【入試の作文】出題者の「書かせたい事」をピッタリ書けば満点が取れる。

入試の作文

 長く受験指導をやってきていますが、作文問題ほど受験生が入試を勘違いしがちなものはありません。

「自分は作文が苦手だから」と言って最初から放棄してしまう生徒が多い反面、逆に「作文で何とか高得点を取ってやろう」という作文自慢の生徒もいたりします。

でも実際には、作文が得意な生徒もちょっとしたところで大きな減点があり、「自分は受験の作文には向いていない」なんて漠然と思ってしまったりしています。

これはすべて入試の作文を文章力を問われる高尚な試験問題だと勘違いしていることから起こることであると言えます。

今回は入試の作文が思っているよりずっと取り組みやすく、また簡単であることをお話したいと思います。

受験国語の作文は自由ではなく答えが決まっている

 高校受験の国語の出題の中で出てくる作文問題は、短い時間でまとめなくてはならない上にいろいろな条件が課せられているため、苦手な生徒が多い問題です。

 「作文が得意な生徒はこういう問題は得意なんだろうな」と思っている生徒が多いのですが、実はそんなに単純ではありません。

 もちろん比較的作文力がある方が正答率は高いということは間違いないですが、逆に作文に自信がある生徒が失敗する例も多いのが、この作文問題です。

 というのは、自信がある生徒は「採点者をうならせてやろう」というような気持で、出題の意図と外れた突っ走った作文を書いてしまう場合が時にあるからです。

 ここで、作文が「問題」として出題されているということの意味を考えてみましょう。

 単に「作文」をしなさいというのではありません。作文「問題」として出題がされているのです。

当然「問題」であれば、「模範解答」があり「採点」があります

 そして採点者は非常に多数の答案を採点しなくてはなりません。

 必ず一定の基準を設けて、枠から外れた答案には点数を与えず、想定された模範答案に近いものには良い得点を与えるようにしたいはずです。

 県によっても学校によっても違いますが、

たとえば、

「あなたの考えを書きなさい」

というような単純なものは少なく、

「あなたが体験した具体例を挙げて、この考えに賛成かどうか、理由をつけて述べなさい」

というようにできるだけ書く内容が広がり過ぎないように制約を課しています。

さらに、

「本文中にある「現代的な」「科学技術」「危険」という言葉を必ず用いること」

というような条件を入れている場合もあります。

 こうして、解答として書ける内容や書き方はかなり制約ができるようになるため、実際の答案も無限に自由に書かれることはなくなるのです。

何を書かせたいかを読み取る力が必要

 こう考えて見ると、作文問題で求められていることは、

 実は

「出題者が受験者に書かせたいことを想像して、できるだけピッタリに書きなさい」

ということであることになります。

 それで何が言えるかといえば、

「書くべき内容面はほとんど決まってしまう」という事実です。

実際模試で書かれた答案を見ると、似たようなことを書いたものばかりになってきます。

 当然ですね。そのようになるように出題の工夫をしているのですから。

答案の半数が形式面を満たさないことも

 たとえば愛知県高校入試では伝統的に「要約作文」が出題されていました。令和5年からはマークシートになったので出題がなくなりましたが、多くの人がこれには頭を悩ませてきた歴史があります。

 出題方式は、筆者の考えをまとめて要約するという形式の出題で、大体文頭の部分は、固定の書き出しで書くことが求められていました。

たとえば「筆者が〇〇を通じて述べたいことは…」というような書き出しが決められているのです。

 ところが実際の解答を見ると、文の終わりが「~と考えている」とか「~ではないかと言う」とか言った具合のものを非常にたくさん見かけました。

このような書き方では、文頭と文末の対応が合っていません。

このような書き出しの場合、「~ということである」というような文末である必要があります。

書き出しに対応した終わり方である必要があるからです。

 この点のミスを誘うことが、この要約作文の裏テーマではないかと思うくらいに、このミスが多いのです。 半数以上がこの点で✕になってしまうこともよくあります。

形式面をクリアできれば、そんなに難易度は高くない

 この他にも形式面として、「てにをは」つまり助詞の使い方が正しくない場合誤字、脱字原稿用紙の使い方の誤り単純な漢字の誤り指示された条件を守らない 等々非常にいろいろなミスがあります。

 内容をきちんと見てもらえる答案になる前に脱落してしまっている答案が実に多いのです。

 だからこういう作文問題は、形式面をきちんと満たす練習をすることで簡単に勝負の土俵に上がることができます。

 そして上記に書いたように、どのような作文問題でも実は内容面のレベルは実は高くありません。なぜなら深い作文力を問う問題を出せば、逆に審査や判定が非常に大変になってしまうからです。

だから、ある程度決まった判断基準で優劣をつけるようにすると、まず形式面で要件を満たすかどうかをチェックして絞り込んでしまうという方法がとられるのです。

 作文問題というと何か作文力を審査するようなイメージですが、小論文などとは全く異なります。

このような作文問題は、解答のやり方をしっかりマスターすれば、ほぼ100%正解を出せるようになるタイプの問題なのです。

 一度そういう視点で問題を読んでみるといいと思います。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしてまいります。

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