【受験は単なるペーパーテスト】天竺へ経典を取りに行くわけではありません。

 山頂の様子は麓からわからない

 学習をしていくときには、どんなジャンルの学習でも

学習者が最初に全体像を知ることは、なかなか難しいことです。

 山の麓から歩いて登山をしようとするときに

中腹の様子や山頂の様子などが全く想像できないのと同じです。

(もちろん事前のネット情報などがない場合の話です)

 だから、生徒が全然問題を解けないときに

「どこで困っているの?」と聞いても

「どこがわからないのかもわかりません」

という返答が返ってくることがあるのです。

「わからない」と一言にいっても、そのレベルは千差万別で

細かいちょっとした所の取り違えから不明になっている場合もあれば

そもそも何をやっているのかさえ、わからない状態の場合もあります。

位置を知るためにはどうすればいいのか

 では学習を自分で進めていく時に

自分がどの程度の段階に進んでいて、わからないレベルがどのくらいなのかを

知る方法はないのでしょうか?

 実は、これについては、簡単にわかる方法があります。

それは一度「空から山頂を見る」という方法です。

もちろん、これはたとえで

 最終的に解く問題

つまり

入試問題の過去問題

国家試験の過去問題

定期テストの過去問題

検定試験の過去問題

これらを一度よく「読んでみる」のです。

 これらが登山で言うところの山頂なのですが

多くの場合これらは世に出回っていて、確認をすることができます。

必ず徒歩で登山しなくてはいけないわけではないのです。

どんなことを「読む」のか

 ではこれらからどんな情報を手に入れればいいのでしょうか。

よく、まだ学習の端緒の段階で

全体を通っているどころか、右も左もよくわからない時に

過去問題の全問題を解こうとして、できずに落ち込み

解説を赤字で全部写しているというような

驚くべき無駄なことをする人を見かけます。

 まあ、合格したいという気持ちからすれば、無理からぬところもありますが、

そんなことを最初にする意味はありません。

 まず「読む」のです。

ここで、私が「読んでみる」と書いたのには、意味があります。

「どんな問題が出ていて」

「どのくらいのレベルか」

「形式はどんな形か」

などを全体的に確認するということが、最初の段階ではとても重要です。

それでそういう一連の確認をすることを指して

「読んでみる」としたのです。

 目的は、自分が目指すゴールのレベルをざっとつかむことにあります。

だから問題自体を解く必要もありません。

読んでみれば、おおよその見当はつくものです。

 そして自分の目指すゴールをつかんだら

また出発点に戻り1つずつ学習を進めていくのです。

天竺まで行く必要がないことがわかる

 この方法の優れているところは

人間が学習を行うときの心理状態にそったやり方だということです。

目指すべきゴールが見えないまま、学習をしていると

わからないところが1つ出てくるだけには大したことはありませんが

2つ3つと続いてくると

「これは大変な学習かもしれない」

と漠然と思ってしまいがちです。

 その後に易しいものが続いて出てくるのに

そこに行く前に、あきらめてしまうというようなことも起こります。

 なにも三蔵法師のように「天竺まで行け」と言われているわけではないのですが

勉強がわからなくなっている人ほど

「ゴールに光り輝く経典がある」というような、過大なイメージを持っていることが多いような気がします。

そしてその前には恐ろしい妖怪が待ち構えていて

到底ただでは通れない旅だと思い込んでいます。

しかし

「ペーパーテストで高得点を取る」

「間違いを少なく解答する」

 求められているゴールは

その程度の実に単純なことです。

 それなのに、難しいことが積み重なっていくという誤ったイメージが

学習を大変なものにしてしまい、苦行にしてしまうのです。

 ゲームでアイテムをしっかり獲得して、敵のラスボスを倒せば

ゴールにたどり着けるというのとあまり変わりはありません。

ゲームの方がむしろ、ずっと難しい場合もあります。

 だからまず

ゴール(山頂)にあたる過去問題などをよく読んで、イメージをつかんで

逆算して

自分がどういうやり方をしていけば、そこにより早く到達できるかを考え

最短距離の計画を立てて

準備を始めることです。

 受験だから

国家試験だから

「すべての学習をする必要がある」

この誤った考えを捨てましょう。

「単なるペーパーテストで合格点を取れるだけの学習」を

合理的に行うことを企画するのです。

今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。

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