「泥濘」(ぬかるみ)
最近テレビドラマでもこの熟語を使ったタイトルのものがありますが、「泥濘」は「ぬかるみ」と読みます。
意味は「泥状になっている場所のこと」を言います。つまり「ドロドロ」状態の場所ということです。
「泥濘の食卓」というのは、ドラマのタイトルとしてはなかなか斬新なもので関心しましたが、読めなかった方が大半だったかもしれません。
「泥」は「どろ、デイ」などが読みであり、「濘」も「どろ、ネイ」などと読みますので、「泥濘」をそのまま読めば「どろどろ」とか「デイネイ」になりそうです。
でも二つの漢字を合わせて「ぬかるみ」と読みます。こういう読み方をする熟語やその読み方自体を熟字訓と呼んだりします。たとえば「五月」を「さつき」と読んだりするのは有名ですね。
「泥鰌」(どじょう)
「泥」を含む熟語にはちょっと読めそうで読めないものが割とあります。
「泥」と言えばやはりまず浮かぶのが「ドジョウ」ですが、漢字では「泥鰌」と書きます。
「鰌」の字は単独でも「どじょう」と読みますが「泥」がついて「泥鰌」とも書きます。
普段あまり使わないですが、料理屋の壁に「泥鰌」と気取って書いてあったのを見たことがあります。
そんなときにデートだったりすれば、それをネタに話が弾むのかも知れませんね。
「拘泥する」(こうでいする)
「拘泥」(こうでい)も読みにくい感じです。その割にこれを使ってくる人が結構いるので、読まなくてはいけない場面は結構あり、特に文章を編集する方は必ず知っておかないと困るかも知れません。
「拘泥」の意味は「こだわる」ということです。
「おい山田君、ここちょっと声出して読んでみてくれる。イメージを固めたいから」
「はい」
「ええと、彼女はそんな小さなことに『こう…どろ…??』」
「おい早く読めよ」
「す、すみません。これなんて読めば?」
「『こうでいしないで』だよ、君はそれでも編集者か!」
なんてことになったりしかねませんので・・・
「雲泥の差」(うんでいのさ)
「雲泥」は「うんでい」と読みますが、これも読めないという人が結構いるかも知れません。
やはり「泥」の読み方の一つの「デイ」というのがイメージできないからでしょう。
「雲泥の差」(うんでいのさ)は「大きな違いがあること」を言います。
「雲」と「泥」が大きく違うという事からでしょう。雲は高みにありすばらしく、泥は地上でドロドロでという事だと思いますが、それでは泥鰌の立場がないってものですよね。
熟語には意外に読めないものがあります。でもちょっと調べてみると色々な逸話があったりして面白いですよ。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。