【個人の尊厳】どこへ行ったの?基本的人権

人権の話は、なぜされなくなったのか?

 昨今の一連の騒動で

メディアの報道などや政治家の人たちから

口に上ることが極めて少なくなった言葉があります。

それは「人権」という言葉です。

 今回の新型ウィルス問題については

色々な考え方の方がいるかと思います。

 しかしどのような立場に立つにしても

わが国では、基本的人権が憲法により保障されている(憲法第三章)のは、

揺るぎのない事実なのですから

およそ国民の人権が、権力側の恣意的な措置によってみだりに侵害されないということは

絶対に担保されなくてはなりません。

 しかしメディアはもちろん、こういうことに一番気を配らなくてはならない政治家の方々も

一向に人権擁護については、積極的なコメントが見られず

それどころか

「皆が協力してこの危機を乗り切っていくのだから、犠牲はやむを得ない」というような

論調さえ時に目にします。

まさに驚くべき事です。

移動の自由・営業の自由・人身の自由

 私たち各人には、それぞれ個人の尊厳というものがあり

一人一人がかけがえのない高い価値を持っています。

貧富の差、能力の差、出自の差に関わらず

すべての国民が、その個人としての価値を最大限尊重されなくてはならないというのは、今や自明の理です。

 私は、人より長く法律の勉強をしてきたので(つまり司法試験には受からなかったということですが)

日本国憲法について、毎年数限りなく読み解釈の勉強をしていました。

そして中でも、人権について書かれている部分については、とても崇高な精神をベースに書かれている、格調の高い条文群であると誇りに思ってきました。

だから今は弁護士をしている私の長男にも、事あるごと人権の大切さについて話をして育ててきたつもりです。

 ところが、そんな憲法で保障されている国民の自由であるはずの

 「移動の自由」は、法律の規定の要件を十分に満たさない措置により制限されたり、一地方自治体の長の恣意的な判断で軽々と侵害されて、人々はどこへも行けないようになり、

 「営業の自由」は、科学的根拠を欠くエビデンスのない行政措置によりかなり恣意的に制限されて、適切で公平な補償も現実にはされない。

挙句の果てに「酒類の販売禁止」という、独裁国家でもあまり行われそうにないひどい措置が平気でまかり通り、しかも政治家がそれに異議を唱えない。

「人身の自由」についても、検査や疾病対策の面で、普通の人権感覚からすると相当疑問のある法律が策定されたり、更に今後制定される動きさえある。

おそらく普通に法律を知っている人からすると、現在は相当特異な、そういう意味での異常事態・緊急事態が続いているように思います。

 しかし、憲法学者の方々や普段人権擁護を熱く語ってきた人たちも

このことについて問題を提起しているような人はあまりいません。

なぜでしょうか。

 一つにはメディアに登場できないようになっていると言う事もあるかもしれませんが

ある時、人権制限についてある弁護士がWEB上で

「こういう場合には普通仕方がない」というような論調で書いている文章を見て

その事実認定への緩いスタンスに大変驚いたことがあります。

 緊急の状況下で、ある程度人権制約を伴っても憲法秩序を一時停止して、国家機関が強力な権限行使をする事が出来るという、いわゆる「国家緊急権」については、憲法を勉強すれば誰もが学習します。

そして「やむを得ない場合」には、そういったものも国民の人権を実質的に守るためのものとして

正当化される場合があるとされています。

 例えば、身の回りの人々がバタバタと死んでいくような深刻な疾病が流行していて

それから国民を守るのに他に取りうる場合がないような時です。

しかし、現在の日本は本当にそういう状態でしょうか?

この点については、WHOの決定に異を唱えられないため感染症の分類を変更できない厚労省の措置と

「世界一たくさんある病床を患者に開放しない」という謎の政治判断によって

実質わが国では大変なことになってはいますが

この状態をもって、人権制約の根拠になる国家緊急権の行使が安易に正当化できる状態とは到底思えないのですが、どうでしょうか?

 それよりも、大きな人権侵害が我が国の各所で起こっていることを問題視していかないと、

今後さらに国民の権利は侵害されていくのではないかと危惧されるところです。

独裁は国民に危機をあおることから始まる

 過去の世界の歴史を見て見ると

凄惨な事態を引き起こした独裁による全体主義というものは

必ず国民に危機感を持たせ、それをあおることから始まっています。

そして国民の同意の下、適法な形を装って国民の権利が制限されて

やがて選挙がなくなります。

「いつの間にかこんなことになっていた」

 おそらく東京都で営業を営んで見える方の中には

すでにそんな気持ちになっている人がたくさんいるのではないかと思いますが

世界に冠たる日本の首都東京が、今やすでに大変なことになっているのが事実なのです。

 昔の西部劇で、こんな話がありました。

ある町で何か無茶な事を保安官が言いだして

それに異を唱える人をその取り巻きが次々に逮捕をします。

皆が怖くてだれも逆らえません。

そして保安官はまた新しい告知を市民に言い渡します。

皆言う事を聞き

保安官は言います。

「ここはオレの町だ。オレが平和を守る」

 こんな話現代ではありえないと思っていましたが

なんだか心配になってきています。

「まあ、そのうち良くしてくれるだろう」「悪くはしないさ」

「テレビが嘘なんて言わないはず」

そんな意識を早く捨てて、真実をしっかり確認するとともに

私たちにとって最も大切な人権というものが

奪われることがないように、もう一度考えて行かなくてはならない時になっているような気がします。


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