1月の総合評定までに時間がない
以前にも書きましたが、高校受験の判定材料になる内申点(評定)が「いつのものであるか」についてはいろんなパターンがあります。
12月のこの時期にすでに評定が決まっている受験制度の場合もありますが、まだ1月の総合評定でもう一回評価を受ける人においては
「わずか1カ月で何とか内申を上げなくてはならない」と思っている人も多いかと思います。
「そんな簡単な方法はない」
一般にはそう思いがちですが
工夫をすれば意外に上がることがあります。
今回はそんなお話です。
総合判定という意味
普通1年の終わりに出される内申(評定点)は
3学期や後期の成績と言うのではなく、年間通じての評価になります。
そうするとたとえば
1学期 3
2学期 3
という成績を取っているとすると
当然総合も 3くらいになり 上げることは不可能と思いがちです。
しかしそれは誤った先入観だと思います。
私は長く通知表の評定点を見てきましたが
1学期 3 2学期 3 総合 4という成績や
1学期 2 2学期 3 総合 4という成績などを見ることがあります。
もちろん逆に
1学期 4 2学期 4 総合 3という成績もありますが・・・。
なぜこんなことになるのでしょうか。
それは学校の先生たちの評定への判断が
正に「総合的に」判断されているからです。
総合的な判断とは
ここで総合的な判断と言うのは
たとえば 同じ3と言っても
色々な要素がかみ合って最終的に3と言う数字になっているという意味です。
以前も何回か記事にしましたが
通知表の成績というものは、定期テストだけでなく小テスト・課題の提出・授業態度などを合わせて決められます。
おそらく多くの先生が、これらを総合的に評価するために数値化をして
たとえば「満点200点中140点以上が4」とか言った形で
なるべく客観的な判断になるようにしていると思われます。
だとすると、たとえばこの例で
仮に140点(70%)以上が4だとして
1学期138点 2学期138点 3学期144点を取ったとします。
そんなに得点が違っていませんが
1学期 3 2学期 3 でも
総合点は3学期分の総合になりますから、計600点中 420点で 70%で
年間の総合評価は 4になるのです。
よく学校の先生が保護者面談で
「これは4に近い3だから、もう少し頑張れば4になる」というような言い方をされますが
こういう仕組みによるのです。
この時期だからこそ短期間で内申を上げられる可能性がある
だから 同じ3でも「4に近い3」と「2に近い3」があります。
そうすると
自分がこれまで取ってきた評定を振り返り
「理科はかなり定期テストが良かったのに3だった」
「社会はそんなに定期テストも良くなくて、課題も忘れたことがあるのに3だった」
「国語は定期テストも小テストも完璧だと自分は思っていたのに3だった」
という状況があれば
1月の学年末テスト(総合テスト)で集中的に得点を取るべき優先順位は
①国語 ②理科 ③社会 の順ということになります。
国語が一番「4に近い3」である可能性が高いからです。
このようなやり方は
勉強の本道からするとあまり良い事ではありませんが
高校受験というものが
本来の試験当日のみの勝負という形をとらず、内申評定+当日点 という形になってしまっている以上
「勝負に勝つ」ということからは、やむを得ない部分があると思います。
そもそも試験は本来、「試験」のみの結果で合否が決まるべきですが
色々な事情から現在のように
内申点制度という、ともすると主観や様々な不公平が入り込んでしまう不完全な制度を判断材料としている以上
受験生もその保護者も受験を成功させるためには、できるかぎりの対抗策を取らなくてはならないでしょう。
時間と出来ることが有限である以上、この場合に
「全教科すべて同じように全力を尽くすべき」というのは
私には理想論としか聞こえません。
もらった成績をよく吟味して検討をして
「内申点を上げてもらう可能性が高い教科」に集中して対策をすべきだと思いますが、いかがでしょうか?
*追伸:この方法で実際に評定点を上げた生徒はかなりいます。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。