よく聞くのに・・・
私たちは日常生活を送っていて、実に色々な言葉を耳にします。
しかし、意外にもその言葉の正しい意味を知らずに、フィーリングで使っていることも良くあります。
それである時、他人と話をしていてふと全く違った意味であったことに気づいたりすることもありますね。
今回は「佇む」「佇まい」の意味についてお話をしてみたいと思います。
「佇む」
「佇む」は「たたずむ」と読みますが、たとえば「彼女はそのバス停に佇んでいた」というような使い方をします。
その意味は普通には、A「しばらくその場所に立っている」ということです。
「ずっとそこに立ち止まっている」という事でもありますが、「立ち止まる」という言葉とはニュアンスが完全に一致するものではありません。
「立ち止まる」も、①「その場所でずっと立っている」という意味がありますが、それとは別に②「歩いていてそこで止まる」という意味もあります。
むしろ②の方でよく使われるのではないでしょうか。
「その場所で彼は佇んでいた」「その場所で彼は立ち止まった」最初動いていたのが確実なのはどちら?
そう聞かれたら、「立ち止まった」の方だという事になります。
こう聞かれたら、
ただし「佇む」には別にB「そのあたりをうろつく」という意味もあります。ただ実際には「ずっとそこに立ち止まっている」という意味の方で使われることが圧倒的かと思います。
筒井康隆氏の『佇むひと』
有名な筒井康隆氏の『佇むひと』という作品があります。
ネタバレするので書きませんが、ここに出てくる「佇む」というのはまさに「ずっとそこに立ち止まっている」という意味かと思います。
その「佇む」という言葉に深い意味が込められているように私は感じました。
いろんな作品のタイトルにはその作者の深い思いがきっとこめられているのでしょうね。
「佇まい」
また「佇まい」と言う言葉もあります。
「佇む」が動詞ならば「佇まい」は名詞形と言えばよいでしょうか。
だからそのまま考えると「佇まい」は「そこにずっと立ち止まっていること」になりそうですがそうではなく、むしろA「立っているようす」という意味があります。
そしてB「暮らし方」という意味もあります。
よく「お家拝見」というような番組で「森の中の風流な佇まい」と言った感じで使われるのはAの意味ですね。
このように日常で使われる言葉でもその意味をすべて把握できていないなんてことはよくありますが、少なくとも全く違った意味で覚えておくとちょっとしたときに恥ずかしい思いをしてしまうこともあるので、注意が必要です。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。