【先生向け指導のコツ】「わからない辛さ」に一番気づけないのが教師だと自覚すべし。

問題は、教師が「教えるほど勉強ができる人」がなる仕事だという点にある

 新学期も始まってからかなりの時間が過ぎて

生徒だけでなく教師も自分のクラスや新しい生徒に慣れて来たころです。

これくらいの時期になると、スイスイと学習を進めている生徒だけではなく、わからなくて戸惑ってしまっている生徒も見られるようになり、

それが重なっていくと教師の目から見て心配になってしまうという事も起こり始めてきます。

 それで少し生徒がやる気を失っていると

新米の先生ほど

「自分が舐められている」

「そもそも勉強のやる気がない奴」

と言う風な感想を持ちがちですが、一旦立ち止まる必要があります。

本当にわからないという事がどれくらい辛いかということを、実は一番体感しにくいのが

教師の仕事に就いた人間だからです。

教師をやろうとする人間は、例外もありますが多くの場合「勉強ができる人」です。

自分が学生時代に授業を聞いていて、周りの人間が「?」と言う顔をしていた時に

「先生、僕分かります」と言って発言をしていたような生徒だったりするのです(もちろん一例ですが)

 だとするとごくごく簡単なことが分からないのは「努力不足」とどうしても見てしまう傾向があると思います。

しかし実は「努力不足」の場合より以前に

教師の側が「わかりやすい」「かみ砕いた」「本人の状況にあった」説明をできていない場合がほとんどではないかと私は思っています。

生徒の手が止まっている理由

 演習している生徒の手がふと止まるときがあります。

そんなとき教師はいろいろなことを考えます。

 普通の教師であれば、「何かわからないことがあるのかな」と思います。

 思い込みの激しい教師だと、「あいつやる気ないな」と判断するかも知れません。

 しかし、判断する材料がそろっていないのに、理由をこちらの考えで決めてしまうことは一番いけません。

もしその生徒の態度が普段きわめて悪く、素行に問題があったとしてもです。

常にその瞬間瞬間の目の前の生徒を見て判断すべきです。ここはとても重要です。

状況は千差万別

 たとえば中2で習う連立方程式の問題を生徒が解いていたとしましょう。分数が入った計算問題です。

 この問題を前にして、生徒の手が何でストップしているか、原因がどれくらい想定できますか?

実は想定できる理由は、非常にたくさんあります。

まず、学習内容面で考えると、

①加減法の手順自体がわからない。連立方程式の仕組みがわからない。

②分数のある式をどう処理したらいいかわからない。

③分数の処理だとわかるが、最小公倍数がわからない。

④一次方程式の解き方を忘れている。

⑤方程式と式の計算が混乱していて通分しようとしてわからなくなっている。

⑥分数の計算自体を忘れている。

⑦分数を処理しないまま計算して加減できなくなっている。

⑧加減法を使う際の係数の揃え方がわからない。

⑨係数をそろえずやってしまって答えが出せなくなっている。

 まだありますがこれくらいにして、

このほかにメンタル面で何か悩んでいるということも考えられます。

⑩成績が振るわなくて心配になっている。

⑪家庭で保護者の方に叱られた。

⑫友達とケンカして悩んでいる…。

他にもたくさんの原因がありえます。

⑬体調が悪いということもあります。

どうでしょうか?教師であるあなたは、生徒の手が止まっている理由をいくつ想像できましたか?

 そして、生徒の手が止まっている理由に合った対策を必ずしてあげられますか?

生徒の困っているポイントを何とかしてあげることが指導

 あなたが足にけがをして病院に駆け込んだとします。

 その時に担当の医師が、胸のレントゲンを撮ったり、検尿をして毎日の生活のことを聞いてきたり、食事は規則正しく取りましょうなどをいう話をしてきたらどう思いますか?

 当然怒りますね。

 生徒の困っているポイントを外して指導をするというのは、そういうことだと思います。

 自分が悩んでいるところがすっきりしない、これほどイライラすることはないでしょう。

ポイントを外した指導は教師にとって致命的な失敗だと思います。

今その生徒に必要なことをする

 ところがどうでしょう?

 世の多くの教師は、自分の教えたい内容には力が入るものの、

それぞれの生徒がどこで悩んでいるかを逐一リサーチして、それに合った指導するということができているでしょうか。

 わたしたちのやっている個別指導はこの点、ひとつずつ生徒の悩む点を解消していける優れた指導法ですが

その中でも、教師が常に生徒が困っていることは何かを意識してリサーチしていくという姿勢は大切です。

 指導の進行ばかりを気にして進めていけば、個別指導であっても生徒の困っているところを飛ばして進んでしまう危険はあります。

 生徒の表情を見れば、そしてやさしく問いかければ困っているポイントも見えてきます。

冒頭の例で挙げたように、これに違いないと決めつけてしまうことが一番良くありません。

 先を急ぐ必要はありません。

 どうか、生徒のために一人一人に教師が寄り添って、本当に必要なことを的確にアドバイスしてあげてください。

そして生徒と良い信頼関係を築くことで、生徒の未来に貢献できる指導を行ってください。

今後も皆様のお役に立つ情報をアップしていきます。

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