【四字熟語】現代人も気持ちは同じ「五里霧中」

五里霧中

五里霧中:物事の見通しが立たない様子を表す四字熟語。中国の後漢書に記された張楷(ちょうかい)という人物が起こすことができた「五里霧」についての記述に由来して、5里先まで霧が立ち込めて見通しがきかない様子から、この言葉ができたとされる。

 私たちは、何かするときに日常的なことはある程度先の見通しを立てることができますが

全く初めての試みであったり、マニュアルのない事柄については

なかなか見通しを立てることができないことが多くなります。

 そんなときの気分を表す言葉としてぴったりなのが

この「五里霧中」です。

この四字熟語は大変有名な熟語なので知っている方は多いかと思いますが

生徒たちがテストではよく「五里夢中」と後半部分を「夢中」と書いてしまいがちな熟語でもあります。

「夢中」では夢の中ですので、「先々まで夢気分」とか

「ずっと騙されっぱなし」の意味になってしまいますよね。

やはり「霧中」ということで「霧が立ち込める中」何も見えないというのが一番ぴったりしています。

今も昔も人の気持ちは同じ

 後漢書が書かれた時代にできた言葉なので、大変古い時代のことですが

その当時から人は「先のことがわからないなあ」と思っていたということになります。

科学が発達した現代でも同様に「先のことがわからないなあ」と人はつぶやいたりしているのですから

どんな時代も人の考えることや気持ちというのはあまり変わらないということがわかりますね。

「五里快晴」などとはいかないようです。

風景まで見えそうな熟語

 この「五里霧中」という四字熟語ですが

初めてこれを学習したときから

私の脳裏にはこの熟語を聞くたびに

「五里先までずっと霧に煙っていてはっきり見えない景色」が見事に浮かんできます。

霧は中国風だったりイギリス風だったりしますが

よく見えない状態は同じで

そういう意味でいうと

なかなか写実性の高い四字熟語と言ってもいいのかと思ったりします。

いや、実際にそれが見えているわけではないので、写実ではありませんね。

想起力の高い四字熟語と言う方がよりあっているかもしれません。

 いずれにしてもこういう言葉を創り出した先人の感性には驚きを隠すことができません。

そんな視点で四字熟語を味わい直すというのもまた楽しいものですよ。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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