【単語と漢字の違い】知っていますか?「なぜ単語は覚えられないのか」

間違いだらけの単語練習

 よく生徒が単語の宿題をやっているのを見かけます。

一生懸命単語を書いています。同じ単語を10個も20個も書きます。

私が横で見ていて「こんなので覚えられるのかな?」と思って、3~4個前に書いていた単語を書かせます。

案の定書けません。単語が書けないというより、そもそも最初のアルファベットが出てこなかったりします。

 こんな練習は本当に時間の無駄だといつも思っています。

合理的な方法を生徒に教えますが、多くの場合学校の先生によってやり方をそのように指定されていて(指定されていると思い込んでいる可能性もありますが・・・)違うやり方を受け付けません。

それでいて「単語がなかなか覚えられなくて」などと言うのですから噴飯ものです。やり方を変えない限り単語が覚えられるのは単なる偶然になってしまうはずです。

合理的な単語練習

 単語に限らず暗記をする場合には、同じものを連続して書いたりするのは基本的には意味がありません。まあ漢字を間違えた際に確認のため数回書いてみるというのなら話は別ですが、ノートにずっと同じ単語を書いていくときには、おそらく3回目くらいから脳は働きを止めます。

その後は作業になります。実に楽な潜在意識が体を動かしてくれる作業です。

話をしながら運転したら家に着いたというような事と同じです。運転について顕在意識では全く思考をしていませんが、自動的に身に付いた動作を潜在意識が行うように促してくれているのです。

しかしながら単語を潜在意識が書かせてくれていても、潜在意識に織り込むというような特徴のある行動ではないので、おそらく全く何も記憶が作動することはないのでしょう。

その証拠に4回目以降くらいで単語が形を変えていくことが多々起こります。

speak speak speak speek speeku ・・・みたいな感じです。

これでは本当に何のためにやっているやらということになります。

 合理的な方法は、同じ語を連続させず、なるべく複数の英単語を同時に覚えていくやり方が良いとされます。

たとえば10単語を同時に覚えるのです。ノートに書くのであれば、まず縦に10単語を書き、それを横へ向けて単語→訳→単語→訳→単語・・・というように正しい語を見ずにテスト形式で書いていきます。

当然途中でもう大丈夫という単語がでますので、そういう単語についてはそこでストップします。

そしてなかなか書けない単語だけ続けていきます。

すべて書けるようになったら次の10語です。

 このやり方は私が中学校の英語の先生が指導してくださったのを少し自分でアレンジしたやり方ですが(できたらストップと言う点を加えた)

このやり方を始めて以降単語で困ることは一度もありませんでした。

慣れてくれば別にノートではなく指で書けるか順に試したり、頭の中で書けるか試せばいいので、ノートに延々と書く作業などは不要になります。

 なぜ学校で英語を教えている先生がなぜノートに同じ単語を書かせ続けているのかは、昔から私の学校に対する最大の謎になっています。

おそらく「ノートを決まった量書かせて成績判定の題材にしやすくする」ということと「単語ができな生徒に書き賃としてポイントを与える」「自分がチェックが楽」というような事が理由にあるかと思いますが、それは指導と呼べるものではないような気がします。

とにかくそういう宿題は廃止してほしいものです。百害あって一利なしだと思います。

なぜ英単語は覚えられないのか?

 それにしても「なぜこんなに英単語が覚えられないのだろうか?」生徒の中にはそう疑問をもった人は数限りなくいるはずです。

漢字は書き取りをすればだいたい覚えられたのに、英単語は書いても書いても覚えられないという実感があるのだと思います。

上記の悪い宿題の出し方などは、この疑問に対して「練習が足りない」「努力が足りない」などど言いそうな先生がやっている気がしますが、決してそういう問題ではありません。

それは漢字と言うものが「記憶に残りやすい特徴」を持つものに対して、英単語が単なるアルファベットの羅列であり組み合わせに過ぎないことに原因があります。

日本人にとって極めて「記憶に残りにくい」ものだからです。コツをつかめばもちろん別ですが、それ以前の段階ではお経を覚えるのと同じ、いや電話帳を覚えるのと同じかも知れません。

だから「音に出して覚える」「文脈の中で覚える」というアドバイスが成立するわけですが、

アルファベットは全部で26種類ありますから、たとえば最初がaで始まる3文字のアルファベットを使った語ができる組み合わせは、1×26×26で676通りになります。

だから「ええと最初はaで次は?」と悩んでも、その生徒が3文字正しく書くことができる確率は676分の1しかありません。

これでは難しくなるはずです。記憶の手掛かりと言うものがどうしても必要です。

しかし単純に繰り返して書くという練習で一番見つかりにくいのが、この記憶の手掛かりです。

なぜかというと脳を使わずに書いているからです。

だから私が用いたような方法で「自分の頭で書けるかチャレンジしてみる」ことを複数の単語で繰り返す方が断然合理的だということになります。

一度試してみてはいかがでしょう。

もし学校の先生に「やり方が違うぞ」と言われたら「僕はこのやり方が覚えるのには良いやり方だと思います」と言い切っても大丈夫です。

勉強をするのも結果を受け入れるのもあなた自身です。先生は単なる脇役に過ぎないのですから・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA