【受験の鉄則】常にあなたが目指す点数は「満点」ではなく「合格点」です。難問に関わるほど不合格は近づきます。

受験に対する勘違い

 私がすでに受験指導を始めて30年以上の年月が経過していますが、長い受験指導経験で一番確かな事として言えることがあります。

それは「難問に関わると不合格が近づく」という受験の鉄則です。

 これは試験会場ではもちろんのことですが、試験の準備段階でも間違いなく言えることです。

 試験での正答率が10%とか20%なんていう問題は、そもそも気にする必要はなく、逆に「正答率が80%の問題を1つでも落としたら泣く」というくらいの意識が受験勉強では大切になります。

なぜならば、みんなできないその一問題を正答出来たら、それは受験者にとっては誇りになるのかも知れませんが、試験官がほめてくれるわけではありませんし、逆にそういう難問チャレンジをさせる試験などというものは、そもそも普通にはあり得ないからです。

 もしも、あなたが試験を主宰する側であったと考えて見てください。

誰も解けない問題を1問正解しているが、基本知識については沢山落としてしまっている受験生と、基本問題はパーフェクトにできているが、難問は不正解の生徒の、どちらが今後自分の学校に来て伸びると思いますか?

勘違いして欲しくないのは、これは我が国の教育の弱点としてよく言われる、抜群の能力があってもオールマイティ-でないと高等教育に進めない(数学の天才が英語ができなければ高校へも入れない)という問題とは別次元の話ということです。

数学の天才は基本問題など当然パーフェクトに解きます。基本ができない人間を天才とは呼びません。

 そう考えてみると、どのような場合においても試験では、「基本を理解して正解する」という事に主眼が置かれるのが当然であるということに考えが至ります。

その結果、私が見てきたように「難問に関わると不合格が近づく」という事が、試験の本質を示している現象であるとわかることになる訳です。

満点を取ることが目標ではない

 どんな試験でも、試験には合格点があります。

 もちろん全問正解をすれば、どんな試験にも合格するので、理想は満点を取るということかもしれません。

 けれども満点を目指して勉強をすることは、受験の学習戦略としては良い戦略とはいえないと思います。

 多くの場合試験を作成する側は、問題の難易度にばらつきを作って問題を作成します。

 そして良い試験であればあるほど、難問と易しい問題の差を大きくして、しかもそれを織り交ぜて出題をしてきます。

 たとえば難易度の高い国家試験などではよく見かける例ですが、最初の数問に非常に難易度の高い問題を持ってきて、受験生の出鼻を挫くというやり方があったりします。

 これは、出題者は受験者に合格点付近の得点を取らせることを想定していて、端からそれ以上の得点を取らせるつもりでは問題を作っていないということだと思います。

 満点狙いの学習をすると、たとえば大学受験でも国家試験でも、こういう難易度が高く、そもそも出題者が正解を出させるつもりがないような問題にどうしても目が行ってしまいます。

 そのために本来しなくても良いようなところを勉強してしまうという危険があるのです。

合格点を取るための具体的な対策をする

 ではどのような学習のやり方がよいのでしょうか。

 それは合格点を取るための学習です。

 このラインなら合格するという得点(目標合格点)を確認して、そのためにはどのような問題をどれくらいの正答率で解答できるようになるのかを考えて対策をするのです。

 そうすると、合格点と言うものは、意外に工夫をすれば取ることができるということに気づきます。

 そうです。「満点を取る」ことを目指すという学習法は、対策としては非常に甘い対策をしているということなのです。

 具体的にどうすればいいかということになりますが、それはいくらでも方法があります。

 模試の結果をよく見ると、大体の場合正答率などが出ていて、自分がどこを補強していかないといけないかがわかるようになっています。

 また高校受験や大学受験の場合であれば、塾の先生や家庭教師の先生に、自分がどれくらいの得点をすれば志望校に合格できるかを知ることができます。

目標を決めてそれから逆算して学習を行っていけばよいのです。

 試験勉強では自分の能力を最大限に発揮できるようにしていかなくてはなりませんが、時間は有限です。合理的な学習をしていくための一番重要なポイントは、「バランス」だと思います。

 偏ったことをやっていると、それがいかに高度な内容でも試験の合格には1つも役立たないということがあります。

 逆に「試験に合格する」と言う目的にぴったりあった学習をすれば、短期間で合格のための能力を備えることができます。

 学校の成績はまた別の話になりますが、単に受験に合格するためと言うことであれば、

試験に出ないことはやらない

合否に関係しないことはやらない

合格点をどうしたら取れるかをとことん考える

ということをしっかりやれば、合格の可能性は飛躍的に上がります。

 一般に大学受験で失敗をする生徒の敗因を分析してみると、不合格になる生徒は、学校のカリキュラムや予備校のカリキュラムに乗っかっていれば自然と合格すると思っていて、

 この「『自分が合格点を取るための対策』についてよく考えていない」という場合が実に多い気がします。

 「自分の試験対策をする」結局これが試験合格の一番のカギということになるのだと思います。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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