エコーチェンバー
近年主にSNSでの情報収集の偏りについて
「エコーチェンバー」なる用語を耳にすることが多くなりました。
「エコーチェンバー」とは直訳すると、「こだまの飛び交う部屋=共鳴室」という意味で
閉鎖的な密室空間では、同じような音量・音階の音が繰り返し響き合うということから、
「閉鎖的なつながりの中では、コミュニケーションの結果、同じような言説や考え方が増幅されて強調されていく」ということを指します。
これをSNSに関して説明すると、そもそもSNSは、
メディアと異なり、自分の気に入った考えや情報を与えてくれる人と次々につながることができるようになっているので
特定の考え方や意見・思想を持っている人たちが繰り返し同じ考え方の人たちと、その思考を強調して裏付けし合っていて
あたかも「世界の主流が自分たちの思っている通りではないか」という、情報の偏りによる誤信を生みやすいということが言えます。
これが、実際にSNSで起こっているエコーチェンバー現象です。
フィルターバブル
SNSは今やAIによるアルゴリズムで、その利用者の興味のある分野や行動パターンを読んで、彼の気に入りそうな情報を常時提供していく仕組みになっているので
見たくない情報はさまざまな「フィルタリング」によって遮断され、手に入れたい都合の良い情報だけが目の前に現れる状況にあります。
これを「フィルターバブル」現象と言いますが、
この効果もあって「エコーチェンバー」による思い込みは、実際には大変危険だと言えます。
これによる凶悪な事件なども、すでに起こっているとの指摘もあります。
情報源を意識的に広くすることの重要性
エコーチェンバーは、自分の考えを明らかに狭めてしまい情報の正しい姿をゆがめるものと言えます。
だからSNSを利用する時には、大いに注意が必要です。
情報源を意識的に広くすることが重要です。
具体的な方法としては
「自分にとって愉快でない情報」「自分と反対の意見を伝えている情報」についても、必ず情報として集めるということがとても重要です。
SNSを中心に情報を集めている人も
「テレビは嘘ばかり」「新聞は日付以外全部嘘だ」
なんてことを言わずに、それを見ないまでもせめてネットニュースなどを見て、自分と反対の意見と論拠をを知ることが必要です。
メディアこそがエコーチェンバー化しているのでは?
逆にテレビや新聞だけで情報を得ている人も、今やそれ以上に危険があります。
これら以外の媒体から情報を得ることは、以前よりずっと重要な事になっています。
というのは、日本独自のクロスオーナーシップの許容によって、日本のマスメディアの情報は、ほとんど実質的には反対意見を入れることがない仕組みになってしまっているからです。
クロスオーナーシップとは特定の資本が複数のメディアを支配する形のことを指し、日本以外の海外では禁止されています。
しかしご存じのように、日本では新聞とテレビが系列化していて資本的につながってしまっていて、独自の批判などができない形をとってしまっています。
さらに記者クラブの存在や共同の通信社からの記事の購入などにより
お気づきの方も多いと思いますが、
ニュースはどこの新聞もテレビ局も、大体においては同じ内容、同じような論調になっています。
このような状態の上に昨今の疾病騒動により、異を唱える者は、そもそも媒体に登場できないような形での報道方式が行われるようになっているため
まさに密室空間が生まれていると言えます。
だとすると、その情報のみをうのみにしているのは大変危険な状態であると言わなくてはいけません。
仮に資本支配の背後に大きな力を持つものがいれば
いとも簡単に言論を誘導することが可能な状態になっているからです。
皆さんは「陰謀論」や「フェイクニュース」という言葉を聞かれたことがあると思います。
そういうものに注意をすることはもちろん大切なことですが
それをしきりに強調して唱えているのは、メディアであり
しかもそれに該当するかどうかを判定するのは
メディアが作っている機関であることにも注意することが必要です。
以前も書きましたが、ネットニュースはすでに系列化されたメディアの報道がただWEB上にあるにすぎません。
だから、もしテレビや新聞、そしてネットニュースしか見ていないという方は、
ひょっとしたらエコーチェンバー内にいるかもしれないと思って
試しでもいいので、SNSで気になった言葉を検索してみてください。
想像を超えたレベルで、メディアでは見たことがない情報を目にすることができると思います。
もちろん判断をするのは、あなた自身です。
しかし、判断材料が知らない間に狭められているということだけはぜひ知っておく必要があると思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。