放物線の軌道を変える
物体が放物線を描いて飛んでく時
その軌道を変えるにはどうしたらいいか?
一つには、横から強い力を加える
たとえば強風を当てるとか、何か物体をぶつけるとか
そういう措置が必要になります。
何だかミサイル防衛の話みたいになってしまいましたが
目的地がA地点だとして、飛び続ける物体にわずかの横風を加えれば
A地点には到達しません。
遠くへ飛ばそうとする場合ほど
わずかの力で全く違う地点に物体を運んでしまうことが可能になります。
なぜ思い通りの結果が出ないのか
長い間生徒を指導してきて
生徒の学習の様子については、非常にたくさんの事例を見てきました。
驚くほど順調に成績が伸びていく者もいれば
なかなか伸びない者もいます。
「どこにその差が生じる原因があるのか」
その事を色々と考えてきました。
その結果、一つの結論に達しました。
それは、差が生じる原因は
「日々の習慣」これに尽きるということです。
成績が見事に上がる生徒と、そうでない生徒の違いが
素の「頭の良さ」であることがないとも言い切れませんが
その場合も、そういう地頭の良さを生み出しているものも
実は「習慣」であることがほとんどなのではないかと思います。
つまり、日々の学習における「習慣」がしっかりと出来ていれば
成績を上げることは容易だということです。
逆に「習慣」が上手く作られていない場合には
成績を上げにくいという、実にシンプルな結論がそこにあります。
放物線の向きを変える力は、劇的な「何か」などではなく
「『日々の習慣』を少し変えていく事」これに尽きるということです。
成績を上げる方法は色々ありますが
「必ず」成績を上げる事ができる方法はたった一つです。
すなわち「学習習慣の改善」だという事です。
なぜ習慣を変えられないのか
では、なぜ皆が簡単に学習習慣を変えることができないのでしょうか。
おそらくここに書くまでもなく、学習習慣が成績を左右することは、誰もがご存じかと思います。
しかし、それを知っていても
お子さんの学習習慣を実際に変えさせることは、実は至難の業であることが多いのです。
どうしてそうなるのかと言えば
「『習慣の威力』を実感をもって知ることができない」
これが理由ではないかと思います。
「1日にやることを少し変える程度で成績なんか上がらない」
「猛烈に徹夜したりして、徹底的にやらないとだめだけどそれはできないから、まあ、今日はやめとく」
おそらくこんなイメージではないかと思います。
すべての間違いは、ここから生じます。
「1日にやることを少し変える程度」のことを
ずっとずっと「続ける事」が、徹夜などよりよっぽど大切なのです。
たとえば
毎日単語を10個だけしっかり暗記したらどうなるでしょうか?
1年続ければ 3650個の単語を覚えてしまうことになります。
ですが、日曜やお盆休み、年末年始、クリスマス、GWなどもすべて
部活で疲れ果てた日もすべて、熱が出た日もすべて
これを続けることは至難の業です。
途中でこれらの内の1つがあると、そこでストップしてしまって
「まあ、いいか」となることも多いのではないかと思います。
「習慣の威力」は絶大なのに、それを実際に発揮させるのは、
本当に大変な事と言ってもいいかも知れません。
でもそれは「習慣の威力」を実感をもって信じることができないから、そうなっているのだと思います。
だから
一番重要な、まずすべきことは
「想像力を持たせる事」です。
さらに言えば「それを超えた空想力」でも構いません。
具体的に言うと
①毎日こういうことを続けていくと、どんな素晴らしい結果が生じるかを想像(空想)させること
②素晴らしい習慣でどんどん成果が出て上手く行っている学習状況を、想像(空想)させること
この二つがとても大切です。
たぶん生徒自身、そして保護者の方も
学習習慣が完璧に上手く行っている生徒の姿や状況を、思い描くことがない場合が多いと思いますが
習慣が悪く成績が上がらない状態にある場合には
特にそういう傾向はより顕著に表れるように思います。
でも実は、こういうイメージ化が成功への道筋を作ることは多いのです。
「もう宿題やったの?」
「毎日何やっているの」
と叱るより
まず、成功する学習習慣を想像して
それに沿った、毎日少しづつの変化を
お子さんにやさしくアドバイスしてあげてください。
まずはそこからだと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。