字が読めない
生徒を指導していて、特に男子に多いのですが
字を丁寧に書かない、というよりも殴り書きで書いているため
ほとんど読めない場合があります。
「丁寧に書きなさい」
「読む人が読める字を書きなさい」
などと注意をしますが
改善しないことが多いです。
保護者の方からも、
「字が汚くて」というご相談を受けることはよくあります。
大体多い傾向としては
繰り返し注意しても改善がされないという点です。
なぜ汚い字で平気なのか
私は、字は上手ではありませんが
子どもの頃から丁寧に楷書で書く習慣がありました。
それでも筆圧が高いため
「読みにくい」と言われてショックをうけたこともあります。
それを考えると
生徒が注意されても、相変わらず汚い字を書き続けるのを
「なぜ汚い字で平気なのか」
むしろ不思議に思うことがあります。
生徒には
「答案には読む人がいるから、その人が読めるように書かなくては意味がない」ということを説明したりしますが
ピンとこないようです。
そして
わざと判別不明な字を書いて
「これを読んでみて」と見せたりして反応を見ると
「全然読めない」と言います。
「これと同じだよ」と説明をするのですが
皆さん、彼は何と回答すると思いますか?
普通なら、「自分の字はこんなイメージで他人に映っていたのか」「これからは気をつけよう」となりそうなものですが、違います。
「これは読めないが、自分の字は読める」と主張をするのです。
そうなんです。
汚い字を書き続ける生徒は
「他人に読めない」とは思っておらず
「自分の字だから他人は読める」と考えている可能性があるのです。
鉛筆削りを使わない
こういう状況の生徒に、同時によく見られる傾向として
「鉛筆を削らない」ということがあります。
そのため字の線が太くなり混ざりあい、さらに読めなくなります。
「どうして削らないか」と聞くと
「時間がなかった」などと言います。
これも上記と同じで
おそらくですが
判別できないような字になろうが、そうでなかろうが
彼にとっては
「きっと他人は読んでくれるはず」という確信があるためだと思います。
その証拠として
学校のテストで文字が判別不明で✖をつけられても
「先生これ読めますよね。✖にされたけどおかしいですよね」
と私たちに報告をしてきたりします。
実際に見て見ると
全く読めません。
考え方を変える以外に方法はありません
こういう生徒の話をすると
教師の方であれば、おそらく同じ状況をよく体験していて
同意してくれるかと思いますが
保護者の方も含め
とにかく、どうやって「普通の字」「ある程度読める字」を書かせるか
頭を悩ませている方も多いかと思います。
私は、彼にそういう字を書かせるには
「他人の視点」を持たせることが重要だと考えています。
繰り返し、「他人はあなたの文字は読めない」ということを
実感してもらえるようにするしかありません。
ただ「字を丁寧に書きなさい」「読めません」では
おそらくずっと改善はされません。
たとえば
手書きで書いた文書を何人か分集めて
自分のものと比べさせて読ませるというのも手です。
でも自信をもっているので、それでも自分の字は読めると誤信してしまうかも知れません。
何人かに感想を言ってもらうというのもいい方法です。
複数の人が「読み取れない」という事を聞けば
事態が変わることもあるかも知れません。
いろいろ工夫が必要です。
前提として「自分では文字に自信を持っている」という情報を、頭に入れて対応されると良いと思います。
字を丁寧に書かなくても
学校でも受験でも、ある程度までは無理に読んでくれます。
しかし、そこから先
社会人になってもそういう事が続けば
おそらく事務仕事がある仕事では、上手くやっていく事ができなくなります。
だから、緊急の課題というわけではありませんが、長期的に見ると実は深刻な問題になる課題なので
早いうちに、根本的に考え方を変えていけるようにしていきたいものです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。