受験シーズン到来
1月になり、高校受験の直前期がやってきました。
色々な形の受験がありますが、
この時期、「これからの最後の追い込みをどう進めていけば良いか」
不安になっている人がいるかも知れません。
これも生徒により色々ですが
他の科目と比較して社会は、得意苦手がはっきり分かれる科目だと思います。
中でも歴史は
「面白くて仕方がない」という生徒もいれば
「やっても全然頭に入らない」という生徒もいて
モチベーションに極端な二分化傾向が見られることもあります。
暗記すれば得点が取れる科目であることは事実ですから
本来は、短期間で追い込みをしやすい科目なのですが
歴史については「さあ受験だ。勉強しよう」と思って受験の準備にかかる時に
多くの生徒が「あるカルチャーショック」を受けます。
それは、受験問題をやってみても
「さっぱりわからない。こんなこと習っていない」というショックです。
今回は、このことについての対策法を書いてみたいと思います。
年表を見れば、受験の歴史の特徴はすぐわかる
多くの中学校で、生徒たちは歴史を中1から中3の前半までの期間勉強します。
一通り学習が終わったときに、入試問題を初めてやってみる生徒も多いと思います。
そして上記のように多くの生徒がつぶやくのです。
「さっぱりわからない。こんなこと習っていない」
「何これ、難しい。できそうにない」と。
歴史の受験問題は、年表が出ていたり史料が出ていたりいろいろな形式がありますが、
このように生徒たちに問題が難しいと感じさせてしまうのには、実は大きな理由があります。
それは、時代をまたいで出題がされていることです。
1つの大問に複数の時代が含まれていることはざらにあります。
また年表問題であれば、普通何世紀もの時代を1つの年表にしてあり世紀が区間分けされていて、
「この時代にあった出来事を選べ」などということが問われます。
学校の学習では見たこともない問題です。
もちろん1つ1つの事項については習ってないという訳ではありませんが、
こんな出題のされ方をすれば、初めての人はなかなか太刀打ちできないのではないかと思います。
学校では順に
「さあ今日からは鎌倉時代の勉強をしましょう」
「来週から室町時代をやります」というように学習を進めてきたはずです。
ところがこんな出題形式です。
「急に、一度に合わせて聞かれても困ります」
というのが、生徒の偽らざる感情ではないかと思います。
「聖徳太子と日清戦争が書いてある年表」
勉強というものは、ただ与えられるものをそのままやっているだけではいけないという話を何回かしてきましたが
まさにこの局面は、そういう勉強法に自分で気づくことが強く求められる場面かもしれません。
もし「歴史の問題って難しいんだな」で終わりにすれば、
おそらく受験の歴史の問題はずっと難しいものになってしまいます。
そうです。
「聖徳太子と日清戦争が書いてある年表」を見て、気づかなくてはいけないのです。
受験の歴史は、「学校で順に習ってきたことがバラバラに頭に入っているだけでは、解くことができないという事実」をです。
出題者は歴史のことをどれだけ理解しているかを、時代の横断的な理解を通して聞こうとします。
そうするとどうしても、歴史順に真面目に習ったことを積み重ねただけでは十分に対応することができない部分が出てきてしまいます。
どうすればいいかというと
歴史の学習が一通り終わった後で、時代を横断的にまとめ直してみる学習が絶対に必要なのです。
学校が塾の味方をしてくれているとしか思えない
こと歴史の学習については、普通の中学校は塾の味方をわざわざしてくれているのではないかと思うことがあります。
中学校というより授業のカリキュラムと言ってもいいかもしれません。
歴史の勉強を現代まで進めると、学校の授業はそのまま公民に入ります。
上記のような横断的学習は普通学校ではやってくれません。
歴史に興味がある生徒や、入試問題を見て危機感を抱いた生徒は自分で横断的学習を始めますが、
多くの生徒は公民に頭がいっぱいになり、歴史の受験対策を主体的に考える事はなかなかありません。
自然、ここは塾の出番となります。
すべての時代を文化を軸にまとめたプリントを出したり、全時代で出題される法令一覧を作ったり、横断的理解を進めるための教材や指導は塾の得意分野です。
生徒たちもそれらに触れて、初めて歴史の受験ということの意味を知ることができるのです。
学校は受験のために歴史を教えているのではないという考えかも知れませんが
私は、横断的理解が中心の入試問題ばかり出題するのであれば、ある程度学校でも歴史に関して、時代をまたいだ横断的理解をするための学習時間を独立して設けるべきだと思います。
少なくともこの部分に関しては塾の独壇場になっていて、塾に通わないと情報不足になるという、あまりよくない状況がずっとあるように感じます。
3年生の半ばで入塾してくるとても優秀な生徒が、
なぜか歴史についてだけ「『勘合符』って何時代の話?」と非常に基本的な事を聞いても答えられなかったり、
「江戸時代で鎌倉時代の執権と同じようなポジションにあったのは?」と時代を横断する知識を聞いても全くわからなかったりするのは、
学校のカリキュラムが横断的なことをあまりやらないためのような気がします。
まあ、塾をやっている立場としては有り難いことなんですが、生徒の立場から考えるとどうなのかなと思ってしまいます。
歴史は受験前にもう一度勉強の角度を変えて学習する
このようなことから、歴史については学校で普通に順に学習したことだけでは入試問題に太刀打ちできません。
受験を前にもう一度勉強の角度を変えて学習し直すことが必要です。
でもどういう学習をすればいいかはっきりしない人もいると思いますので、ここで少しヒントを書きたいと思います。
簡単に言えば、次のような質問に答えられるようにしてください。
そういう学習を改めてするのです。
「平安時代の有名人を5人挙げて何をしたか答えなさい」
「仏教で国を治めようとした時代はいつですか。それは誰が考えましたか」
「歴史上、幕府はどこにいくつ開かれましたか」
「京都が政治の中心だった時代はいつといつですか。それぞれの時代で政治をしていた人の身分(天皇・貴族・武士など)を答えなさい」
「戦争の講和条約名と結ばれた場所のある国名を順に答えなさい」
といった具合です。
どうですか?
歴史を順に丁寧に学習しているだけでは、意外に答えられそうにない問題ではありませんか。
こういう問いかけに即答できるようになると、受験の歴史には強くなると思います。
受験が近づくこの時期、上記の質問に歯が立たない場合には
至急で手を打つ必要があるかも知れません。
まだ間に合うと思います。横断的学習をするなら今です。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。