【採点の秘密】思わず追加点をあげたくなる答案、✕にしたくなる答案

答案を採点するときに教師が考えること

 教師にとって答案の採点は、生徒の学習の成果を確認するとともに、自分の指導がまちがっていないかを見直す機会でもあります。

 そんな中、テストの前に「ここが一番重要」「ここはポイント」と教えていたところを皆が正解していれば、教師は嬉しくもなります。

 私がかつて黒板授業をやっていた頃、授業で「ここを必ず押さえておけ」と言ってかなり力を入れたところが、テストで全員できていたときがありました。

普段はその分野では全く正解を出せない生徒もそこだけはできていて、授業の成果を感じてとても嬉しかったのを覚えています。

 逆に、全く教えた内容と違うことばかり書いていると「なぜだ!?」という気持ちにもなります。

 そして、大事な解法を全くマスターしていない答案を見ると

「これまでの指導は何だったのか」「あの時あんなにできるようになったじゃないか。一体どうしたんだ?」と思わずにはいられません。

 そして、「次の指導ではもう一度弱点を補強しなくては」と強く思います。

 教師にとってもテストは、自分の仕事の結果が試される1つの試験なのです。

他人のせいにするのは生徒も教師も同じ

 しっかり指導の内容を聞かず、自己流のやり方をどうしても変えない生徒もいます。

そんな生徒には、どうしてそのやり方だと正解にならないかを繰り返し説明をしていきます。

 しかし、そういう生徒ほどテストで点数が取れないと

「おかしい。これは採点が違うんじゃないか」とか

「一生懸命やっても点が取れない」と言う発言をしがちです。

 点数が取れないのには理由があります。

その理由を修正しないかぎりずっと点数は上がりませんから、アドバイスに耳を傾け修正をしていく姿勢が大切です。

 これは、教師にも同じことが言えます。

 学校のテストで極めて平均点が低いテストが時々あります。

そういうテストを出題する先生の意図はいろいろだと思いますが、生徒が点数を取れないことについて、先生が先へ向けて叱咤激励するのではなく、

「このクラスはダメだ」とか自分は「もう教えたくない」というような発言をしたということを聞くことがあります。

 点数が取れないのは、もちろん第一は本人の責任ですが、クラス全員が点数が取れないとなると、それは教師にも責任があります。

 先日ある中学校で平均点が100点満点中26点というテストがありました。

これは学校でも問題になったようで再テストが行われましたが

その科目が苦手な生徒はもちろん得意な生徒も、みな大変なショックを受けていました。

普通の生徒は自分が受けたテストの平均点を察知する力はありません。

 だから点数が取れない場合には、平均点いかんにかかわらず

「自分ができないからだ」と必ず思うのです。

後で「あのテストは桁違いに難しかったから」と言われても

その時受けたショックは、その後の学習にマイナスの心理的影響を及ぼすことは間違いありません。

 1つのテストで勉強を嫌いになる生徒だったいるのです。

また塾のように目的があって難しい出題を敢えてする必要があるのとは異なり、成績の基準ともなる学校のテストで

稀にではなく、毎回のように平均点が低くなりすぎるテストを作ってしまう教師の出題については問題があると思います。

100点満点のテストで、平均点がいつも40点や30点台になっている教師を見かけますが

「あなたの教えている生徒は、やったことの3分の1しか正解を出せないわけですが、あなたはそんな授業を続けているのですか?」と聞きたいところです。

 目の前の生徒の実力をよく把握できていないということを、自ら公表しているようなものと言ったら言い過ぎでしょうか。

 生徒も教師も結果を他人のせいにするのはやめ、テストを未来のために生かすようにすべきだと思います。

思わずマルをつけてしまいたくなる答案

 テストは生徒にとっても教師にとっても、これまでを振り返る良い機会となるものですが

長年採点をしてきて、思わずマルをつけてしまいたくなる答案や、逆に✕をつけたくなる答案があります。

 まず、思わずマルをつけてしまいたくなる答案は、記述問題などで丁寧に自分の考えや自分なりの式を書いてある答案です。

 数学などではさすがに採点の裁量の幅から無理もありますが、社会や理科の記述問題では自分なりの考えを理由もつけてしっかり書いてあると、何とか正解にできないだろうかと思う場合があります。

印象が良いと、追加点をつけてしまいたく事もあります。

 また、正解例に全く記載されていないが「そういう考えもありうる」というような、発想力のある良い解答を書いてあると、答案採点中に感嘆して声を上げてしまうことがあります。

もし(大学の講義のテストとかのように) 採点上の制約があまりなければ、他ができていなくても満点とかつけてしまうかもしれません。

 それだけ印象がいいということです。

 テストというものがそもそもその分野の学習を授業を通じて学びとり、その成果を表す機会であることを考えると

このように学習内容に合わせて考える力の発露がある答案が、高い評価を受けるのは当然かもしれません。

 残念ながら、中高生までのテストは入試を前提にしているため、実際にはなかなか印象度だけで実際に得点をもらえるわけではないかと思います。

しかし採点者も人間ですから、主観的にプラスの印象を持ってもらうのはとても良いことであると思います。

 また字が丁寧に書いてある答案は、間違いなく印象がいいです。

 間違いなのに正解としてしまった採点ミスを過去にさかのぼって調査すると、おそらく字が上手で丁寧に書いてある答案が多いのではないかと思います。

それくらい実感として、良い印象を持ってしまう感覚があります。

思わず✕をつけたくなる答案

 これと反対に思わず✕をつけたくなる答案があります。

 それは、どの教師に聞いてもおそらく同じだと思いますが、汚い字で書きなぐってある答案です。

そういう答案に限って消しゴムを使っていなかったりすることもあり、解読にかなりの時間を要することもあります。

「書きなぐって」などと書くと大げさに思うかもしれませんが、実際に目の当たりにすると

「なぜテストなのにこんな字を書くのだろう。ほぼ読めない」と驚きます。

そして、実はこれはそんなに少ない事例ではないのです。

またそういう生徒に聞くと塾だけなく、学校でも同じように書いていると言うことがあります。

 採点者がいて自分の書いた文字を読んで正誤を判断しているという意識が欠けていて、「自分が正解を出せばどんな書き方でも、それを他人が察してくれる」という甘えがこのような答案を書いてしまう原因だと思います。

 そんな生徒に自分の書いた答案を読ませると、自分でも読めないこともよくあります。

 これを直していくには、自分の答案が採点者に読んでもらえない答案になっているということを意識してもらうことがスタートラインです。

 繰り返しになりますが採点者も人間です。

プロは公平な判定をするはずですが、主観で判断するプロでない採点者に万が一当たっても大丈夫なように準備をしてテストを受けるということも一つのテスト対策ではないかと思います。

 「丁寧に、読める字を書く」

これだけでいいのですから…。

これからもお役にたつ学習のコツを書いていきます。



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