IITS/インド工科大学
今世界で最も合格が難しい難関大学と言えば、Iインド工科大学(IITS)が挙げられるでしょう。
インド工科大学はインドの16の国立大学の総称で、インドが独立した後、科学者と技術者を育成するため国策で設立された大学群です。
英語表記では、Indian Institutes of Technology・略称IITS(単体の大学の場合はIIT)という名称になります。
インド工科大学からはグーグルのCEOやソフトバンクの副社長や世界的なIT企業の首脳が多く輩出されています。
今や世界の最先端を行く才能を世に送り出している大学であると言えます。
世界中のIT企業がIITSの卒業生を獲得しようとしていると言われるくらい優秀な人材を生み出す大学となっています。
競争の激しさ
インド工科大学への入学の競争の激しさは大変なものです。
インドは人口が多い国であるので競争率も高くなるのは当然ですが、今も根強く残るカースト制による格差を乗り越える機会と考えて受験を志願する若者も多いようです。
倍率は100倍、単体の大学を見ていくと60倍程度のところもあるようですが、とにかく大変な倍率です。
私が受験していた旧司法試験が50倍程度でしたので、大学に入学するためだけの倍率としてはケタ違いの倍率であることが分かります。
ある村の人口の1割が受験をしていたなんて話もあり、卒業後の約束された人生を夢見てたくさんの若者が合格を目指します。
インドでは、IITSに合格できなくて、仕方なく世界一有名なアメリカの名門大学マサチューセッツ工科大学(MIT)へ進学する者さえいると言われています。
東京大学に合格することなどは、IITSの受験と比較したらずいぶん易しいことになってしまいます。
そして彼らは合格後も猛烈な勉強をします。
このあたりの話は、大ヒットした映画「きっとうまくいく(原題 3idiots)」をご覧になると良いと思います。大変良い映画です。
この映画で描かれているICE工科大学は、おそらくIITをモデルにしたものだと思われます。
競争は悪ではない
競争というと他人を蹴落とし自分だけが勝てば良いというイメージがどうしてもついてきます。
これがスポーツであれば、お互いに相手を称えあったりするイメージも持たれるのですが、学業の場合マイナスイメージを持たれることもあります。
しかしその先に世界に貢献する人材の輩出ということがあるならば、学業のこういう競争もプラスの面があると思います。
かつては日本の大学もそうでした。
帝国大学に入学して日本や人々のために役に立つことをやるんだという若者が青雲の志を抱いて勉学に全力で取り組み激しい競争をしていました。
日本の大学は世界から教育機関としても研究機関としても高く評価をされていました。
しかし今はアジアの大学にその地位を取って代わられつつあります。
簡単に言うとハングリー精神ということになるかと思いますが、
私たちはもう一度この言葉の意味を見つめなおす必要があるかも知れません。
インド工科大学を見てわかることがあります。
重要なことは、競争というよりもモチベーションです。
高い理想を掲げてそれに向かって競争をするからよい結果が出ているのだと思います。
わが国の受験に欠けているものは
未来に向けてのビジョンなのかも知れません。
不景気が長く続き、国民全体が自信を失っています。こんな時代だとどうしても受験の動機は「安全な就職」ということになってしまいます。
でもほんのわずかでも
「自分が世界を変えてやろう」
「日本を良い国にしたい」
「世界に貢献したい」
そんな夢も持って受験をする人が増えれば、
インドに負けない未来がやって来るかもしれません。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。