志望校がぐらついている
12月に入りました。
テストの結果が返ってきて、さらに通知表をもらうと
中3の生徒も保護者も、志望校について悩む場合が多々あります。
中には確たる志望を決めていて、将来の展望まで考えている生徒もいますが
そういう生徒は少数派です。
「普通科にするか専門学科にするのか」
「自分の行けるレベルの学校はどこなのか」
「このまま志望校を決めてしまっていいのか。変えるべきか」
「公立をやめて私立受験に切り替えるべきか」など
実にいろいろな要素について
順に考えて決定をしなくてはならない時期になっています。
その意味ではほとんどの方が、「今の志望校」について、考えをぐらつかせてしまいがちな時期とも言えます。
実際、12月のこの時期に考えを変える方は、非常に多く見られます。
保護者懇談
この時期には、学校の先生と保護者あるいは生徒本人を含む三者で、懇談が行われる事が多いです。
学校によりスタンスはさまざまですが、何らかの意思確認が行われるといえます。
でもそんな場へ、生徒や保護者の方がしっかりとした情報もなしに懇談へのぞみ
「先生、大丈夫ですか。高校へ行けますかね」
というような相談をしてしまうことがあります。
しかし、これは大変まずいやり方です。
実は学校の先生も、進路指導に絶対の自信を持っているわけではありません。
「もし自分のアドバイス通りチャレンジして、失敗してしまったら大変」
そう考えているのが普通です。
何といっても人の人生の岐路にかかわる選択です。
そのため間違いなく、基本的に学校や学校の先生は慎重派です。
多くの場合「かなりの安全策」を示してきます。
簡単に誘導されてしまうこともあります。
だから保護者懇談の前には、志望校はしっかり確定しておいて
「〇〇高校を受験したいのですが」という出だしで懇談を始めることがポイントだと思います。
そうすれば学校の先生としてはアドバイスがしやすいのです。
言い方は悪いのですが、最初から自分(先生)が決めたのではないということは、学校の先生の心理的負担を軽くするのだと思います。
考えてもみてください。
もしあなたが先生だとして、ABCの3つの高校のうち
Aは安全、Bはたぶん大丈夫、Cは五分五分というラインだったときに
冒頭のような聞き方をしてきたら、どこを勧めますか?
おそらくAになります。Bは危険も説明して勧めるか、あるいは勧めないかどちらかでしょう。
ましてやCについては情報提供すらしないでしょう。
でも「Cを受験したいがどうでしょうか」と聞かれたら
「5分5分になりますが」と言いつつも
親切な先生であれば、状況や対策や滑り止めなどについて説明をしてくれると思われるからです。
聞き方は、実は懇談では大変重要なのです。
また懇談で、先生の言いそうな先を見越して「行けそうな学校」を提示すべきではありません。
状況にかかわらず「行きたい学校」を提示すべきです。
それを前提に先生とお話をすることが、より良い懇談になる秘訣です。
そして間違っても、学校の先生に「どこに行けますか?」と聞くような形はとらないようにすべきです。
受験ではそういうスタンスをとると、懇談の問題だけでなく
本人が受験について主体的に頑張る事ができなくなる危険もあります。
あくまで「自分の受験だ」ということを意識していけるようにすることも、とても重要です。
志望を変更?
次に、学校の先生に志望校への合格が難しいことを言われても、
簡単には変更をしないでください。
これはかなり重要です。
保護者の方も生徒本人も、「受験」ということを怖がるあまり非常に慎重になってしまうことはよくあります。
落ちるのは誰でも怖いからです。
もちろん現時点で合格の可能性が極めて低い場合には、もう一度考え直すということも必要となりますが
すこし成績が振るわないくらいで志望を変えるのは得策ではありません。
高校受験まで、そして願書を出すまでにはまだ日数があります。
内申点が明らかに届かない場合は別ですが、得点力なら伸ばすことは十分可能です。
また3学期に内申判断がされる県では、まだ内申を上げるチャンスもあります。
またこれが一番大きいのですが、
志望校を早々に変えてしまう事は
本人のモチベーションを下げてしまう危険があります。
ぎりぎりまで頑張ってから変える場合は、全力を尽くしたという経験が後に生きてくることもありますが
少し危険だからといって、楽に受かりそうなところに変更をしていけば
またさらに変更することになるということも起こりえます。
逆に志望を変えたので大丈夫と油断して、勉強に力が入らなくなった生徒が
志望をさらに変更して、結局そこも不合格になったという例は意外にあります。
受験というものは、落ちることもあるものですから
モチベーションなどのメンタル面はとても重要なのです。
単に客観的データのみですべてが決まっていくものでもないのです。
だから志望を本人にとって楽な方に変えていく場合には、よほど慎重である必要があります。
セカンドオピニオン
また学校の先生の情報が、絶対ではありません。
わたしたちの経験上よくわかっていることですが、
学校の先生は、受験に関してはどんな局面でも、保護者の方や本人以上に慎重の上に慎重な判断をします。
十二分に合格できる学校でも
「厳しい」ということを平気で言う先生も少なくありません。
だから学校で受験情報について厳しい話をされた場合には
ぜひ塾や家庭教師の先生に相談をしてください。
いわゆるセカンドオピニオンというやつです。
私たちはプロであり、学校の先生のように責任云々で客観的に事実とかけ離れた判断をしてしまうようなことはありません。
*逆に実績を上げたくて難しいところを無理に受験させるような塾もありますので、そこは注意が必要です。数字の情報や危険性を具体的に示してくれないような塾にはご注意ください。
受験する学校の決定は、これから先のことを決める重大事ですから
ただ安全ばかりを考えず
「後で後悔しないか」ということや
「本当に本人のためになるのか」
という視点も重要です。
受験でお悩みの場合は、私たちはお力になれるかと思います。
情報の確認なども含め、青雲学院へはお気軽にご相談ください。