【保護者面談対策】「意味のない面談」を避ける方法とは?

予想外のショックを受ける面談

 保護者面談のシーズンがやってきています。

保護者にとって

「学校ではきちんとやっているのだろうか」

「先生に目をつけられていないか」

「何か問題があると言われないだろうか」など

心配な事が湧き出て来ることも、多々あるのが

この保護者面談というものです。

 事実、

「やんわりと態度の悪さを指摘されてしまった」

「理解力がないと言われた」

「周りの生徒より劣っているのではないかと思わせるような事を言われた」など

保護者にとって、ショッキングな面談になってしまうこともあり

私たちも時に耳にする事があります。

 デリカシーのない言い方をする先生と言うのは、実際に結構います。

学生時代には、そういう教師を見て

「つまらない大人だな」とよく思ったものですが

学校の先生の事を、客観的に外部から見聞きすることが多くなった今の私にとっても

デリカシーのなさと言うか、社会性のない態度をとる先生の話には、びっくりさせられることがよくあります。

 先生にもいろいろな方がいるはずですが、そんな言動をする先生はやはり目立つはずで、当然生徒にも良くは思われていない事でしょう。

 だから、より頑なになってしまうのかも知れません。

 しかし、たまたまそういう教師が担任になってしまったために

建設的に今後のことを考えていこうと思っていた保護者の気持ちは、一気に萎えてしまい

どうしたらいいのか分からなくなってしまうこともあるかと思います。

 塾の懇談の際に保護者の方から、学校の先生の一方的な言動に対する不満を伺うことはよくあります。

 保護者の方の言い分のみから判断してはいけないと思いますが、

その数の多さから言うと

やはり実数として

そういうことが多くあるのだと、私は思っています。

 今回は、そういったことへの対策も含めて

保護者面談にはどんな準備と心構えで臨むべきか、そのコツをお伝えします。

面談は先生の考えを拝聴する場ではない

 学校の先生の中には、保護者面談を

「生徒の親に、生徒の問題点を教えてあげる」というような不遜な考えの持ち主がいます。

教育サービスで塾という仕事をしている私たちからすると、考えられもしないことですが

「教育者」であるという自負が

保護者の方も「教育をする」というような考えにさせてしまうのかもしれません。

 しかし、これは誤りです。

保護者面談は、

大切な生徒の未来のために

学校の先生は、学校での生徒の活動や様子、その成果などを保護者に情報として伝え

逆に保護者は、家庭での生徒の様子や考え方などを情報として先生に伝えるという

あくまで「情報の共有」という事に価値があるものだと思います。

 そしてその情報を今後へ生かしていくため、先生と保護者がそれぞれの考えを確認する機会こそが、保護者面談です。

 そこでは、先生の考え方や、あるいは保護者の考え方に先行するのは「事実に基づいた情報」です。

一方的に先生の認識だけによる事実を提示して、「こうしなさい」というようなものではないのです。

質問を用意する

 このように考えるならば、やるべきことも見えてきます。

学校での様子や活動は、先生側のストーリーで説明されれば

保護者面談では「先生のお話を拝聴する」ことになってしまうので

逆に保護者が、気になる点についてあらかじめ質問を準備しておくのです。

そして、それはなるべく具体的なものが良いでしょう。

たとえば

「数学で今やっている比例の単元がわからないので悩んでいるようですが、うちの子はしっかり授業を聞いていますかね」という事を

数学を教えている担任の先生に聞きます。

 先生が、もし生徒の事をよく見てくれていれば

「そうなんですよ。苦戦しているようですね。授業は一生懸命聞いていますが、宿題を適当にやってしまっているみたいで、確認が甘いのかもしれないですね。家庭学習の強化が一番の対策かもしれません」

と言うような具体的で意味のある返答があるかもしれません。

しかし、先生の能力が低い場合

「あまりしっかり聞いてないんじゃないですか。もっと一生懸命練習しないといけませんね」

と言うような抽象的な回答がされることもあるでしょう。

これでは何をやったらいいのか分からない上に、その言い方からして「自分にはあまり興味がない」ということを自白してしまっています。

 さらに先生が感情的に、生徒の態度に問題があると思っている場合には

「授業を聞いていませんね。このままじゃ大変なことになるかもしれません。良くご家庭で話してみてください」などと言って来るかもしれません。

 私たち塾業界では、授業をきちんと聞いていない生徒が多いのは、魅力的な授業をできない教師側の責任というのが標準的な考えです。

だから「授業を聞いていない」などと言うのは

私の感覚では、教師として恥ずかしくて言えない台詞なのですが、

残念ながら、学校ではそういう判断はあまりされないので

授業がわかりにくい先生などが、こういう事をよく保護者面談で言うというイメージがあります。

 こういう指摘を受けたら

もちろんご家庭で本人にその話をして反応を見ることは必要ですが(但し本人の弁明を必ず聞いてください)

本人にその先生についての感想も必ず聞いた方が良いかも知れません。

 いずれにしても

具体的な質問をすることにはメリットがたくさんあります。

1つには、具体的な情報を得られるという事

2つ目には、質問に対する返答により、先生の熱心さや能力がよくわかるという事

3つ目には、先生のペースで教訓を垂れる保護者面談を回避できるという事

最低でもこの3つはメリットになると思います。

本当に生徒の事を考えてくれているならラッキー

 学校の先生の仕事は想像以上に激務です。

その中では

「生徒を教えることに関すること」

「1人1人の生徒の学習状況について考えること」

といった、先生の仕事の中で一番重要なことへ割く時間が相対的に少なくなっているようです。

だから、どうしても生徒個人ごとの事を念入りに考えて目を届かせるという事には限界があるのかも知れません。

 そう言った意味では

学校の先生も大変だと思います。

逆に言うと

上述の一番最初に書いたような返答を出来る

本当に生徒の事を考えてくれる先生に巡り合えるのは

大変ラッキーな事と言えます。

 今の時代では、それくらいの感覚になってしまっているのが残念でなりません。

 ただ、そうであるならば、今の学校制度の中では

最初から、学校の先生に過大な期待を持ち過ぎないことが重要かも知れません。

保護者面談に向かう時も

「いろいろためになることを教えてくれるかもしれない」というような気持ではなく

「先生も大変だから、的確で具体的なことを聞いて、情報を生かそう」

というような気持で向かうべきだと思います。

そうすれば、

「部活の話ばかりしようとする先生」や

「合唱コンクールの話だけで、勉強の事は何も言おうとしない先生」

「聞いた事についてはっきり答えてくれない先生」などに

面談が終わった後にがっかりさせられることも回避できることでしょう。

保護者面談に向かう時には、ぜひ参考にしてみてください。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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