集中している時
私たちが何かに集中しているのはどんな時でしょうか?
つい鉢巻を巻いて机に向かっているような、いかにも頑張るモードの姿を想像してしまう人も多いかと思います。
しかし、そんな状況はあくまでイメージであって
本当の集中とは異なることが多いように思います。
なぜなら、そんなストレスが過剰にかかった状況では
集中は長くは続かない、あるいは集中時代ができないことが多いからです。
集中をするためには、適度の緊張やストレスが必要なことがあるのも事実です。
たとえば、自宅でこたつに座って家族がいるところでテスト問題を解くのと
試験会場で時間が決められた中、「はい、始め」という号令の下テスト問題を解く場合の
正答率は、おそらく同じ人間でも相当後者の方が高いと思います。
場の雰囲気や緊張感が、頭の回転を速くしたりする効果は間違いなくあると思います。
しかし、それはあくまで「適度な」緊張・ストレスと言ってよいでしょう。
過度の緊張やストレスの何が悪いかと言えば、行動自体が嫌になってしまうということが挙げられます。
リラックス
何か好きなことをしているときについては、
「時間を忘れていた」とか
「寝食を忘れて」とか言う表現が、昔からあります。
大体において、
大好きなことをやるときに集中を欠いてやるということが、なかなかあり得ないというか、
おそらくそんなことは無理です。
たとえば面白いゲームを始めて夢中でやっているとき
新しい連続ドラマを発見して、第1話から順に見ているとき
そんな時には、トイレに立つのも惜しむような状態で、内容に没頭をしています。
まさに集中の極致にあると言っていいと思います。
「楽しい事」には、集中が容易なのです。
ではなぜ、楽しい事には集中できるのでしょうか?
それは、周辺事情を考えることを忘れて内容自体に目を向けられるため
自分がリラックスしていて、対象と自分との位置が真正面で距離もごく近いという感覚になるからだと思います。
反対に楽しくない事の場合
まず「嫌である」という先入観のため、内容自体に立ち向かうというよりも、その周辺事情のあたりをウロウロしてしまい、
いつまでたっても対象と自分との位置関係が正しい状況になりません。
だから結局集中状態に入ることができないのだと思います。
軽い刺激とリラックス
このようにごく軽いストレス(刺激と言ってもいいでしょう)とリラックスというものが
集中力を高めるアイテムであると言えます。
もちろんストレスは、多すぎると逆に集中力を落としてしまいますし
ここで言うリラックスも、それこそお風呂に入っているような、心身ともに緩んだ状態まで行ってしまうそれとは少し違うニュアンスです。
だからいずれも適度なものである必要があり、そしてさらに個人差もあると思います。
ちょっとドキドキするくらいがシャキッとする人もいれば
まったりとしているときに頭がさえるという人もいるかも知れません。
結局ストレスとリラックスと集中は三角形の各頂点のようなもので
バランスが大切なのだと思います。
そして自分がどんなときに、その三角形がバランスのよい形になるのかということを
あらかじめ知っておくことは、集中力をつけるためには実はかなり重要だと思います。
テストで、思ったより緊張してしまって実力が出せなかったり
人前で話すのが初めてで、みんなの前に立った途端頭が真っ白になってしまった
というような、予想外の混乱やマイナス効果は
こういう自分自身の三角形をうまく把握していないときにこそ起こるものです。
だから普段から
「どんなときに自分は緊張してしまうのか、どんな時一番力が出やすいのか」
そんなことを考えておくのは、意外にメリットのあることだと思います。
私は司法試験を長く受験していたためか、自分のそういうマイナス面の癖を
嫌と言う程自分で把握してしまった結果、
どんな時でも「あがる」ということがほぼなくなりました。
また集中に入るスピードも、たぶん他の人より短時間でできるのではないかと思うことがよくあります。
何事も経験値が物を言うのかも知れませんね。
皆さんも、想定しておくだけで集中力を上げることのできる場面と言うものはたくさんありますから、どうか一度そういうイメージトレーニングをしてみることをお勧めします。
キーワードは
「ストレスとリラックスと集中力の程よい三角関係」です。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。