【年賀状のマナー】「その決まり、本当に相手も知ってるの?」

年賀状のマナー

 最近は、SNSその他のウェブ上の手段で新年のあいさつを交わすことが多くなりました。

そのため年賀状のやり取りも少なくなってきていますが

それでも社会生活を送っていると、年賀状を書く機会はまだまだあります。

 先日年賀状の書き方の事で、少し疑問点があったので

検索をしてみたら驚きました。

 かなりたくさんのしきたり(マナー)がありますね。

ほとんどは知っているものや聞いた事があるものでしたが

かなり細かく載っていてびっくりしました。

 たとえば

「新年あけましておめでとうございます」は二重の意味になるので✖

目上の人に二文字の「賀正」「迎春」という賀詞は失礼✖

賀詞の後に添え書きをして年号を書く

「1月元旦」は意味が重複するので✖

賀詞(謹賀新年など)と「あけましておめでとうございます(これも賀詞)」は重ねてはいけない✖

A Happy New Year は誤りで Happy New Year と書く

などなど

 けっこう色々なものがあります。

 正式な文面として年賀状を送る場合、たとえば会社で出すご挨拶や、上司への年賀状などについては、

「もし間違いがあると失礼だから」ということで

かなり皆さん一生懸命調べて出すのではないかと思います。

何のためのご挨拶なのか?

 でもふと思ったのですが

上記のマナーを守れていない年賀状など、実際には珍しくもありません。

そして、これは私の感想に過ぎませんが、

それをもしもらったとしても「失礼な奴」なんて思うはずもありません。

それは「ご挨拶をしたい相手の気持ち」が年賀状に載せられているからです。

 年賀状の始まりは

奈良時代に行われていた「年始回り」の習慣が

平安時代になって、書面でのあいさつに代わったものだと言われています。

 そして次第に書式が礼儀として一般化され現在のようなものになったようです。

長い伝統のあるものです。

そして、あくまで「手紙」の一種ですから

書き方の手順やしきたりがあるのは当然ですが

あまりそういう事にこだわってしまうと

書くのも苦痛になってしまいます。

 年賀状離れをする若者が多いのは、ネットの発達ということもあるでしょうが

「決まりごとが多すぎる」という事とも無関係ではないでしょう。

本気で我が国の美しい文化として年賀状を残していくのであれば

書式や礼儀を充実させるよりも

「伝えたい気持ち」をもっとフランクに表せるようなものに、今後変えていく必要があると思います。

そういう気持ちこそが、本来の年賀状制度の始まりには強いものとしてあったはずだからです。

 会社同士での賀状交換は頻繁にありますが

 それを見て

「ああ礼儀正しい会社だな」「ご挨拶いただいてありがたい」とは思いますが

現実には「いつから営業しているのか」以外には、年賀状の中身自体はほぼ読まないのではないでしょうか。

そう思うと、会社間でのあいさつもネット上の動画なども入ったものの方が

気持ちが伝わってくるため、もらってうれしかったりします。

 そう考えると

「年賀状のきまり」のようなものは、逆に次第に消えていく運命かもしれませんね。

 書式が適当で、きまりなどを守っていなくても

たとえば

「先輩、今年もビシバシ鍛えてください」とか

「御社のおかげで今の弊社があります。永久にお付き合いをお願いいたします」

というような心に響くセリフが書いてある年賀状を

実は私たちは、欲しがっているのではないでしょうか?

マナーは絶対でもない

 冒頭のマナーは、どれも当然のように言われていますが

たとえば「新年あけまして」の表現はすでに一般に定着しているため、「なぜ間違いなのか」という疑問を持たれる方が多いようです。

「新年」と「あけまして」が重複していて間違いであるという理由については、色々な考え方があるようです。代表的なのは以下の2つです。

1⃣本来は「旧年があけまして」というのが文法上は正しく「新年あけまして」だと「新しい年が終わってしまう」という意味だという考え方

 しかし「新年あけまして」をそう読む人は、文法に詳しい人でもほぼいないでしょう。当然誰もが「新年がやってきて」という意味で読みます。

2⃣「新年」は新しい年なのに「あける」は新しい年になるという意味が重なり「腹痛が痛い」のような二重表現でおかしいという考え方

 確かに詳しく見ればそうかも知れませんが、そう思って読む人は「腹痛が痛い」とは違い実際はほとんどいない気がします。

 私にはどうも「重箱の隅をつつく」ような話のように思います。

次に、「賀正」とだけ書いてある年賀状については

「簡素だな」とは思いますが、目下からのものでもその一点だけでは「失礼だな」とは感じません。他の文面によります。

確かに「謹賀新年」などと書いてある方が丁寧な感じはしますが・・・。

 また、「1月元旦」の表現は「元旦」が1月1日の朝の意味なので、「おやっ」と思うかも知れませんが、これも見過ごしてしまう程度の違和感しかないでしょう。

「間違えたな」と思ってニヤッとするくらいでしょうか。不快感などもちろんありません。

 ところで、「賀詞を重ねていはいけない」という決まりについては

これに反して、私は結構重ねて書いています。

「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」などは(2つとも賀詞で重複になりますが)当然のように二つとも書きます。

別に知らないわけではないのですが

「これくらい書かないと嬉しさが伝わらない」と思うからです。

もらったときには、人によっては違和感があるかも知れませんし、指摘を受けたこともありますが、

「これで失礼と感じることはないのでは」と思っています。

 さらに、A Happy New Year  については

ちょっと言いがかり的な感じさえしています。

I wish you a happy new year. (あなたによい新年が迎えられますように)とか

Have a happy new year. (よい新年をお迎えください)を

単に冠詞 a も含めて残した形で、後を省略しただけだと思いますので

A がついていたって何も問題がないように思います。気にし過ぎですね。

そもそも year が名詞なので 冠詞がついた表現に問題はないでしょう。

 このように細かく見ていっても

どれも、考え方次第のようなものばかりです。

きまりから少しでもずれていたら「失礼だ」と感じてしまうような気持にも

逆に問題があるかもしれませんね。

 色々と大変なことがある毎日ですから

せめて正月のあいさつくらい

楽しくしたいものですね。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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