【小学国語のコツ】「読解力がないことの正体」とは?

読み取りが苦手

 小学生で読み取りが苦手というお子さんは結構います。

というより、得意という方の方が少ないかもしれません。

本を読む習慣がなかったり

ネットやゲームに時間を取られて文章に触れる機会が少なくなってきていることも原因かもしれません。

 ただ、広く読解力と言っても

文章を読んでその趣旨を読み取ったり感じ取ったりするということ自体と

与えられた国語の問題に正しく答えるということの間には

若干異なった面があると思います。

 本を読んで感動している子どもに

「どんなお話だったか書きなさい」

「感想を文章で表現しなさい」

と言っても

上手に書けるとは限らないからです。

文章に書かれているイメージをとらえるということと

それを表現して問題を解くというのは、また別次元の問題なのです。

なぜ全くピント外れの答えになってしまうのか?

 小学生でときどき見かけるのですが、文章の読み取り問題に全くピント外れの答えを書いてしまう生徒がいます。

 たとえばこうです。

「Aは、そのときBとCがこちらへやってくるのを見たので、急いで家に帰ろうとしました。まさかCが走って来て自分に声をかけてくれるとは思っていなかったからです。

 『A君、今日いっしょにぼくの家でゲームやらないか。』

 Cはそう話しかけてきました。Bもニコニコしています。Aは安心しました。」

という文章があったとします。

 問いが

「Aは、BとCがこちらにやってくるのを見て、どうしようとしたか」

というものであれば、割と正解をする生徒は多いと思います。

「急いで家に帰ろうとした」

という答えは、問いかけに対して、ほぼそのまま解答となる部分を抜き出しても正解になるからです。

 しかし問いが

「なぜAは安心したのか」

というものになると、途端に正答率は下がります。

「Cはそう話しかけてきました。Bもニコニコしています」などという答えがたくさん出ます。

 以前書いたことがありますが、何となく解答っぽいところを抜き出すことを解答と思っているから、このようなことになるのだと思うのですが、全く答えになっていませんね。

 読解力がないと言ってしまえば簡単ですが、

なぜこのようなことになるのか、実は指導をしていてずっと不思議に思っていました。

口頭で聞くと正面から正しい答えを言える生徒

 どうしてかというと、同じ文章を読んであげて同じような問いかけを口頭ですると、

こんな解答ではなく、生徒が正答またはそれに近い回答をすることができることがよくあるからです。

「C君が家に来ていいって言って、B君も笑ってたからじゃないの」

というようなことを口頭ではしっかり答えられるのです。

 そこでわかったことは、生徒の多くは答えの内容自体がわからないというよりも、

①出題の内容を、文章だとうまく把握できない。

②答え方も「書く」という形だと、上手にすることができない。

この2つの点で解答が正しくできていないことが実は多いということです。

 「読解力のないことの正体」はこれだったのです。

対策はたくさん問題を解くことではない

 そこで考えられる対策としては、次のようなやり方が効果的だと思われます。

 まず①の点については、

問題文を生徒に読ませて、「どういうことを聞いているの?」と口頭で答えさせるのです。

 そうすると、生徒は最初は「よくわからない」と言いますが、

そのうち段々字面ではなく、要は何を聞いているかという質問の要旨の部分を説明できるようになってきます。

 そこまでいけば流れを変えていくのにあと一歩だと思います。

 次に②の点については、表現力の問題もあるので簡単ではありませんが、

これもまず口頭で言ってもらってから、それを書くような形をとると改善がされやすいです。

 ポイントは、

口頭の会話とリンクさせて、難しいことをやっているという本人の先入観を外すことにあると思います。

 学校の先生の中には、読解ができない生徒は語彙が貧困なので言葉をたくさん覚えるべきとか

読み込みが足りないので問題をたくさんやってというような対策をする先生も見かけます。

 しかし、生徒がどうしてそんな答えを書くのかということに思いを馳せない限り、なかなか状況は改善されないと思います。

 また返されたテストの添削を見ると、解答書通りの詳しく難しい説明がそのまま書いてあったりして、

「これではどんどん読み取りが苦手になるだけなのに」と思ったりすることもあります。

読み取りの意味が分かるまでは新しい問題をやらない方がよい

 そして実は読み取りの力をつけていく段階で、それを阻止するのが次々に行われる小学校のテストなのです。

 上記のような特別の対策をしていて生徒がようやく

「ああこれはこういうことを聞いているのか」

ということがわかりかけてきたところで、テストがやってきてしまいます。

 本当はやり方を丁寧に知って、正しい解答を自分もできるということがわかってから、徐々に問題を増やしていくのが理想なのですが

そこに学校のテストがあり、上手く答えられない生徒は、またピントの外れた答えを書くように後戻りしてしまうことが実に多いように思います。

 学校の先生も、今この生徒にこの問題を出しても到底答えられないということは、はっきりわかっていると思います。

 わかっているのに、難しい問題を時期が来たからと言って順にやらせていくのは、その生徒のためになるのでしょうか?

 この点は学校の授業の進行ということでやむを得ないところがあるのかもしれませんが

中学のように一律の定期テストがあるというわけではないので、ここは何か工夫があってもいい気がします。

読み取りの力は徐々についてくる

 私の経験では、読み取りについて上記のような練習を本人が我慢して丁寧にやっていると

ある時から急に読み取りの問題のコツを生徒がつかみ始めた実感を持てるようになります。

 「読解力がない」と言われている状態は、やり方がつかめていないだけの場合もあるので、決して恒久的なものではありません。

 工夫次第で改善の途は結構あります。

 青雲学院は小中高一貫指導をしていますが、小学校の時読解に不安があった生徒が、中3あたりで国語を得意にしているのを目にすることもわりとあります。

 やり方の丁寧な改善こそ重要なのだと思います。

 今後も皆さまのお役に立つ情報をアップしていきます。

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