接尾語とは
小中学校の漢字の熟語の学習で繰り返し出てくるのが接尾語です。
接尾語は、単独では単語として用いられないが語幹などの単語のメインの部分に付けられる事で意味を加えたり添えたりするものです。
たとえば「子どもたち」の「たち」や「寒さ」の「さ」などのように単語の中で意味を加えるため独立の語ではありません。そのため厳密には接尾辞と言う呼び方があります。
学校で普通学習をするのは、漢字の熟語の中でこの接尾語(接尾辞)が使われている場合です。接尾辞全般を学習すると、かなり広範で難しくなってしまうからかも知れません。
「的」「性」「化」
このような形で学習する接尾語の代表的なものとして「的」「性」「化」などがあります。
そして三字熟語で出てくることが多いです。
「的」ならば、具体的、立体的のようなもの、「性」ならば、協調性、論理性など。
「化」ならば、少子化、都会化という具合です。
しかし二字熟語でも聞かれることがあります。
これが結構頭に浮かびにくくて生徒たちを困らせることが多いです。
二字熟語の「的」「性」「化」
どうでしょうか。
「的」「性」「化」が含まれる(後ろに付く)二字熟語を思い浮かべることができますか?
まず「的」が付くものとしては「私的」「知的」や「美的」などがあります。
言われれば「ああそうか」と思うかも知れませんが、ぱっと浮かぶかと言われればなかなか出てこないかも知れません。
次に「性」が付くものとしては「知性」「理性」「個性」など、これもなかなか自分からは浮かびません。
以前生徒数人が何かの問題で、クロスワードパズルのようになっていて、「理性」の「理」だけ抜いてある問題について、そこにいる誰もが解けなくて四苦八苦していた所、私が正解を言ったら、
「えっそういう解答?」と言って意味がよくわからなかったことがあります。
その時には、二字熟語ということと「性」という接尾語の組み合わせは、それが接尾語の一種だというあたりから結構わかりにくい感覚になっているのだろうと思いました。
最後の「化」が付くものは、この中では比較的浮かびやすいと思います。「緑化」「酸化」「難化」などが挙げられます。
「然」が付く二字熟語
「然」も接尾語として出てきますが、これはむしろ二字熟語の方が多く見られます。
「自然」「偶然」「歴然」などですが、「自然」の「然」が接尾語として意識される場合も少ないかも知れません。
こういうのは学習と言うよりもクイズで出題するのが適しているような気もします。
「『( )然』のカッコに入る漢字はなーんだ?」という感じでしょうかね。
接尾語ではない場合にご注意を
最後に、たとえこのような漢字が二文字目に付いていても、必ずしも接尾語ではない場合がありますので注意が必要です。
「変化」は「化」の文字が付いていますが、「変」も「化」も似た意味(類似)であるため、そういう似た意味の漢字の組み合わせによってできた二字熟語になりますので、接尾語によって前の文字「変」に意味を添える形の熟語ではありません。
接尾語になるには、前の漢字に対して何か意味を加えたり添えたりすることが重要なポイントなのですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。