直に言います。

 彼はほぼ「学習」をしていません。

「学習」の準備の作業を延々と行っているだけなのです。

「学習」と言うのは

問題を写す事でも、図を描く事でもなく

解き方ややり方を知り、それを使えるようにマスターする事自体を言います。

「教科書をしっかり読み、ノートを取って集中してやる」

聞こえはいいですが

これは「学習」の形を取った「作業」でしかないのです。

段取りが悪い

 どうしてこういう事態になるかと言うと

段取りが悪いのです。

 冒頭の例で言えば

まとめ学習をするのであれば

①最終的にどのくらいの期間で完成できるようにするのか

②そのためにどの道具を使うのか

③その計画で自分は何をできるようにするのか

 少なくともこの3点くらいの視点は、必ず事前に持って計画をしなくてはいけません。

 中学生でも、いや小学生でも

勉強の段取りがいい生徒というのはいます。

誰かに言われなくても①②③のすべてをしっかり考えています。

 「どうしてこういうやり方をしているの?」と聞くと

「自分は〇〇ということができないので、こういう風にまとめて、自分で確認できるようなものを作ってテストすれば、何とか2週間でできると思うんです」

「本屋さんで見たけどちょうどいい本がなかったので、自分で作っています」

などど答えます。

 「そんな生徒いるはずがない」と言われる方もいるかもしれませんが

こういう自分でプランニングをできる生徒は、結構いるのです。

そして、当然のことながら成績は抜群に良いです。

 勉強をする力というのは

「段取り力」に負うところが大きいと思います。

気づくことが重要

 学校の勉強というのは

同じ情報量で、同じ時間で、同じ位の頭脳で

お互いに競うのですから

やり方を上手く工夫した方が、有利であることは

間違いありません。

 であるのに、

冒頭の例の自習生と

上記の段取りの良い生徒のように

能率が全く異なると言っていい程の差が出てきてしまうのは

「勉強では段取りが重要」と意識しているかどうかの違いがあるからだと思います。

漠然と何となく「できるようになるだろう」では

なかなかうまく行きません。

もっと踏み込んで

学習の計画を見直してみるのもいいかも知れません。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

 

 

 

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