関数の理解を確認しやすい単元
中学の数学では関数については、1年で比例・反比例、2年で一次関数、3年で二次関数を学習します。
この中で比例、一次関数、二次関数は、同じ系列のグループに入ります。
この続きが高校で三次関数などへ続きます。
反比例はちょっと別系統の感じの関数で、苦手に感じている人が多い単元です。
関数の学習というと、関数の式を立てることと、グラフを描くこと、文章問題などが大きなものですが
反比例の式についてはかなり他の関数と形が違っていて、それで生徒はよくわからなくなっていることが多いのです。
Y=a/Xという式自体をなかなか覚えられず、覚えていてもしばらくたつと
「あれ?aが分母だったっけ、分子だったけ?」と悩むことになります。
これは反比例の考え方自体をよくわかっていないことによる混乱ですが
逆に言うと、問題を出題する側は反比例を出題することで、関数というものをよく理解しているかどうかを確認することができるのだと思います。
高校入試では一次関数や二次関数のすき間を縫うように不意打ち的に出題されることが多い
このようなことから反比例は、入試でもよく出題されているのを見かけます。
しかし出題のタイミングにはやや特徴があるようです。
受験生の多くは一次関数、二次関数、両者の融合問題やいわゆる三関図という三角形の面積などと絡めた問題などを一生懸命勉強します。
そこへ不意打ち的に反比例が出題されたのを、過去に何回も見ています。
「やられた!」と言う生徒もいますが
本当は反比例も準備をしていて当たり前ですね。
ただイメージ的には、わりと軽く見られている単元のような気もします。
そんなわけでなかなか得意にできない生徒も多いのですが、
実はあるポイントを押さえるだけで、反比例はグンと簡単になります。
比例・反比例は小学校から続く学習
実は比例と反比例は小学校で学習をしています。
そこで式についても学びます。
比例は、Y=決まった数×X
反比例は、Y=決まった数×Y
そして、これが中学1年の学習につながり
決まった数が定数aとなったのが、
比例 Y=aX 反比例 Y=a/X なのです。
反比例の式をこのような形で学習してきているので
反比例の式はわり算という変なイメージを生徒が持ってしまっていることが、反比例を難しくしています。
実は、反比例を見抜く非常に簡単な方法があります。
それは、X × Y=決まった数 、中学風で言うと X Y = a という判断方法です。
これを覚えさえすれば、問題文を見た瞬間に式を作ることが可能です。
例を挙げて説明します。
X=4のときY=6であり、X=2のときY=12である。YをXを使った式で表しなさい。
この問題を見たときに、XとYをかけ合わせるとどちらも24になっていることがわかります。
それに気づけば、「ああ、これは反比例だ」とわかります。
XY=24ということですから、この24が決まった数(a)ということになり、答えの式はY=24/Xとなります。
文章題でさらに力を発揮する
XY=決まった数 という判断で反比例問題を解くメリットは、文章題では更に大きくなります。
有名な「歯車問題」を例にとって説明をします。
Aの歯車とBの歯車がかみ合っている。Aの歯車の歯の数はX、1分間の回転数はY回であり、Bの歯車の歯の数は30、1分間の回転数は10とする場合に、YをXを用いた式で表せ。
この問題を解くためには、歯車の公式を覚える必要があります。
ABの歯車がかみ合っているとき
【Aの歯数】×【Aの回転数】=【Bの歯数】×【Bの回転数】
というものです。これは重要な公式です。
この公式に上記の問題をあてはめると、X×Y=30×10 となりXY=300という式ができます。ということは、上記の考え方を使うと Y=300/Xになります。
何と一瞬で Y=300/X という答えが出てしまいました。
このようにX×Y=決まった数(a)ということを意識するだけで、反比例は一気に簡単になります。
ぜひ活用してみてください。
今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。