【大晦日(おおみそか・おおつごもり)・晦日(みそか・つごもり)の語源】意外に知らない「月の満ち欠けと太陰暦のこと」

晦日(みそか)= 三十日

 「大晦日(おおみそか)」は12月31日のことを指す言葉です。そして詳しい人なら普段の月の最終日の事を「晦日(みそか)」という事もご存知かも知れません。

 これらは私たちが何気に使っている言葉ですが、なぜ「晦日(みそか)」とか「大晦日(おおみそか)」という言葉が、こういう特定の日にあてられているのかについては、実は良く知らないという人がほとんどではないでしょうか。

 晦日の語源は「三十日」にあります。三十日は「さんじゅうにち」とも読みますが「みそか」と読むことができます。もともとはこの漢字のように「三十日」が「みそか」で「晦日」でした。

しかしいつの間にか、31日でも29日でも、月の最終日のことを「晦日(みそか)」と呼ぶようになったようです。

「晦」の文字

ところで「みそか」にあてられた「晦」の漢字はどういう意味があるのでしょうか。

「晦」の読みは「みそか」の他に「つごもり」とも読みます。「つごもり」は「月隠り」とも書き月が隠れていることを示します。こちらは月の最終日の意味の他に「月の下旬の10日間」も指して使われていました。

これは、わが国で以前使われていた太陰暦においては、月の満ち欠けが日付と連動していたことから月の下旬は月がだんだん欠けていく時期になるのでそう呼ばれていたのだと思われます。

 このように太陰暦が月の満ち欠けと連動した暦であったことが、晦日(みそか・つごもり)の言葉と関連していたのですね。ちなみに15日が満月に当たっていたということで、ここから「十五夜(じゅうごや)」という言葉も生まれました。

同様に「晦(みそか)」の漢字自体にも「日や月が隠れる」という意味があり、この漢字自体で「くらい・くらます(晦い・晦ます)」とも読みます。

皆さんもお読みになったことがあるかも知れませんが、樋口一葉の小説に「大つごもり」という有名な作品があります。貧窮する生活の中で暮らす市井の人々の心境を鮮やかに描いた名作ですが、このタイトルである「大つごもり」は、つまり大晦日だということになります。

太陽太陰暦

 すでに述べたように我が国では、現在の太陽暦を採用する前は太陰暦を用いていました。太陰暦というのは月の満ち欠けとダイレクトに連動している暦で、日付を見れば月の満ち欠けがわかるというなかなか優れものの暦でした。

ちなみに月の15日が満月で十五夜、月末の晦日が三十日月(みそかづき)の夜となり、新月(月が見えない状態)の直前となり、翌月の1日に新月を迎えるという循環になっていました。

しかしこの暦だと、季節と月が年ごとずれが生じることがあるため、閏月(うるうづき)というものを設けて調整をしていました。正式にはこのような暦を太陽太陰暦と言います。

閏月を設けない太陰暦を純粋太陰暦もありますが、ちょっと実際には不便だったんでしょうね。

 私たちがごく当たり前のように使っている言葉にも、古くからの由来や意味が色々あります。色々調べてみるのも面白いですね。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

 

 

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