学習習慣を変えることは簡単ではない
テストで成績が出る度に感じることがあります。
それは、
誰もが「成績」という結果にのみ注目しますが
その背後では
必ず「学習習慣」と「勉強のやり方」というものが
影響を及ぼしているということです。
「学習習慣」と「勉強のやり方」の両輪が整っている生徒は
そもそも成績にブレが生じにくい上に
「学習内容」にだけ注目して
対策すれば良いのですが
「学習習慣」が整っていなかったり、「学習のやり方」に問題がある生徒は
「学習内容」以前の段階で
ハンデキャップを負っているハンデ戦を戦っているようなものです。
わかり易く言うと
成績を上げるのに
①良好な学習習慣
②正しい学習法
③学習内容理解の準備
の3段階があるとして
③だけで成績を上げることは不可能です。
でも実際には①②をクリアして、③の段階で勝負できている生徒は全体の1割くらいしかいないイメージです。
すでに①②の段階で前に進めなくなっている生徒がほとんどである
と言って良いのかと思います。
実質的に定着を行っている「真の学習時間」が少なかったり
そもそも「学習範囲」自体を消化できていなかったり
学習が作業になっていたり
ある程度のことが頭に入っていても、アウトプットでミスを連発したり
時間がかかり過ぎて得点力がなかったり
学習内容云々で勝負するところまでたどりついていないことが多いのです。
これまでも何度も書いてきましたが、学習習慣を変えていくことは簡単ではありません。
なぜかというと、それは生活の「習慣」の改善だからです。
体に悪いことをやめられない、
夜更かしをやめられない、
ついたくさん食べ過ぎてしまう
といった習慣を断ち切れないのと同様、
日々続くことを改善していくのは誰しも容易ではありません。
なぜ変えられないのか。その本当の理由とは?
そして学習習慣を変えられない本当の理由は、2つあります。
1つは、
変えた先に待っている成功の喜びを具体的に想像できない
ということが挙げられます。
習慣を変えるにはエネルギーが必要ですが、変えられないという人は、
先に待っている習慣変更後の良い未来よりも、今の状態の方が良いと潜在的に思ってしまっているのかも知れません。
これについては、モチベーションを上げられるような強い目標を持つということが解決策になります。
そしてなるべく具体的にイメージできるようにすることが大切です。
よく「〇〇高校合格!」などど貼り紙をするのはこれにあたりますが、
貼り紙をしても意識がなければなかなか効果はありません。
たとえば学校見学だけでなく、
通学路も何回となく実際に通ってみるとか、
そこに通っている自分をイメージできるように志望校のホームページを壁紙にするとか、
実感が持てるようなことをしてみるという方法も有効です。
変える勇気と変えない安心
2つ目は、
未体験の方法を取り入れる勇気を持てないということがあります。
学習法を取り入れるということは、多くの場合自分がやったことがない未体験の方法を行うということです。
うまくいくかどうかわからないものを日々の生活に導入するということには実は勇気が必要です。
変えない方がとりあえずは安心を感じます。
その安心を超えて変える必要があるのです。メンタルブロックを外さなくてはなりません。
たとえば部活で大変でどうしても眠くて勉強ができないという生徒が、夜は勉強をやめて早朝に勉強をするという方法に変えようとしたとします。
しかし、
そのような方法でやれるのだろうか
結局寝てしまって何もできないのではないだろうか
といった不安がまず生じます。
また、
そんなやり方に意味があるのだろうか
と思ったりもします。
こんなやり方で状況が変わるのか
と疑問を持ったりして、自分でブレーキをかけたりもします。
そのため、不安を乗り越えてまで新しい方法にチャレンジするのをやめてしまいがちになります。
新しい方法を取り入れる勇気
このように、やろうと思い立っても結局やらなかったりするのは、
実は新しい方法に最初からすべてをかける気持ちがあるために生じるものです。
だから、自分の中で「お試し期間」を設けてやってみると
微調整がきいてうまくいくことがあります。
まずあれこれ考える前にやってみて、それから悪いところを修正していくやり方です。
完全主義に陥って構えて方法を変えていこうとする人は、少しやってうまくいかないと「このやり方は失敗だ」と思ってそこでストップしますが、
実はそこがスタートなのです。
やってみてうまくいかないことを工夫して直していくうちに
自分にとってぴったりの良い学習法にたどりつくことが多いのですが、
その前にすべてやめてしまい結局前からの方法を延々とやっているということになってしまうのです。
学習法の改善のような日々続いていくことの軌道修正では、
「とりあえずやってみて」
「そして直して」
という柔軟な考えをもつことが
心理的な障壁を作らないで成功するためにはとても有効な方法だと思います。
上手くいかない一番の原因は
「すぐに結果が出る」という思い込みにあります。
上記の例で言えば
朝早く勉強をするようになったから
「だいぶ勉強時間が確保できた」
「できるはず」
と思っていたときに
小テストで点数が連続して取れなかっただけで
「あのやり方は間違っていた」
といって簡単にやめてしまったりします。
このあたりは禁煙などが上手く行かない場合と同じで
いつも新しい習慣を辞める理由を探してしまったりしているのかもしれません。
習慣の改善は厄介なことに
短期ですぐ結果が出るものではありません。
しかしだからこそ
モチベーションが重要になって来るのだと思います。
今後も皆様のお役に立つ情報をアップしていきます。