学校休校の影響
今年は学校休校が長く続いた関係で、受験生は受験へ向けての見通しも立ちにくく、不安になられている方が多いと思われます。
休校が解除になって学校が始まっても
私たちの得ている情報では、
地域により学校により学習の進度がさまざまで、
①休校中の課題単元をすでにやった前提で進んでしまう形
②休校中の課題単元を軽くやってすぐテストにして、例年の進度に戻してしまう形
③前年度の学習内容からすべてやり直す形
④例年の進みの単元のところにいきなり飛んでそこから進む形
などの対応があります。
おそらくお子さんの学校のやり方はこのどれかに当てはまると思います。
①②の形は確かに形式的には例年のように進みますが
もちろん生徒にとっては穴だらけになってしまいます。
またその軽く通過した単元が次の単元の前提になるようなものであると、
その後の学習にも大きな影響を及ぼす危険があります。
実際、あっという間にテストが告知され
「まだ何も分からない」という時期に「明日はテスト」という状況を何回も目にしています。
実際には生徒には早くから告知があったのかも知れませんが、進度から見て無茶なテストが実施されているのは間違いありません。
逆に③などは良心的ですが、それで遅れた分はいつ取り戻せるのかという不安もあります。
6月の中旬に前学年の単元を学習していたくらいですので、生徒もさぞ不安だったでしょう。
同様に④の場合は飛ばした単元をいつフォローするのか気になります。
そしてさらに文科省から、家庭学習を単元の学習の一部として扱える旨の発表もありましたので、
どう考えても穴ができることは必定です。
理想通りに家庭学習で学校でしっかりやらないところをフォローしていけるなんていうことは
よほど学習習慣が万全の生徒でもなかなか難しいと思うからです。
夏休みが短いということ
普通であれば、夏休みにそれまでの取りこぼしを復習してということになるのですが、
残念なことに、今年は夏休みが短縮される学校がほとんどだと思われます。
半月くらいの期間しかありません。
でも、学校のやり方や文科省の考え方を見ていると
どこかでこのギャップを埋めてくれることは期待できないと感じています。
これは皆さん今回の新型ウィルス問題で実感されたことと相通じる面があるような気がします。
学校行政を行っている方自身がどうしたらいいかわからず右往左往しているというのが現状ではないかと思います。
だとすると自衛するしかありません。
学校で穴になってしまっているところは
この夏の間に何とか対策をするしかないと思います。
具体的には
7月に定期テストがある学校は、テスト後の7月と8月の一旦進みが緩くなるときに
急ぎ穴をふさぐ学習を行う必要があります。
ただ同時に3年の受験対策のスタートとしてこの時期は重要でもあります。
たとえば社会では多くの学校がすでに公民に進んでいますが、
地理や歴史は受験まで学校では再度学習をしない上に
横断的な問題が受験では出題されるので
独立してしっかり復習を開始しなくてはなりません。
他にも受験へ向けて休校期間中以外の部分での、これまでの復習も必須となります。
なのでこの時期は余程計画的に学習を進めていく必要があります。
先送りはしてはいけない
長年の受験対策経験から言わせていただくと
夏の期間にきちんと無駄のない復習をしたことによる威力というのは
受験全体に大きな影響をもたらし、受験生を有利に導くことは間違いありません。
確かに高校受験程度の内容量なら
客観的には秋からでも、それこそ冬からでも
上手に追い込めば逆転合格なども可能ではあります。
でも実際にはやはり夏から適正な復習をして、うまく滑り出した生徒には余裕が生じるのも事実です。
7月8月は受験直前期になって慌てずに済むためのスタート時期と言って良いかもしれません。
例年でさえそうですから、すべての中3生が休校により前からのハンデを背負ってしまっている今年は、なお一層この時期の計画が重要になります。
計画の立て方
計画を立てる場合には次の要素をしっかり配分して日程にあてはめていくことが重要です。
■休校から現在までで不安な単元のやり直し
■1・2年の全般的復習(一通りは通る)
■3年で今後学習しない地理・歴史の受験向けの横断的学習の開始
■7月に定期テストがある場合は、その短期対策
これら4つのポイントを78月の計画にバランスよく組み込で計画を立てます。
学校からもたくさんの課題が出てきますので、
課題についても、これのどの要素に当たるものかを意識して逆に自分の学習に利用するくらいの気持ちで計画すると良いでしょう。
地理・歴史の横断的学習については、また稿を改めてお伝えしたいと思います。
*青雲学院では7月定期テストへ向けての対策講座や夏期講座を特科として開催し、その中でこの時期の学習の進め方のアドバイスも十分に行います。
必要とされる方はぜひご相談ください。https://jukennoseiun.com/【受験の青雲学院】