ネルソン・マンデラ
ネルソン・マンデラは南アフリカ共和国の政治家で、反アパルトヘイト(反人種隔離政策)運動を行ったために、国家反逆罪で終身刑の判決を受け27年間の獄中生活を送った後釈放され、アフリカ民族会議議長に就任して当時の大統領フレデリック・デクラークとともにアパルトヘイト撤廃に尽力した人物です。後に自身も大統領となり、南アフリカの民族和解協調やさまざまな経済政策を行っています。
ネルソン・マンデラは、自由と平等のために闘った偉人であるということはもちろんですが
何と言っても27年間の投獄生活の中で、決してくじけずに信念を貫き通したということが「凄い」の一語に尽きます。
獄中生活の中で結核を患ったり、彼自身が肉体労働で生涯残る目の障害を負ってしまったばかりでなく、外で暮らす家族もさまざまな弾圧を受けたようです。
しかし彼は、獄中でも勉学を続けました。
白人の間で通用していたアフリカーンス語(Afrikaans)を学び白人の看守との交流を試みたり、通信教育で法学士号を取得したりしました。
彼は仲間を大切にしていて、その収監されていた島の名前から「ロベン島大学」と呼ばれるようになるほど、仲間たちと一緒に勉学や討論をしたと言われています。
そして決して、人種差別に対する活動を行う意志を捨てることはなかったのです。
ネルソン・マンデラの鋼鉄の意志を支えたマインド
ネルソンマンデラの鋼(はがね)のような強い意志は、どのようにして育まれたのでしょうか。
その秘密を知る手掛かりが、ある格言として残されています。
彼が言った言葉です。
It always seems impossible until it’s done.
「何事も成功するまでは不可能に見えるものだ」
直訳すると「それをなしてしまうまで、それはいつも不可能に見える」
私たちは、何か困難に出会うと
大体において途中で「こんなことは本当は不可能かもしれない」と感じる瞬間があります。
おそらくほとんどの人がそういう経験をお持ちだと思います。
そして、それを乗り越えて物事を実現できる場合もあれば、途中であきらめてしまう場合もあったかと思います。
しかし彼の言った格言のような視点で物事を考えることは、おそらくなかなかないのではないでしょうか。
というのは、「達成が可能だという事」が、頑張るための前提に普通はあるからです。
だから途中で「不可能かも知れない」と感じれば
強い必要性があれば継続をしますが、そうでなければ撤退をするということになるでしょう。
しかしこの言葉の視点は、1つの新鮮な教えを私たちにもたらしてくれます。
それは「不可能だと思うのが、実は普通だという事」です。
そう言われてみれば
容易にできそうもなかった事を成し遂げた経験を思い出すと
必ず困難に負けそうな段階があり、それを乗り越えて成功が来ていることに気が付きます。
この言葉の言う通りなのです。
しかし誰かが「大丈夫」という保証をしてくれるわけでもないために
私たちは困難自体というよりも、「困難を不可能だと思い込み始めてしまう事」によって物事をあきらめてしまったりします。
彼のこの視点を知ることによって
「そうか、困難な時はそう思うのが普通なので、その気持ちは気にすべきではないのだ」ということに気づくことができるのです。
ただ、こんな視点を持つことができたというのは、彼が獄中で自分の精神を常に磨き前向きに生きていこうとすることを考え続けた結果もたらされたものであると思います。
だから私たちは、そんな苦難の結果獲得されたこの言葉を
本当にありがたい教えと思って、心に留めておく必要があるのではないでしょうか。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。