考えない学習
中3の理科で、記録タイマーの記録を使った速さの計算が出てきます。
詳細には触れませんが
その中でこんな計算が出てきます。
2.4cm ÷ 0.1秒
ほとんどの生徒は、この計算をすぐ筆算でやろうとします。
わり算と言えばすぐ筆算だと思っていて
自動的に筆算をしてしまうのです。
これを見て私はつい口に出してしまいそうになります。
「なぜそんな面倒な計算をやっているの?」
では、この計算はどうやればいいのでしょうか?
少しでも簡単にしようとする習慣
この計算については
簡単なやり方が2つあります。
一つ目は分数で考える方法です。
0.1で割るという事は、
0.1は10分の1ですから、10分の1で割るという事を意味します。
そして、分数で割るという事は、その逆数をかけるという事です。
だとすると、ここでは1分の10をかけるという事になります。
1分の10は、つまり10ですから
結局「0.1で割る」は、「10をかける(10倍する)」という事と同じなのです。
したがって
2.4cm ÷ 0.1秒 の答えは 24cm/秒 です。
暗算で一瞬でできます。
少し考えればわかる事なのですが
本当に多くの生徒が、これに気が付きません。
0.1で割る計算は、この単元では頻繁に出てきます。
もし簡単に「10倍する」ということを知らないと(現にそうですが)
毎度筆算をしていて、時間の無駄はかなりのものになってしまうでしょう。
やってみるとわかりますが
筆算をした瞬間に
「あれ、10倍だぞ」と気づかないとおかしいのです。
それに気づかず、毎回筆算をしているのは
「考えない学習」をしているとしか思えません。
いつも「合理的にやる方法はないか」という事を
考えているかどうかというのは
こういう所で表れて来てしまうのでしょう。
小学校で習う計算が意外に重要
もう一つの方法は、小数点の移動です。
小学校の算数で、小数点の移動の学習をします。
たとえば
2.4を10倍すれば、小数点を1つ右に動かして24になります。
100倍なら2つ動かして240といった具合です。
逆に
2.4の10分の1倍は、小数点を1つ左に動かして0.24になります。
100分の1倍は2つ動かして0.024となります。
そう考えると
先程の 2.4cm ÷ 0.1秒 は
「10分の1で割る」ということなので「10分の1倍」の反対ですから
つまり10倍すると同じなので
小数点を1つ右に動かせばいいという事になります。
だから24になります。
何か新しいテクニックのような気がするかもしれませんが
これは本当に小学校で習っている内容を
少しアレンジしただけのものなのです。
考える習慣を
「考える学習」というと、何か難しい事のように感じるかも知れませんが
このようにちょっとした気づきで
合理的なやり方を選択することは
決して難しいことではありません。
少し注意するだけで
時間を短縮でき無駄を省くことができます。
「決められたことを形通りにやる」という意識でいると
こういう事に気づくことはできません。
何より勉強が面白くないでしょう。
勉強は「暗記すること」ではありません。
型にはまったやり方だけでなく
「何か簡単な方法はないか」
「何か時間の節約はできないか」
もっと言えば
「楽して正解を速く出す方法はないか」
そういう事をいつも考えて学習をすることをお勧めします。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。