よくある保護者懇談の例
保護者懇談の時期になりました。
保護者の方は、いろんな想いを胸に面談に向かうことと思います。
前の面談が長引いていて、それを廊下で待っていたりするのですが
会話が一部聞こえてきたりして、少し不安になったりします。
私の経験から言わせてもらうと、学校や先生にもよるのだと思いますが、
もう少し懇談の際のプライバシーへの配慮は欲しい気がします。ひどいときは別の生徒の情報が見えていたときもありました。
いずれにせよ、保護者は
「どんなことを言われるのだろう」
ドキドキして面談を待ちます。
そして自分の時間になります。
(ここからは実例というわけでなく、一つのフィクションですのでご承知ください)
「〇〇君は美化係ですね。いつも一生懸命やっていますよ」
「そうですか。何か迷惑をかけたりしてはいませんか」
「いえいえ、大丈夫です」
「クラスの班でも、活躍していますね」
「問題なくやっています」
(勉強はどうなのかしら?)
「宿題もやってきてますね」
「そうですか」
「2学期には行事がたくさんあるので、今クラスのまとまりが大事だということで話し合いをしていまして、〇〇君も積極的に参加しています」
「これは大変いいことだと思います」
「僕は〇〇君のそういうところがいいと思っているんですよ」
「はあ」
(勉強の話は?)
「この調子でやっていけば問題はありません」
「ご家庭ではどうですか?」
「宿題をやるだけで何もしないんですよ」
(いよいよ勉強の話?)
「〇〇君は部活も頑張っていますものね」
「これから順に頑張っていけば大丈夫ですよ。お母さん」
「お時間になりましたので、これで」
(待って!)
「ではおつかれさまでした」
(勉強のことを聞いた方がいいのか?)
「何か?」
「あっ、いいえ」
「ありがとうございました」
勉強の話をしない面談
受験生の場合はそうでもないですが
保護者面談で、大半が学校生活(クラスでの過ごし方や部活動など)のことの話で勉強のことをほとんど話さないという場合が結構あります。
成績が悪くて非常に心配して行ったのに
そんな話だけで終わってしまったというようなことも聞きます。
あるいは
「勉強に関しては、数学がちょっといけませんね」
「2学期は頑張る必要があります」
という資料を見れば誰でもわかることを話して終わりということも
よくあります。
でも、保護者の方が一番聞きたいのは
圧倒的に学業のことではないかと思います。
受験生の面談でさえ、夏あたりの面談では
勉強の話がほとんど出なかったということも聞くことがあります。
ただ、これは別に学校や先生が悪いということでもありません。
学校は建前上、勉強だけを教える機関ではないとされているからです。
「生徒を心身ともに育むための教育を行うのが学校である」
そういうスタンスからすれば
懇談では総合的に生徒の状況を保護者と共有するというのが
正しいこととされているからです。
むしろ勉強一辺倒の話をしていると問題視されるような空気もあるのかも知れません。
しかし保護者のニーズに応えない面談をやっているようなことでは
これからは世間とのギャップが膨らんでいくのではないかと思います。
本当に保護者が聞きたいことはわかっているはずですから。
保護者面談は準備が大切
では保護者としてはどうすれば良いのでしょうか。
答えは簡単です。
「積極的に聞く」
これに尽きます。
ただそれを阻んでいるのが
「こんなことを聞いて先生に叱られないか」
「こんなことを言うと子どもが不利益を受けないか」
「教えてもらっているのに悪く思われないか」
といった意識だと思います。
でも実際には逆で、積極的に聞いてくる保護者の方については
先生が配慮してくれることが多い気がします。
あまり良くはないのですが、
先生も大変たくさんの生徒の保護者と面談をするので
何も言わないと、
「これで大丈夫かな」と学校の先生は感じてしまうのではないかと思います。
よく保護者の方にはお話をしていますが
学校の先生も、保護者の方との面談は怖いのです。
「積極的に問題な発言を自分がしてしまわないか」
「保護者の方や生徒に悪く思われないか」
というようなことを心配していると思います。
だからむしろ
保護者の方が色々聞いた方が
先生はやりやすいのです。
また、要望や質問があれば具体的な対応もしやすくなります。
もちろん例外で、自分の言いたいことばかりいう先生もいますが・・・。
たとえば保護者懇談の前に、こんなメモを作ります。
①〔数学の不振について〕どういうやり方をすればいいか? 数学の先生にやり方を本人にご指導いただけるようお願いできないか?
②〔志望校について〕〇〇高校受験について 先生のお考えは?
③〔英語の内申点〕3から4に上げるには何をすればいいか?
④〔今後の学習習慣について〕先生から本人に話をしていただけないか?
少し欲張りですが、これくらい盛り込んでも良いと思います。
そしてそのメモを持って面談に向かいます。
先生も、保護者の方がメモを片手に
色々質問をするようにすれば、むしろ印象が良いのではないかと思います。
自分との面談に積極的に臨んでくれて
しかも自分の意見を重要なものとして聞いてくれると思うからです。
さらにそういう保護者の方であれば
保護者と連携して良い指導をできると先生が考える可能性もあると思います。
もちろん色々な方がいますので、必ずという保証があるわけではないですが・・・。
少なくとも
何も聞きたいことが聞けずに、先生に主導権を握られて帰って
「ああ、あれを聞けばよかった」と後悔するような面談にはなりません。
昔の保護者面談では「先生に子どもの学習についてご教示いただく」というようなイメージを持たれていた方もいましたが、
今はそんな時代ではありません。
「先生と子供の学習についての情報を共有して、今後の軌道修正のために生かす」
という趣旨で活用されるのが最も有効な活用法ではないかと思います。
だから必要以上に黙って先生の話を聞いてくる必要はないと思います。
「このチャンスにいろいろ聞いて見よう」
というくらいのお気持ちで良いのではないかと思います。
ぜひお試しください。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。