【中学理科の考える学習】覚える必要はありません。「れき・砂・泥の順番」

堆積岩・粒の大きさ

 中学理科で堆積について学びます。

水の流れでれき、砂、泥が積もっていく作用の学習です。

 この学習をする初めにまず生徒が勘違いするのは、粒の大きさの順番です。

れき(礫)というは直径2mm以上の岩石の破片を言い、簡単に言うと小石・石ころなどのことで、これは分かりやすいのですが、

砂と泥はどちらの粒が大きいのかと聞かれると、

多くの生徒が泥と答えてしまいます。

 泥というとイメージとして泥の塊を思い浮かべてしまうからだと思いますが、砂よりも泥のほうが粒は小さいです。

 それぞれの粒がとても小さく、だからこそお互いにくっついてしまっている泥のイメージがうかぶのかも知れません。

 だから粒の大きい順に並べると

 れき>砂>泥 

となります。

沈み方

 流水とれき、砂、泥の堆積については、かなりの生徒が混乱をしやすいところです。

これは問題の種類が2つあるのに、どれも同じ問題だと思い込んでしまっていることが理由だと思います。

 実は問題のタイプは次の2種類があります。

問題タイプ1 単純に上から下へ堆積する場合

 れき、砂、泥をかき混ぜて堆積する様子を観察した。一番下からどの順で堆積するか答えなさい。

という問題の場合は

 重力が働いている以上、粒が大きいものが下になるに決まっているので

一番下から「れき→砂→泥」の順で堆積します。

これに対して

問題タイプ2 流水が海に流れ込む場合

 流水によって運ばれたれき、砂、泥が海に堆積するとき、河口から沖に向かってどのような順で堆積するか答えなさい。

という場合は

流水で運ばれやすいのは何かを考えれば簡単に結論が出せます。

 重いものは軽いものより流水で運ばれにくく、流れて行っても遠くまでは運ばれません。

だから粒が大きく重いれきは、河口付近に堆積してしまって遠くまでは運ばれず、

逆に粒が小さく軽い泥は、遠くの沖まで運ばれて堆積しやすいということが言えます。

 したがって

河口近くから「れき→砂→泥」の順で堆積することになります。

知識でなく考えるだけでわかる

 もちろんれきと砂と泥の大小くらいは知っていないといけませんが、

それ以外のことは、

どれが重いかということ(問題タイプ1)と

 これも重さによりますが、

どれが流されやすいか(問題タイプ2)

ということをちょっと考えればわかることです。

 勉強が大変と言っている生徒の中には、

何もかも暗記してしまおうという考えの生徒がかなりいます。

でも、人間の頭脳は機械ではないので、暗記ばかりの学習には限界があります。

たくさんのことをすべて暗記していくことはなかなかできません。

 これに対して「考え方」を知れば、単純な暗記と比べて忘れにくく何回でも同じ正しい結論を出すことが可能です。

何かポイントになることを手掛かりにして解答へたどり着くことが簡単にできます。

 「何が重いのか」ということを考えればすべて正解を出せる今回のような問題はわりとあると思います。

まず問題を解くときに

「ああ、覚えていたっけ?」

と考えるのではなく、

「これはどう考えるのかな?」という発想で問題をよく読み、解答をしていくことが大切だと思います。

知識などなくても正解を出せる問題はたくさんあるのです。

一度このことを考えて見てください。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。 

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