思いがけない勘違い
テストの際に、自分が思っていたのと異なる
「思いがけないミス」が出る時があります。
ケアレスミスと異なり、確信犯的なミスです。
たとえば「奥」という漢字がありますが
漢字の下にくる文字は「大」です。
ところがこれを上を突き出さないで書いてしまう人が、時々います。
たぶん最初に四角に「米」と覚えてしまっていて
そういう先入観で書いてしまったりしているのではないかと思いますが
私たちには、思っているよりずっとたくさんの
先入観による誤りがあるようです。
「言質を取る」
正しい漢字の読み方も
思っている以上に勘違いがあります。
たとえば「言質を取る」という言葉があります。
証拠になることを相手から引き出すことを言いますが
この正しい読みは、「げんちをとる」です。
ところが
一般には「げんしちをとる」という読み方がかなり使われています。
こういうのを慣用読みと言いますが、
多くの人が「げんち」とは読まず、「げんしち」あるいは「げんしつ」と読んでいるようです。
かく言う私も、生徒に指導をする前は
「げんしち」で読んでいました。
指導に当たって洗い直しをした際に
初めて正しいのが「げんち」であると気づいたので
あまり偉そうなことは言えません。
周知度が高くない慣用読みですので、「げんしち」でテストに解答すれば
不正解にされる可能性があります。
慣用読み
ただ慣用読みには、広く世間に定着してある程度市民権をもったものがあり
そういうものについては、国語の教材などにも別の読み方として掲載されている場合もあります。
実際に誰もがどちらの読み方もありだと思っているものも多く、
たとえば
「早急」の本来の読みは「さっきゅう」ですが、おそらく慣用読みの「そうきゅう」でもOKですし
「重複」の本来の読みは「ちょうふく」ですが、慣用読みの「じゅうふく」も通用度は高いです。
「この漢字の正しい読み方は?」なんていうのが、動画サイトに出ていたり、出版物にもありますが
学校のテストでなければ、
一般に通用しているものは、それでOKだと思います。
広く多くの人が使っている言葉が、新しい正しい言葉になっていくということは当然あるのです。
「消耗」は普通「しょうもう」と読みますが、何と「しょうこう」が本来の読みで「しょうもう」は慣用読みだったりします。
こうなると、もうイメージが逆転してしまいますよね。
最初にしっかり確認する
とは言え、やはり本来の読み方は知っておきたいものです。
慣用読みも含めて全部知っていられれば、
思わぬところで恥をかかないですみますね。
分析してみると、こういう先入観による勘違いは
ほぼすべて
最初に覚える際の詰めの甘さによって生じていると言えます。
「こんな感じじゃないかな」
「まあこの程度で」
という感覚で暗記をしていくと
うろ覚えのものが出て来てしまうのではないかと思います。
上記の例でいえば
おそらく漢字の学習では、きちんと「げんち」と習ったのに
誰かが「げんしち」と言っているので、記憶が曖昧な私は
「げんしち」で定着をしてしまったのでしょう。
最初の記憶がしっかりしていれば
おそらく「あれ?」と思って、調べなおしていたはずです。
後になって振り返り、もう一度正しい内容を覚え直すのは
予想以上に手間がかかります。
だからやはり
最初にきちんと押さえておくことこそ、重要なのではないかと思います。
それと同時に「慣用読み」なんてものがあるのも
漢字の文化がある我が国独自のものであって
それはそれで面白いですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。