【心に響く和の四字熟語】「一期一会」「明鏡止水」「以心伝心」

心を表す言葉

 四字熟語というと学校で勉強してテストに出たり

漢字検定向けに覚えたり、あるいはクイズで豆知識のように知ったりするもので

その中身についても、「単なる4つの文字の羅列に意味を与えたもの」という風に感じることも多いのですが

 人の心について表す言葉も結構あります。

ことわざなどと同様に、人生への指針を示してくれる四字熟語を今回はご紹介します。

一期一会

 「人と人とのふれあい」について、どのような心で接するべきかを示す言葉として

圧倒的に有名なのは、この「一期一会(いちごいちえ)」ではないかと思います。

一期一会とは、人との出会いは一生に一度きりだと思って誠意を尽くすべきであるということを表します。

 有名な茶人千利休の弟子であった山上宗二の書物に出てくる「一期に一度の会」という言葉が由来のようです。元々茶道の世界での言葉で、客をもてなすときの心得を示したものです。

 また一生に一度だけの出会いそのものを指す場合もあります。

 とかく人との付き合いはルーティンな意識になりがちで、そのため友人についひどいことを言ってしまったり、言わなくても良い事を言って人を傷つけてしまうこともあります。

しかし、一期一会の心をもって常に心を新しくして人と接するようにすれば、そのような後悔をしなくて済むことも多いのかも知れません。

 とても良い言葉ですね。

明鏡止水

 「明鏡止水(めいきょうしすい)」とは、よこしまな心や邪念がなく、落ち着いて澄みきった心境のことを言います。

一点の曇りもない鏡や静かに澄んで静止している水のように、埃や垢、汚れがない精神状態を指すのですが

四つの漢字の組み合わせから、私たちも見事にそのような心理状態が想像できるというのはすごいです。

中国の思想家荘子(そうし)の著作「荘子(そうじ)」の「徳充符(とくじゅうふ)」に「明鏡」と「止水」の言葉がでてきてそれが由来になっています。

 「明鏡止水の心境」などというような使い方をします。

 私たちの心持ちとしては、まさに理想ではありますが、

実際にはなかなかそんな心境に到達することはできません。

でも、自分の目標としてそんな境地があると意識するということはとても意義がありますから、こういう言葉は大切なのだと思います。

以心伝心

「以心伝心(いしんでんしん)」は、言葉や文字を使わずとも、お互いの意志が通じあうことを言います。

 禅宗の僧である慧能(えのう)という上人が、

「言葉では表すことできない仏教の神髄や教えを、無言で師匠から弟子に伝えるという事が必要である」という趣旨を説明するために書いた

「法即以心伝心、皆令自悟自解」という言葉がその由来と言われています。

 この言葉については「以心伝心って、結局テレパシー?」などとよく言われてしまうのですが、実は違います。

 テレパシーは純粋に意識が無言でも、物理的に(まだ現代では解明がされてはいませんので厳密には半ば物理的?に)相手に伝わりますが

この禅宗の教えは、もちろんそういうことを言っているのではありません。

 言葉にできない考え方や思想は口では伝えられないから

「弟子は師匠の言動をよく見て学び、そこから心理を学び取れ」というところにこそこの言葉の元々の真意があります。

だから、どちらかというと送り手の側の言葉ではなく、

受け手側の意識が重要です。そういう精神性を示す言葉なのです。

「以心伝心でチームプレーができた」というような使い方をします。

この例では、一人の人が一生懸命「こう動け」と念じていてもダメで、

そうではなく、メンバーが互いに他を察して協力しあう姿が目に浮かびます。

 そんな様子を表す言葉です。

 以心伝心はこのように元々仏教用語のため、結構深い意味のある良い言葉です。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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