【高校受験対策】面接試験は何をテストするのか。

学力試験ではないことを考える

 一口に高校受験の面接試験と言っても、色々なタイプのものがあります。

 推薦試験における面接試験で単願試験系の場合には、人物確認の意味合いが強くなります。

学校間で推薦された生徒について、「わが校に合格させても本当に大丈夫かどうか」を面接で確認するという趣旨で、念のために行うという場合が割と多いと思います。

 また逆に国立高校受験の推薦面接などのように、推薦された生徒の中からごく一部を選抜するという、競争率の高い面接試験もあります。

こういう試験では、他と差をつけることができる十分な面接対策が必要となりますが、これについてはまた別の機会に触れたいと思います。

 今回お伝えしたいのはこのような推薦の面接試験ではなく、一般入試で行われる面接試験についてです。

 一般入試の面接は、公立の高校入試において、試験初日に筆記試験・二日目に面接試験というような形で行われることが多いかと思いますが

都道府県にもよりますが、相対的には多くの生徒がこういう形の面接受験を受験します。

 このタイプの面接試験については

中学校で何回か面接対策指導が行われるのが通例ですが

生徒に対して、面接試験というものの意味合いまでアドバイスされることはほとんどありません。

だから生徒たちは、受験に向けて筆記試験の勉強を一生懸命やりつつも

面接試験については漠然としたイメージしか持てず、受験の直前になって慌ててしまうということもあります。

 そういう混乱を防止するためにも、面接試験については「何をテストしているのか」という事を一度考えてみるということが重要です。

その際のヒントになるのが、実は

面接試験が「学力試験」ではないという事実です。

人物を見ることは共通

「学力試験」である面接試験も、国家試験などではよくありますが

高校入試においての面接試験は

競争率が高い場合でも、普通「学力試験」ではありません。

 言い方に語弊があるかも知れませんが

対比した言葉で言えば「人物試験」ということになるでしょうか(もちろん人物を試験するという事などは、基準が無数にあるためそれ自体が無理なことですが...)

 少なくとも

「光合成について知っていることを言いなさい」

「ええと、植物が光を浴びて・・・」

というような試験ではないことは確かです。

 これは高校入試については共通のことであるかと思います。

 だとすると、試験対策のスタートはこの事をよく考えて行うべきことになります。

 どういうことかというと

「間違ったことを言っても、それだけで減点という訳ではない」という事です。

 生徒に話をさせることで、その生徒の人物像を試験官が感得するというのが目的なので

正しい事を言っていれば〇、間違った事を言えば✖

という試験ではないことになります。

 こういう大前提を知らないまま、面接試験の怖さばかりを学校で話されるため

生徒は

「少しでも間違った事を言ってはいけない」と萎縮してしまい

 面接練習をやってみると、何も言えなくなってしまうという事態に陥ることもよくあるのです。

これは、面接に対するイメージを誤った結果生じるマイナスの効果だと言えます。

真摯な姿勢を示すことが最も大切

 このような前提で考えて見ると

一般入試の面接試験で、受験者が一番念頭においておかなくてはならないことは

「自分の姿勢を見てもらう」というイメージになります。

大切なのは

「自分は本気でこの高校で学びたい。そのために来ました」という姿勢です。

 そして一般入試の面接は定員や倍率にもよりますが

筆記試験・学校からの評定(内申)などでほぼ合否が決まった後

最後の判定段階の資料として面接が参考にされるに過ぎない場合が

かなり多いと思います。

 面接試験で逆転合格をしたり

あるいは面接の出来が悪くて、それが原因で不合格という事は

実際はほとんどないというのが実感です。

 面接というものが、どうしてもかなり主観的な判定になる以上、受験設営側としても

客観的情報である、筆記の得点と内申点で決断をする方がベターだと考えているのかも知れません。

 そうだとすると、なおさら

試験官が

「どんな生徒だろうか。入学させても大丈夫かな」

という事を見るのが、やはりこの試験の位置づけになることになるでしょう。

生徒としても、それを念頭に置いて

「自分は合格しても大丈夫な生徒ですよ」ということを示せばよいことになります。

もちろん、直接言うというのではなく、回答を通じてそれを示すわけですが。

何を対策するのかが見えて来る

 そしてこのイメージからは、面接対策で何を準備したら良いかが見えてきます。

最低限の定型的な質問への回答を準備しておくのは当然ですが

たとえば

「高校に入って何をしたいですか」と聞かれて

部活動の話しかしなかったりすれば

「何のために高校に入るの?」ということでその姿勢を疑われてしまいます。

 実際、志望動機で

部活の事だけを延々と話したりする生徒もよく見かけますが

学業を基本に置いての部活ですので

そういうアピールはマイナスではないかと思います。

 あるいは

専門学科の受験であるのに

その学科で勉強することを知らない生徒は

やはり試験官の側から見ると

「おや?」ということになります。

「受かりそうだから、うちの高校を選んだだけかな?」と

つい思ってしまいます。

 面接試験で見られる事というのは、実はそういう「姿勢」なのです。

学校では、面接と言うと

礼儀作法や歩き方、そして「目を見て話せ」などというアドバイスをされることが多いようですが、

中3生くらいで、そういう事がスイスイとできるというようなことは

そんなに要求されていはいないと思います。

 たとえば、大人の方であれば

高校入試の試験官を、仮にあなたがやるとして

 礼儀作法も流ちょうで、目を見て堂々と話を出来る生徒だが、受験校を少し低く見ていて(滑り止め)そんなにその高校に興味がないことがはっきりしている生徒と

 話し方もたどたどしく、お辞儀も上手くできない上に少し緊張でそわそわしているが、受験校の学習内容を楽しみしていることが目の輝きや口調からはっきりとわかる生徒がいた場合に

どちらを合格させたいでしょうか?

 結局そういうことなのだと思います。

面接試験は、その意味で生徒の「心」が見られてしまう試験でもあるのかも知れません。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

 

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