【情報リテラシー】大きな嘘と小さな嘘

詐欺師のドラマ

 最近、詐欺師グループを主人公にしたドラマが結構あります。

詐欺師やスリとかの犯罪手口を熟練した技のように描いて

主人公が別の悪者たちと戦う内容だったりします。

 無法者がヒーローになるドラマは、昔からありますが

その中には他人に対して悪いことをしてしまっているということへの配慮が

必ず描かれていたように思います。

抽象的に言うと、どんなスト―リもある種の陰りをもっていた気がします。

 ところが最近の詐欺師のドラマでは、イメージが本当に明るくて

「人を騙すことはスカッとする」というような描き方がされているものを

結構見かける気がします。

 そんな犯罪者が主人公の明るいドラマを次々に出していくというのが

今のテレビの現況と言っても良いのかもしれません。

 その一方で「オレオレ詐欺は許せない」なんて言っているのですから

「お話はお話、現実は現実」と言うことでしょうか。

 冒頭から話がそれました。

このような詐欺師のドラマでは

見る人をあっと言わせるために

ラストシーンでは、大どんでん返しがあるのが普通です。

嘘のレベルで言うと「大ウソ」ということになるのでしょうか。

 たとえば、そこにいた人やそれまで関わってきた街の人や運転手などが

すべて詐欺グループの一味だったというような設定があり

すべての話がひっくり返ったりします。

 そして、もちろんですが

そんな大がかりな嘘をしかけられれば

それを見抜けるような人はいませんから、

結局、騙す側が勝つというような決着になってしまいます。

小さな嘘と信用されてしまう大きな嘘

 小さなちょっとした嘘については、裏を取っていく過程で

様々な矛盾をすぐに見いだせるのと

騙される側も用心をしているので

ある程度、ガードが固いために騙されにくいということがあると思います。

 たとえば

「今朝自転車の鍵が見つからなくなりまして」という言い訳は、

なかなか2回はできませんが

もし警察官がグルになって嘘をついたとすれば

「今朝自転車が盗まれまして」という言い訳は、

おそらく5回でも6回でも通用します。

 巻き込む人を増やし、かつ巻き込む人の信用度が高ければ高いほど

嘘は大きくなり、人は簡単に騙されることになります。

見抜けない大きな嘘

 このように考えると、周到に準備された大きな嘘ほど

人々は容易に騙されてしまうということに気がつきます。

実際の詐欺師たちも、こういうことから

権威あるものを上手く活用した詐欺の手口を考えます。

フィッシング詐欺などは、その最たるもので

クレジットカード会社からのメールや

大手通販サイトからのメールを装って

被害者を詐欺に取り込もうとします。

 裁判所からの通知を装ったりするのも

こういう権威を背景に置いて、

「まさかこんな公の組織や大企業が嘘を言うはずがない」

という心理を巧みに利用しているものと言えるでしょう。

メディアと政府が正確な情報を流さない?

 たとえば、独裁国家を想定して見てください。

そこでは、自国の独裁者を完全無欠な偉人として称えて

報道はもちろん、教育のすみずみまで

独裁者の意向にそった運営がなされます。

 もし純粋な子どもがいて

小さい頃から、それが真実であると教え込まれたら

彼は本当のことを知る機会が全くないため

完全に独裁者のいいなりの人間になってしまいます。

政府とメディアが結託すれば

こういう事は簡単に行えるのです。

 そしてこれは何も、遥か過去の話ではなく21世紀の現在の話です。

 前にも書きましたが、この現代でも独裁者が国を支配している国はたくさんあるのです。

そしてそういう国家では、当然の事ながら

情報は管理されていて、ネットの情報も自由に見ることもできません。

 まさに「大きな嘘は見抜けない」という状況に国民は置かれていることになります。

民主主義国家でも危険は変わらない

 では「民主主義国家なら、そんなことはできないから安心」

本当にそう言い切れるでしょうか?

 メディアが「報道しない自由」を行使して

公的機関が発表している情報や研究者が発表している情報を

編集の意図に合うものしか流さないようになってしまってから、かなりの年月が経っていますが

 多くの国民は未だに

「テレビでやっていたから」

「有名な大学の先生が言っていたから」

「大臣が言っているんだから」

という事だけで

物事をうのみにしてしまっている場合があるように思います。

 ご存知でしょうか?

日本は世界一メディアを信頼している国なのです。

しかし現実には

「テレビで猛烈に報道していた主張が全く誤りであった」

「有名な大学の先生が言っていたことは全く起こらなかった」

「大臣が言っていることを後で誤りと認めて辞任した」

なんてことは日常茶飯事になっていませんか?

 現在でも、無条件に信じ切っている人については、

なぜ以前のように、それでも全面的に信用できるのか不思議でなりません。

 民主主義国であっても、メディアと自己の利益を図りたい人が敢えて情報を曲げて伝えれば

容易に、独裁国家と同じようになります。

 国民たちは、自分たちの利益や生命が脅かされていても

それに気づくことができず

 情報操作に乗せられたままになってしまう危険はあるのです。

何かが変わった。

 私は専門家ではありませんが、この数年で

国を実質的に運営している人たち-それは官僚であり、政治家であり

現在ではメディアである-と言えると思いますが

 こういう権力の中枢にいる人たちに

何かが起こっている気がして仕方がありません。

 行われる施策が、以前のわが国特有の

国民の安全や利益に対して十分な配慮をしてきたやり方と

明らかに変わってきてしまっています。

客観的に見てそう思います。

 何かを急ぎ焦って、よく計画もせずに暴走しているようにも見えます。

単に、困難な四囲の事情に対応するためのドタバタであればいいのですが

国民の目に見えないところで、何か大きな嘘があるということだけは勘弁してほしいところです。

大ウソへの対策

 私たちは、こんな時代にどう対応していけばいいのでしょうか。

幸い現在でもWEB上で直接調べたり、主要SNSでも上手く検索をしたりすれば

正しい情報を手に入れられる余地はまだまだあります。

そこは独裁国家と異なり、情報はまだまだ手に入れられます。

 ただ、WEB上でも「メインニュース」や大メディアが運営しているような情報は

地上波を見るのとあまり変わらなくなるので、見ても新しく得られるものは少ないでしょう。

SNSでも「トレンド」や「ニュース」「おすすめ」に出てくるようものには、

バイアスがかけられている可能性があります。

 一番良いのは、これまでも繰り返し書いてきましたが

「おやっ」と感じたことがあったら、それを検索ワードにして

検索をかけてみることです。

 このやり方であれば

幸いまだ、メディアの言っていることと異なる情報をたくさん知ることができます。

「嘘」かどうかは、そういう情報も見たうえで自分自身で決めていくのが

一番良いのではないかと思います。

 今後も皆さんのお役にたつ情報をアップしていきます。

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