テスト前に課題を出せない生徒たち
高校生ではさすがに少なくなりますが、中学生ではテスト時の課題未提出者というのは結構います。
また提出できても、ほとんど提出の意味がないようなやり方のものを出してしまう生徒は相当数いると思います。
殴り書きで判別困難なもの、マル付けをして出すことになっているのにやっていないもの、マルはついているが個別につけていないもの・・・etc
逆に、過剰なほどに丁寧にやって出す生徒も一定数います。
ただやるだけではなく、マル付けも丁寧なのはもちろん自分なりのコメントを書いたり、ポストイットを貼ったりして
見るからに勉強の成果がわかるようなやり方をしてあったりします。
では、客観的に考えてこれらを面前に出された学校の先生はどう感じるでしょうか?
課題の提出については、普通A、B、C・・・というように評価をすることが多いのですが
出さない生徒が論外なのはもちろんですが
上記のように丁寧にやって出してある生徒と雑にやってある生徒とでは、評価の開きはかなりのものになるのではないでしょうか。
このようなことは、あまりに当たり前で
学校の先生が通知表をつける際の非常に大きい要素になっているのははっきりしています。
よく「テストの点数が良くても、通知表が悪い」と言う話が出るときの背景として
こういった提出物の問題があることをとても頻繁に目にします。
なぜ直せないのか?
保護者の方もこういうことは上記ほど具体的でなくても、十分わかっているので、
生徒には繰り返しそのことを伝えていると思います。
しかし、習慣が良くない生徒は
それを改善するということがなかなかできません。
【早めの取り組み】→「学校に課題を置きっぱなし」「テキストをなくしてしまって見つからない」「解答書をなくしてしまった」
【期日までの完了】→「提出日に完成しない。前日慌てて気づいて始める」
【丁寧な内容】→「言われたときは丁寧だが、すぐに雑になる。時間が無くなると読めない文字になる」
【提出】→「学校へ持って行ったのに提出せず帰ってきてしまう」「学校へ持って行き忘れる」
実際にはこんな感じです。
この問題は、本当に中学生の学習における大きな問題なので
私たちは、塾での指導の際にはその改善についてかなり力を入れて取り組んでいます。
上記のような「評価される課題のやり方」などは、実際に練習をさせたりして対策を行ったりもします。
しかし、それが短期間で改善されないという事もよくあります。
その原因は何かというと、「本人の意識の問題」にあります。
誤解を恐れずに言うと
「本人が直さなくて良いと思っている」のです。
直してもすぐ効果がわからない
こういうと「そんなことはない。本人は十分わかっている」と言われる方が多いかと思いますが、
「問題を知っている」ことと「実際に直そうとする」ということの間には
実に大きな隔たりと壁があるのです。
そして一番の問題は、学習習慣の改善は
「直すのが大変な割に、効果がすぐわからない」という事にあります。
一生懸命コツコツと課題を丁寧にやって出し始めても
生徒によほど目配りのできている優秀な学校の先生でなければ
その変化に気づいて、生徒をほめてくれるようなこともありません。
その学期の終わりになり、ようやく提出物の出し方が良くなったからということで、先生の中での評価が得点として少し上がるだけです。
それまで提出状況が悪かった生徒はそこで、評定点が1から2へ、2から3へと言った具合に上がる事でしょう。
しかし、先生の目がぼやけていれば、3が3のままという事もあります。
とにかく、短期間で成果を見ることがむずかしいのです。
もちろん得点力が急速に伸びることがあります。
ただ、習慣の成果はじりじりと出てきて、結果が目に見えだすと一気に開花するような、そんな効果の出方をするものですので、
始めてすぐに数字が大きく動かない場合もあります。
だから勝負は、その最初の動きのない時期を乗り切れるかどうかなのです。
モチベーションが非常に重要なのが学習習慣の改善
学習習慣の改善はこのように、本人の意識がとても重要なものです。
だとすると、本人の中に
「今のやり方を続けると学習状況は極めて悪くなる」
「成績は決して上げてもらえない」
「自分の将来の事を考えたら、やり方を変えるのは今しかない」
というようなモチベーションを起こすことこそが
まず最初にやらなくてはいけない試みだと思います。
いくら周りが必要性を説いたとしても
本人の中では
「今度のテストでは点を取るぞ」
「今やっているところはわかるからいける」
というような意識しかなく
自分が出すべき課題をやっていないこと、
課題のテキストが見つかっていないこと
やってあるものも、まともに読める状態でさえないこと
などは完全に意識の外にあるならば
いつまで経っても、何も変わることはないのです。
まず本人に
「変えないとまずい」という気持ちを起こさせることを
一刻も早く考えていくべきなのだと思います。
今後も皆さんのお役に立ち情報をアップしていきます。