課題が間に合わない
生徒の中には学校の課題がどうしても間に合わず
復習どころではないという生徒がいます。
その理由は色々です。
まず多いのは、やる時間はあるけれどもほかに楽しいことがあってついやり忘れたとか
出さなくてもデメリットはないと思い込んでいて、通知表に1とか2がついて初めて慌てる生徒。
だいたいにおいて普段の学習習慣を勉強に関係があるとも思っていない節があります。
ところが今の学校の通知表の評価においては、
単に定期テストの成績だけではなく、課題の提出などは大きな評価対象になってしまっているので、
こういう状態であれば、当然のことながらよい成績は取りようもなくなってしまいます。
対策が及ばない例
しかし普段の学習に重点を置き換えることで
学習習慣というものは改善をしていくことが可能です。
色々な対策方法がありますが、しっかり長期的な視野を持って対策を考えていけば怖いことはありません。
ところがそんな対策がどうしても及ばないという事例が1パターンあります。
それは「忙しい」生徒です。
単に「忙しい」ことだけでは普通は問題にはなりませんが、時間を上手く使えない生徒がこの状況下に置かれてしまって、周囲がそこに問題意識を持たない場合には、
いくら対策をしても「ざるに水」となってしまうことがあります。
「忙しいと言ったって、たかが中学生ではないか」
そう思われる方は実情をよくご存じない方です。半端なく忙しい生徒が割と多くいるのです。
「大変活動の盛んな部活動に所属して、その上校外のクラブにも参加している」
「さらに毎週複数の習い事もしている」
そんな生徒が実際にはかなりいるのです。
では逆に、そういう「忙しい」生徒が皆学習習慣が悪いかというと、実はそうでもありません。
上手にバランスをとって色々な事をこなしていく生徒ももちろんいます。
しかしそうでないタイプも実際にはたいへん多くいるのです。
時間を上手く使えないうちにそういう「忙しい」状況下に置かれてしまって
物事の順番を考える間もなく、課題に追われ始めてなかなかできず提出が間に合わなくなり始める…。
本人としては「おかしいな?」くらいにしか感じていないので、状況が改善されるはずもなく次々に時間不足が発生してしまいます。
そんな時に追い打ちをかけるかのように保護者の方からの叱責がされると、完全にそういう「忙しい」生徒は詰んでしまいます。
そして結局は、何か重要度が高くないと思われること、「たとえば2週間先の定期テスト」を完全に捨ててしまうのです。
生徒の学習習慣が改善されない場合には、冒頭で述べたように色々な対策がありますが、どうしても途中で改善がストップしてしまう例として、このような状況に置かれる生徒というものが実際にいるということを知っておくべきです。
まずは気づくこと
こういう状況にあっても、多くの場合保護者の方も本人も、過剰に忙しい状況にあるということにすら気づいていません。
「頑張りが足りない」からうまくいかないと思い込んでいます。
しかし部活やクラブで疲れ果てた頭で課題をやっても、その内容がきちんと定着できるかどうかは疑問です。
では休みの日にまとめてやれるかというと、試合や練習があったりしてそういった日もつぶれることは多いのが、こういう場合の特徴です。
ではいつじっくり勉強をするのか?
こういうスタイルで勉強をしていくのならば、やり方は限られてきます。
「学校の授業+課題をやるわずかな時間にしっかり定着できるような方法を用いていく」というやり方もあります。
塾で課題をやって教師が横についてアドバイスをするようなやり方ですが、その気になれば成果を出すことは可能です。
あるいは、早朝に勉強するというようなスタイルもあります。
要は工夫次第なのです。
しかし生徒の忙しさと言うものに気が付いていないと、こういう対策をすることが頭にうかびません。
とにかく時間のたっぷりある他人と同じようにノートをまとめていたりします。
もちろんそんなやり方をしていては間に合うはずもありませんから、定期テスト前に何もかもが集中することになり、結局「あれもできていない、これもできていない」という状況に置かれてしまうことになるのです。
まずは気づくことです。
「子どもに色々なことをマスターしてほしい」
「より多くの良い経験をしてもらいたい」
そう思う気持ちはわかりますが、時間には限りがあります。
限られた時間の中で、疲れた体と気持ちのまま終われるように勉強をしていくことは、
本人にとって過大な負担になると同時に、勉強の楽しさを失わせてしまう要因にもなります。
「忙しくて時間がない」という事に気づけば、大人である保護者や周りの人がやるべきことの優先順位をつけてあげることもできるでしょう。
まずはそれからだと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。