【考える学習】「先生、これも覚えればいいの?」

「この問題は習っていません」

 もうずいぶん前の事になります。

それは、数学でなかなか点数が取れなくなっている生徒を教えていたときの事でした。

問題は、連立方程式の計算だったと思います。

5a+2b=16  

というような式が、連立の一部として出てきたのだったと思います。

「先生、この問題は習っていません」と言われ

「あれ?未習の内容だったかな」と思って確認をしたのですが

加減法はずいぶん前から学習していました。 

 私は不思議に思って

「たぶん習っていると思うけど」と説明すると

その生徒は

「aとかbは習ってない」と言うのです。

そういうことかと思って

「xやyじゃなくて aやbの文字が使われることもあるんだよ」と説明しました。

 すると、その生徒は言ったのです。

「先生、これも覚えればいいの?」

最初私は、何を言っているのかその意味がわかりませんでした。

xyじゃなくてabに文字が変わる事があるのは、1年の数学で習っているので

何を「覚える」のかが不明だったからです。

 しかし話をしていくと、どうもxyの場合もabの場合でも、やり方が同じでそれぞれ同じ手順を進めるという意味が全くわからないようでした。

「文字が変わってもやり方は変わらない」ことを詳しく説明したのですが

どうしてもしっくりこないようでした。

全てを覚えようとしていた

 おかしいなと思って、じっくり勉強のやり方について聞いてみました。

すると驚くべき事がわかったのです。

その生徒は、数学でも複数の問題に共通する「1つの解法」ではなく

具体的なそれぞれの「問題を解く手順すべて」を覚えることが学習だと思っていたのです。

 社会や理科などの暗記科目で用語を覚えるように

数学でも暗記が重要になることはもちろんありますが

それは解答への切り口であったり

解答の指針や、ある程度抽象化されたやり方を覚えるという意味にとどまります。

 問題が1つずつ違っていても

共通の解法で解くことはもちろん可能で、

だからこそ、どの解法を使うのかを考えるのが楽しいのです。

 ところがこの生徒は、それを知らず(たぶん教えてもらったことがないので知らなかった)

学習を「すべて暗記」であるととらえていました。

 そんな事をやれば、当然時間ばかりかかります。

勉強時間が長いのに、間違いが減ってこないのでおかしいとは思っていたのですが

そういう考え方をしていたということには、かなり驚きました。

勉強を暗記と思いこむ生徒

 これはかなり極端な例ですが

「勉強は暗記である」と思い込んでいる生徒は、実際にかなりいます。

共通点は、「勉強時間が長いのに結果に結びつきにくい」という点です。

同じような感じで学習をしているので、

本人によく話を聞かないとわからないことが多いですが

 暗記事項については、わりと優秀に覚えられるのに

少しでもひねりがあったり、問題文の聞き方が異なると

全く正解できません。

 そしてこれは、「応用ができない」というような高度なレベルの話ではなく

ごく基本問題でも、聞き方がわずかに違うとそこで思考を止めてしまい

「習ってない」「知らない」ということで終わらせているという場合がほとんどなのです。

 こういう状況にある生徒は

先へ進むにつれて、どんどん素点が低下していきます。

それは当然で

自分が情報を記憶するコンピューターになろうとしているのと同じだからです。

人間の脳の優れているところは

「不要な情報は捨てる、忘れる」ことができることです。

 しかし、このやり方はまさに逆で

無駄な情報ばかりどんどん入力していくわけですから

どんなに記憶力が良くても、いずれ満杯になってしまいます。

上手くいくはずはありません。

「考えること」が勉強

 勉強で暗記しなくてはいけない事は、もちろん一定量ありますが

やはり勉強の本体は「考えること」だと思います。

それをすることで

たくさんの情報を体系化することができ、聞き方のわずかな違いにも対応ができるようになります。

自然と効率の良い学習ができるようになっていきます。

 もしも成績が伸び悩んでいる方がいたら

一度よく本人に話を聞いてみるといいと思います。

ひょとしたら、私が驚いたように

「勉強は暗記」と思い込んでいるかもしれません。

 でももしそうであれば、逆にやり方を変えることによって

劇的に成績を上げることも可能になると思います。

今後も皆さんの役に立つ情報をアップしていきます。


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