【後置修飾・関係代名詞のコツ】早く気づきましょう。それが「飾り言葉」の勉強であるという事に

何の勉強なのか?

 私がよく生徒に尋ねる事があります。

「これって結局どういう事?」

「今勉強しているのは、要するにどんな話?」

生徒たちは目の前の細かい内容に集中して勉強をしているので

こういう聞き方をすると、ポカンとした顔をする者も少なくありません。

 でも今自分がやっている内容が

一体どんな場面で問題になるのかを把握する事はとても大切です。

割と多くは、問題を解き進む内にそう言った全体像をつかみますが

それをつかめる前に混乱をする人もいるので

こういう大局的なイメージの確認は

思った以上に有効です。

 それが最も顕著に表れるのは、中3英語のいわゆる後置修飾の学習です。

中3英語で後置修飾で途端にわからなくなる生徒は多い

 後置修飾というのは前置修飾の対義語で、簡単に言えば、修飾される語の後ろに修飾句や節が置かれることを言います。

これだけ言っても「?」となると思いますので例を挙げます。

●This is a car. という英文があったとして、

「使われた」車という表現をしたい場合

This is a 〔used〕 car.  

のようにcarの前に飾り言葉(〔used〕 使われた)を入れればできますが(「これは使われた車(中古車)です」の意味)

●「みんなに使われた」車と表現する場合には、

〔used by everyone 〕という複数の語句で修飾する形にしなくてはいけませんが、

まさか  a 〔used by everyone 〕car では意味が分かりにくくなるので

後ろに飾り言葉をまとめて言う形になっていて

This is a car 〔used by everyone〕.

というような表現を使います。

これが後置修飾の基本です。

●この後置修飾には上記のように過去分詞で修飾するものをはじめ、~ing(現在分詞)で修飾するもの、関係詞を伴う節(関係代名詞や関係副詞などを含む言い回し)や、不定詞で修飾するものなどいろいろな方法があり、

中3では通常 現在分詞・過去分詞・関係代名詞による修飾の形を学びます。

日本語と英語の修飾語の位置の違い

後置修飾でほぼ必ず生徒が引っかかるのが、次のような英文です。

The car used by everyone is blue .

これを訳しなさいという問題が出た場合、よほど英語の得意な生徒でも、最初は「その青い車はみんなに使われていた」というような訳をします。

「それはみんなに使われて青い車だった」とか「その車はみんなに使われて青かった」などという表現も見ることになります。

3つ目の訳は意訳なら正しくなりますが、中学のテストでは不正確としておそらく×になります。

 正解は『みんなに使われたその車は、青いです』になります。

 上手に訳せない原因は、おそらく日本語と英語の根本の違いに由来します。

 日本語の場合、たとえば「〔山田さんが昨日学校の帰りにみんなのためにコンビニで買ってきた〕タオル」というように、かざり言葉(〔 〕内)は、飾られる言葉の前に置かれ、かなり長くても後ろには普通来ません。

 もしこれを英語風に言うと、気障なおじさんという感じの言い方になります。

「タオルね~、山田さんが昨日学校の帰りにみんなのためにコンビニで買ってきたアレね〕」といった感じになるでしょうか。

こういう言い方はもちろん普段使いませんね。だからしっくりこないのだと思います。

単なる「かざり言葉」だということが理解のカギ

このような混乱をなくしていくにはどうしたらいいのでしょうか?

有効な方法は、文を読むときに骨組みになるところはどこかをしっかり確認するというやり方です。

先ほどの文に戻って説明すると

The car used by everyone is blue . という文の骨組みは

The car is blue .「その車は青い」です。

ここで骨組みというのは「要は何を言っているか」という文の要点のことを指します。

ここに気づくと、 〔used by everyone〕 がcar の後ろに修飾語として入っていることがわかります。

それで日本語にする際には逆に「その車」の前に、その修飾語の訳を差し込んで訳せばよいのです。

「〔みんなに使われた〕その車は青い」 となります。

 下記の日本語と英語を比較を見てもらうとわかりますが、

英語は修飾語の後ろに飾り言葉が入り、日本語は修飾語の前に入っています。

 【The car 】〔used by everyone 〕is blue.

「〔みんなに使われた〕【その車】は青い」

 ここで賢明な読者の方は気づくと思いますが、この単元で学習することは、単なる「かざり言葉」の学習です。

 生徒たちはずっと時制を中心とする文の骨組みの方の学習をやってきています。だからここで「かざり言葉」の勉強に入ったということに気づく生徒は少ないのです。

 生徒がどんどん混乱して、終いには何が何だかわからなくなってしまうことが起こりやすい単元なのも、この視点の違いによるものかもしれません。

 だから、この単元で混乱し始めたら、

①まず、文の骨組みを日本語で考え、

②次にそれを飾っている語句がどこに入っているか(被修飾語の後ろ)を確認するようにすれば、

 たいていうまくいき始めます。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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