本当によく聞く「どこが分からないかが分からない」という言葉
復習をするときに、生徒や保護者から相談を受けると
「復習が大切なのはわかるが、広すぎてどこが分かっていないかが分からない」という言葉をよく聞きます。
これはもっともな話で、自分の弱点がどこかをきちんと言えるようであれば、そこを集中してやればいいわけで復習もやりやすいのですが、
自分のできないところが漠然としていてよく弱点をつかめていない場合には、出たとこ勝負になってしまうため大変遠回りをしてしまうこともあります。
学習を進めていて、ある程度できるところがまとまってきていると、できない所を意識できるようになりますが、
弱点が多く点在する場合には、「どれもこれもできない」という気持ちになりがちです。
しかしよほど混乱している場合は別ですが、必ず「できること」と「できないこと、わからないこと」の境目は存在します。
だから復習の第一歩は、この境目はどこかを自分が確認することにあると思います。
そのままスタートしてしまっても復習はできますが、その場合にはかなり無駄な時間がかかってしまうことも覚悟しなくてはいけません。
弱点を確認する方法
しかし心配することはありません。弱点を確認する方法はあります。
一番簡単なのは、復習する範囲について網羅したテストをやってみることです。
これでできない所とできる所はある程度浮き彫りになります。
もし最近やったばかりのテストがあれば、それを確認するとなおよいでしょう。
もっともただ✕の所を復習するというのではなく、どちらの場合も、分析の仕方が重要です。
✕になった理由を必ず考えてみます。
間違いには理解不足だけでなく、時間不足の場合もありケアレスミスの場合もあります。
ときどきケアレスミスで間違えた問題を何回も復習している生徒がいますが、まったく時間の無駄です。
ケアレスミスのようなアウトプットの失点は、復習しても対策になりません。
別にアウトプットの対策を行う必要のあるものです。
理解できていない所はどこかをしっかりと確認するのです。
そしてその場所が分かったら、一度教科書やワークに戻ってその場所に書いてあることを読み込み確認しなおします。
すぐに似た問題をやってみるという人が多いのですが、理解の誤りによるミスは、根本のところで間違って頭に入っている場合もあります。
一度戻って確認したほうが解決は早いと思います。
復習の手順も重要なのです。
間違いを繰り返す復習のやり方
たとえば、連立方程式の解き方が頭の中で混乱してしまって、これを復習しようと思ったとします。
まずやってみようと思って、問題を解いてみます。
なぜか答えが合いません。
この時にどうすべきでしょうか?
驚くべきことは、多くの生徒がこの時にも次の問題をどんどんやっていくという事実です。
そしてすべての問題を間違えて頭を抱えていたりします。
そんなことをしても何も改善につながりません。
この場合には、答えを確認してやり方が書いてあればそれを読み
そのやり方を思い出せなければ、教科書や参考書をもう一度読み直し、
あるいは先生などに質問をするというのが正しい方法です。
すっきりしない場合は、決して先へ進まずその問題が出来ない理由を徹底的に確認すべきです。
それをやらないで次の問題をやっても、レースでタイヤがパンクしたのに、パンクを直さないで走り続けるようなものです。
事態はむしろ悪化します。
間違ったやり方で問題を解き続けると、変な癖がつくことがあります。
さらに、自分にはできないという先入観も重なっていきます。いいことはありませんね。
復習という簡単なことでもやり方は大切
このように復習という簡単そうなことでも、やり方を間違えれば全く効果がないばかりか、むしろ事態を悪化させてしまうことさえあります。
なぜこのようなことが起こるかというと、
学習というものはどんな場合でも内容面の他に、「学習について考える力」というものが要求されるからです。
たとえば料理をするときに、いい味を出す料理をつくるということも重要ですが、料理をする段取りを同時に考えなくてはなりません。
素材を上手く使えず大部分を無駄にしてしまったり、手順が悪くて実際に出すときにはほとんどの料理が冷めてしまっていたりすれば、その料理は成功とはいえません。
段取りは重要です。
学習においても、内容だけでなくいわば段取りをする力である「学習について考える力」も必要なのです。
だから、どうやったら合理的に短時間で目的を達成することができるかということを常に意識して学習をするということが重要です。
ちょっとしたことのようですが、実はこういうことを考えているかどうかが実力を大きく左右していると私は思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。